絵本「ウルトラマンをつくったひとたち」を読み解く

絵本「ウルトラマンをつくったひとたち」を読み解く

「ウルトラマン」は2016年で50周年になります!おめでとうございます!それを記念して「ウルトラマンを作ったひとたち」という絵本が出版されました。この絵本を作ったのは当時のウルトラマンの製作スタッフです。45年前の現場にいた人が現場の様子を伝えたすばらしい絵本。今こそ昭和キッズに読んでほしい絵本です。


円谷監督-円谷英二とは

円谷 英二(つぶらや えいじ、本名:円谷 英一(つむらや えいいち)、1901年7月7日 - 1970年1月25日)は、福島県須賀川市生まれの特撮監督、映画監督、撮影技師、発明家、「株式会社円谷特技プロダクション」初代社長。旧制東京電機学校(現:東京電機大学)卒業。

昭和における特殊撮影技術の第一人者であり、独自に作り出した技術で特撮映画界に多大な功績を残したことから特撮の神様と呼ばれる。円谷の人生は、活動大写真と呼ばれた明治時代の黎明期から、映画斜陽期を迎えた東宝解体までの日本映画界の歴史とそのまま重なっている。(wikipediaより)

円谷英二

デンさんの正体(?)は。。

さてそろそろデンさんが何者か暴露(?)します。
うすうす分かっている方もいらっしゃるでしょうが…

「ぼくの しごとは さくがぎし っていうんだ」

…そうです、デンさんは作画技師の飯塚定雄さんです。この策画室の中には中野稔さんもいると思われます。

デンさんは後の「デン・フィルム・エフェクト」の社長さんです!

そしてこの絵本を作られた方だったのです。

つまり、この絵本は現場のスタッフだった方によるものなのです。

デンさんは飯塚定雄さん!

飯塚 定雄(いいづか さだお、1934年 - )は、日本映画のCGデザイナー、デン・フィルム・エフェクト代表取締役社長。東京都出身。愛称は「デンさん」。

1954年に高校に通いながら二科会の美術研究所で東郷青児に絵画を学びながら東宝撮影所のアルバイトとして特撮映画の美術助手をしていた。1957年より円谷英二の奨めで室内合成の光学作画を担当する。

円谷の死後、退職して中野稔と共にデン・フィルム・エフェクトを設立する。(wikipediaより)

飯塚定雄

「ウルトラマンレオ」のOPです。0:45ごろに「デン・フィルム・エフェクト」の文字が見えます。

スペシウム光線は作画技師の仕事!

ウルトラマンの映像とデンさんが作画した光線を合成して必殺技・スペシウム光線が発射されます。

合成作画

スペシウム光線

これがうわさのオプチカルプリンター!

これらの合成にはオプチカルプリンターを使用します。このページに描かれていますが…

さりげなく描かれていますが、このオプチカルプリンターの導入にはひと悶着あったのです。

オプチカル・プリンター(Optical printer)とは、映画撮影機に接続された1台以上の小型映写機からなる装置。

オプチカル・プリンターを使うことで、現像済みの映写フィルムを再度、別のフィルムに光学的に焼き付けることが可能となる。映画や古いフィルムのコピー、修正、特殊効果に用いられる。特殊効果には画面が徐々に暗くなるフェードイン・逆に段々明るくなるフェードアウト・画面が徐々に別の画面へと移り変わるディゾルブ(クロスフェードとも)・スローモーション・クイックモーション・マット合成などが含まれる。複雑な処理の場合、複数の特殊効果を1ショットに含めることも出来る。

オプチカルプリンター

1937年(昭和12年)に東宝の「特殊技術課」へと迎えられた円谷英二は、手動式の国産機を自ら設計することで、同課の合成技術の向上を目指していた。東宝でも、『ゴジラ』を機に合成技術の更なる向上を目指していた円谷の意欲に応えるべく、1963年(昭和38年)の6月にはアメリカにて開発済みの、オックスベリー社製スリーヘッド方式オプチカル・プリンター1900シリーズを『マタンゴ』の撮影用に購入した。 円谷は、スリーヘッド方式の性能でも満足しなかった。自ら主宰する円谷特技プロダクションに、フジテレビとTBSからそれぞれ、円谷の優れた特殊技術を活かした新番組企画の発注があったことを知り、オックスベリー社で新たに開発されたフォーヘッド方式オプチカル・プリンター1200シリーズの購入を決断した。 だが当時、世界中に2台しか存在しなかった1200シリーズの価格は11万ドルで、当時のレートで換算すると4000万円という高額な機材だったことから、円谷は手付け金の500万円を工面すべく、円谷特技プロダクションを東宝傘下の会社にすることで、資金面での安定を図ろうとした。 円谷は、フジテレビで企画中だった新番組『Woo』の制作予算で、一時的にしろ1200シリーズの購入代金を立て替えようと計画した。しかし、『Woo』が中止となりそれは不可能となった。船で輸送途上の現物をキャンセルする訳にもいかず、TBSの敏腕ディレクターでもあった円谷の長男・一の仲介で、TBSが代わって1200シリーズを購入し、同局のために円谷特技プロダクションがオプチカル合成技術を用いた特撮番組を制作するという契約が結ばれ、後の「ウルトラシリーズ」で使用される事となった。このプリンターはその後、TBS局内にあった「TBS現像所」(通称:TBSラボ)で長い間使用され、映画、CM等で活躍した。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%81%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%97%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC

オプチカル・プリンター - Wikipedia

編集・試写

円谷英二さん自ら編集しています。デンさんもお手伝いしています。

編集

監督やデンさん、スタッフ、キャスト、…おや?怪獣たちも一緒に試写を見ています。

ウルトラマンもいますね。

え?誰ですか?ウルトラマンは3分しか地球にいられないからラストだけ見に来たんだろう、なんて言ってる人は?(笑)

試写

ウルトラマン50周年おめでとうございます!

表紙を裏返したところです。

デンさんたちスタッフの意気込みとプライドが感じられる絵ですよね。

当時のスタッフが作った当時の空気が伝わる絵本

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