赤井英和の半生を映画化した 「どついたるねん」


ボクサー時代の赤井英和
まさにどついたるねん!のファイトスタイル
赤井英和 脳内出血した最後の試合「やらんでええ試合やった」│NEWSポストセブン

映画の基となった赤井最後の一戦
伝説のボクサー赤井英和 - Yahoo!知恵袋
あらすじ

劇中、ボクシングシーンのリアリティ
開頭手術まで行った赤井英和ですが、本作ではボクサーとして実際にリングに立ち、戦います。
相手には実際にボクサー赤井を引退に追い込んだ大和田正春(イーグル友田として)が登場。
現実同様、赤井演じる安達英志を、緊急手術を受けるまでに追い込みます。
そして、また復帰戦の相手清田役には、当時の日本ミドル級・現役チャンピオン大和武士(清田さとるとして)が選ばれます。

映像には、特殊効果やカットの工夫も特になく、二人の生々しい打ち合いが映し出されます。
壮絶なシーンの進行によって、ボクシングの原点を喚起させる名シーンとなっています。
その理由はボクシングの暴力性と、常に付きまとう死の予感が凝縮された映像だからではないでしょうか。
勝敗すらも超えた人間同士のどつきあいに、命懸けの格闘技・ボクシングの魅力を見る事ができます。
最後、タオルが投げ込まれた後に、フラフラの安達英志が最後の力を振り絞り、パンチを見舞うシーンで画面が固まり、エンディングへと移る点がそれを象徴しているように感じました。
勝敗や技術ではない、相手を倒す事に執着してしまうボクサーの性が明確に表れていました。
そして、それは「浪速のロッキー」のファイトスタイルと共通しています。
赤井英和が演じる事で、より映画にリアリティを与えました。
タイトル「どついたるねん」。まさに言い得て妙です。
脇を固めるセコンド陣
鴨井大介
安達英志を育てたナショナルジムの鴨井会長
チャンピオンを育てる事に情熱を燃やすトレーナーでもある。
安達がボクシングジムを設立する際に、必要なライセンスを半ば強引にナショナルジムから借りるが、それすらも許し、安達の身体を心配する心優しい人物。

鴨井貴子
鴨井会長の娘。
幼馴染の安達に、色々と口うるさく注意をする。
安達に殴られ、顔にあざを作る事もしばしばあるが、常に安達が気になる。
安達がナショナルジムを裏切り、ボクシングジムを設立した際は、激怒するがなんだかんだ許してしまう。
鴨井貴子役の相楽晴子は、本作での献身的に安達を支える演技が高い評価を受けた。
左島牧雄
元ウェルター級の日本チャンピオン。
安達が設立したボクシングジムでコーチを務めた後、安達と一緒にナショナルジムへ移籍。
ナショナルジムの鴨井会長とは旧知の仲。
アウトボクシングを教える左島に、ゴリゴリのインファイター安達は度々キレる。
また、安達とのスパーリングも脳への影響を心配して、ボディしか狙わず、気弱な所がある。

ロケ地は大阪・新世界
赤井英和の地元大阪の西成区が舞台となっています。
コテコテの大阪をイメージする際のランドマーク「通天閣」にも、試合前の安達と鴨井貴子が訪れます。
昔ながらの大阪で、暴れまわる安達が絶妙にマッチしています。
また、阪本順治監督の「新世界三部作」の一作目の作品でもありました。

ボクサーを引退し、自暴自棄になった安達が彷徨った新世界。
大阪情緒を感じるロケ地でした。
安達と左島が立ち寄った「丸徳」
「どついたるねん」の中で、ボクサー役の赤井英和と、トレーナー役の原田芳雄がこの店でホルモンそばを食べているシーンがあったのを覚えている人もいるかもしれません。
https://www.motoharusumi.com/marutoku新世界のソウルフード「丸徳」ホルモンそば | 住 太陽のブログ

作品データ
監督 阪本順治
脚本 阪本順治
俳優 赤井英和、相楽晴子、麿赤児、原田芳雄等
公開 1989年(平成元年)
配給 ムービーギャング
時間 110分
「どついたるねん」以降、赤井英和の俳優としての活躍はご存知の通り!
そういえば何故か標準語で演技していましたね!
彼にはやはり大阪弁が一番似合います!