F1の安全対策の歴史:ドライバーの安全性を高めるリスクマネジメントの進化

F1の安全対策の歴史:ドライバーの安全性を高めるリスクマネジメントの進化

1970年代のF1では『毎年25人中2人が死ぬ』と言われる程に、最高速のスピードで戦うF1は、栄光と危険は背中合わせ。だからこそ限界ギリギリのところで勝負しているチームやドライバーに魅了されるところもあります。マシンテクノロジー・パイロットやチームの意識・コース設定やレース運営やレギュレーション、あらゆる面で徹底的に完全面を高め続けて挑まないと、F1は時には牙を剥くことがあります。F1の安全性に関する技術・規定・コース設計・レース運営思想がどのように進化し続けているか振り返ってみましょう。


テクノロジーの進化により危険なコーナーへと変貌、「イモラ・サーキット」のコースレイアウト上の問題により高速でコンクリート壁に激突してしまうリスクが発生していた

「タンブレロコーナー」でのクラッシュは全てタンブレロを直進してコンクリート壁に激突するという共通点を持っていた。

「イモラ・サーキット」の高速コーナー「タンブレロコーナー」:セナの事故現場

ホームストレートから左に緩やかなカーブを描き、左・右・左と切り返すタンブレロ (Tamburello) を通過する。 かつてはアクセル全開で通過する超高速コーナーであったが、1987年にネルソン・ピケが初日の予選中にクラッシュ、1989年にはゲルハルト・ベルガーがレース中にクラッシュしマシンが炎上、そして1992年にはウイリアムズのリカルド・パトレーゼがテスト中にクラッシュし首を負傷するなど、テクノロジーの進化により危険なコーナーへと変貌していった。そして1994年、アイルトン・セナがレース中にクラッシュ、死亡するに至る。 これらのクラッシュは全てタンブレロを直進してコンクリート壁に激突するという共通点を持っていた。 この種のリスクに対しては、コンクリート壁を後退させてランオフエリアを拡大するか、コンクリート壁の前にタイヤバリアを敷設するなどの対応が考えられるが、このコーナーのすぐ外側にはサンテルノ川が流れており、ランオフエリアのスペースを拡大することができず、タイヤバリアの敷設にしても衝突時の飛散のリスクを考慮すると、やはりコースとの距離が絶対的に不足しており、採用することができなかった。 そこで高速コーナーを廃止し、1995年からは内側に切り込むシケイン状のコーナーに姿を変えた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%A2%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%83%E3%83%88

イモラ・サーキット - Wikipedia

コースが難しいところは戦いの見所、選手たちの攻略の腕の見せ所となる。

コース上の難所や事故が起こりやすい場所で発生するリスクに対して万全な対策が施されているかどうかが問題。

1994年のイモラのレイアウトは、リスクを回避する十分な対策が施せていなかった。

イモラ・サーキット

1994年サンマリノグランプリ以降、FIAはF1カーの設計に関する規則(F1レギュレーション)も変更

(画像説明)1975年シーズン F1マシン寸法規定の一例
FIA /1975 YEARBOOK OF AUTOMOBILE SPORTより

F1のレギュレーションは次の2種類からなる。

スポーティングレギュレーション (Sporting Regulation)
競技面の規約。レースの運営手順、入賞者へのポイント配分、違反行為への罰則などを定める。

テクニカルレギュレーション (Technical Regulation)
技術面の規約。競技車両(フォーミュラ1カー)の各部寸法・重量・許容性能・安全基準などを定める。
(出典:Wikipedia「F1レギュレーション」)

自動車競技の統轄機関である国際自動車連盟 (FIA) が制定している『F1レギュレーション』

自動車に関する技術の進歩による危険性の増加にともない、F1のレギュレーションは大小さまざまな変更がなされている。

特に
1968年から起きた、それまでの空気抵抗を抑えるデザインから逆に空気を利用する、流体力学を応用したデザインへの変化
1977年に登場したグランドエフェクトカーとターボエンジンの隆盛
1989年から登場した油圧システムと電子制御によるハイテク化
それぞれによる飛躍的な性能向上に対して、数年後に大幅な規制を行っている。

また、1994年からは、マシンおよびサーキットの安全面を強化する対策が頻繁に盛り込まれるようになっている。
(出典:Wikipedia「F1レギュレーション」)

F1マシン主要寸法規定/1991シーズン開幕時(illustration:Pioneer LDC 「F1 Grand Prix 1991」)

この呪われた1994年サンマリノではピットでも問題が起きていた・・・以降、ピットロードでの速度制限が定められる

悲劇の1994年サンマリノグランプリではピットでの事故まで起きていた・・・呪われています。

1994年、レース運営の規定変更:
ピットロードのスピード制限(フリー走行:80km/h・決勝:120km/h)(モナコGPから)。

事故発生の意外な盲点になりうる「ピットレーン」での安全規制強化も大切

1994年の最後の死亡事故以来、F1の安全性は大きく進歩したが、ドライバーにとって最大のリスクはコクピットが開放されていることである(飛来物による頭部損傷)。

FIAはドライバー用の頭部保護対策を精力的に検討

2009年ハンガリーGP予選Q2より

F1マシンは開放型コクピットのため、飛来してきた物体がパイロットの頭部を直撃するリスクが存在する。

走行中の他のF1マシンから外れた部品(スプリングのようなもの)がコクピットに向かって飛んできている

飛来してきた物体が、コクピットのフェリペ・マッサのヘルメットに直撃する直前の瞬間

フェリペ・マッサのヘルメットは損傷し、傷も負う。意識を失いマシンはタイヤバリアに突っ込んだ。

F1のドライバー用の頭部保護コクピット・ソリューション案

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