球史に残る「あの1球」
翌1997年も先発ローテーションの中心に座ったガルベス投手。打線との兼ね合いなどが原因となり「貯金」を作る事は出来なかったものの、槙原投手と並んでチームトップの12勝(12敗)を挙げます。
ですが、そんな活躍よりもガルベス投手の印象が強いのは、1998年7月31日の阪神タイガース戦で投じた「あの1球」でしょう。
下の画像のガルベス選手の隣にいる「ダンカン選手」がわかった人はよほどの巨人ファンでは?
主審にボールを投げるガルベス選手
この大事件を起こしたガルベス投手に対して、下記の様な処分が下されました。
この試合の後、長島監督が「丸刈り」になった事は大きな話題になりました。
誤解・・・してませんか?
日本プロ野球史に残る一大事件を記憶している方も多いかと思うのですが、この事件がきっかけになってガルベス投手が翌シーズン以降、解雇された・・・と誤解(記憶違い)していませんか?実は契約延長しているのです。もちろん当時もガルベス選手の契約が延長になった事に批判が集まりました。
(この再契約についてセ・リーグの審判団が連盟に対して抗議文を送る程でした)
しかも「あの事件」が起きた翌年の1999年には、調整が遅れていた桑田真澄投手にかわって開幕投手に選ばれているのです(外国人投手の開幕投手は巨人初の事)
この1999年、ガルベス投手は9勝12敗と負け越します。
王監督と長島監督
翌2000年、ジャイアンツはダイエーから工藤公康投手、阪神のダレル・メイ投手、ルーキーの高橋尚成投手ら新加入の投手。そして2年目の上原投手らがローテーションを形成。圧倒的な戦力で優勝を果たすものの、ガルベス投手は0勝6敗と5年目で初めての未勝利に終わり、この年限りで解雇されます。
※日本シリーズは、王ホークス対長島ジャイアンツの「ミレニアム対決」を制して巨人が日本一に。
球歴を振り返ってみてお分かりかと思うのですが、ガルベス投手は斉藤・槙原・桑田のいわゆる「先発三本柱」に衰えが目立った時期から、上原投手、高橋投手といった新たな柱が確立されるまでの間、巨人の先発陣を支えていたのです。ガルベス投手の通算成績は、NPB通算5年で46勝43敗。「あの1球」だけで全てを語れるような選手では決してないと思うのです。