ライブのノリは天下一品
初めて彼らのライブを見たのは、TVK(テレビ神奈川)で放送していた「Live TOMATO」という番組だった。1988年にオープンしたばかりの「クラブチッタ川崎」で行われたライブの模様を放送したものだったが、演奏の格好良さは群を抜いていて、メンバーそれぞれのソロシーンは、これがデビュー間もないバンドなのだろうかと思わせるものだった。今も昔も「ライブの華」は、そのバンドの「メンバー紹介」だと思っているが、当時、「BO GUMBOS」と同じか、それ以上の痺れるメンバー紹介は、1987年に忌野清志郎が「IAN DURY &THE BLOCKHEADS」のメンバーと回った「KIYOSHIRO IMAWANO SOLO TOUR」で見聞きしたものだけだったと思う(ツアー中の中野サンプラザ公演の模様が、ライブアルバム『HAPPY HEADS』に残されている)。
デビュー前から噂のバンドだった
BO GUMBOS - Wikipedia
とにかく、ひたすらライブを追求した
下記は、wikipediaの記事からライブデータを抽出したもの。ひたすら、ライブを行っていた。
BO GUMBOS - Wikipedia
当時の流行“縦ノリ”とは異なる“横ノリ”ミュージック
「BO GUMBOS」は、当時、流行の“縦ノリ”に対抗した点で異色のバンドだった。では、そもそも“縦ノリ”と“横ノリ”ってなんだろうか?
縦ノリ - Wikipedia
当時は“縦ノリ”全盛。縦ノリの代表曲と言えば、「X JAPAN」(当時のバンド名は「X 」)が、T-REXをカバーした「20th CENTURY BOY」。「X JAPAN」のメジャーデビューシングルのB面に収められている。下記の引用は、その曲の説明。また、時期は若干、異なるが、同曲の動画。お約束のToshiのモンキーダンスが見れる。
こういった”縦ノリ”に対抗するように「BO GUMBOS」はグルーヴ感溢れる”横ノリ”ミュージックを演奏した。これは、デビューアルバムに収録された「泥んこ道を二人で」、1989年の第31回日本レコード大賞「アルバムニューアーティスト賞」を受賞した際に演奏した「魚ごっこ」を聞いてみると良く判る。ちょっと泥臭いが非常にソウルフル。アメリカ南部の音楽を上手に日本のロックに取り込んでいる。
バンドメンバー
バンドメンバーは、ギター&ボーカル「どんと」、キーボード、ギター&ボーカル「Dr KYON」、ドラムス「岡地明」、ベース&ボーカル「Dr Toshi?」の4名。ゲストメンバーとして、元「村八分」のギターでその後「TEARDROPS」を結成した故山口富士夫が参加していたこともある。
ライブでしか演奏されない曲「ポケットの中」
「BO GUMBOS」にはアルバム未収録でライブでしか演奏されない曲があった。曲名は「ポケットの中」。今でも彼らの代表作の一つだと思っているが、ライブを大切にしていた彼らの想いが込められた曲だったのだろう。なお、その後、発表されたライブアルバムにはこの曲も収録されている。
当時、個人的なことでちょっと壁にぶち当たった状態だったが、この曲を聞いて自分の身を確かめるようなことが多かったように思う。
音楽性の変容とバンドの解散
どんとのMCと歌詞の内容が凄かった
どんとが作った音楽やその発言は、とても率直で、社会の弱者に向かって、単純に応援するというよりも、自分で立ち上がって行動を促すようなものが多かった。そんな彼のインタビュー等をまとまたのが下記の本。
そして、デビュー・アルバム「ボ&ガンボ」。やはりこれが彼らの最高傑作だと思う。残念なことに、「BO GUMBOS」はデビュー時に完成されていて、その後は、変容していくしかなったように感じられてならない。
どんとの魂 | 本 | Amazon.co.jp
ローザ・ルクセンブルグ、ボ・ガンボス、ソロ… 貴重な写真や関係者取材などで綴るどんとの魅力 今も熱烈なファンが多いどんとは、今年1月で没後15年。ニュー・ウェイヴをルーツに持ち、強烈な個性を発散させたバンド、ローザ・ルクセンブルグでデビュー。その後、ニュー・オーリンズの音楽をポップに展開したボ・ガンボスでブレイク、そして沖縄でのソロ活動へと至るどんとの足跡を、貴重な写真、関係者の最新インタヴュー、ミュージック・マガジンのアーカイヴなどでたどります。 ◆写真でたどるどんとの歩み ◆インタヴュー~Dr.kyOn/永井利充/小嶋さちほ ほか ◆どんとと私~友部正人、大久保ノブオ(ポカスカジャン) ◆どんとの愛聴盤を小嶋さちほが紹介 ◆全アルバム/映像作品ガイド ◆ミュージック・マガジンの全関連記事のほか、他誌でのインタヴューも掲載するアーカイヴ ■ どんとフォト・ストーリー~どんとの祭り(小山守) ■ 友部正人が語るどんととの交流(志田歩) ■ 大久保ノブオ(ポカスカジャン)が語るどんとの魅力(松永良平) ■ Dr.kyOn ロング・インタヴュー(今井智子) ■ 永井利充とどんと、“おもてなし”の世界 ■ 小嶋さちほがどんとと過ごした沖縄(真保みゆき) ■ どんとが愛した音楽(小嶋さちほ) ■ 現場のスタッフが見た、ローザ~ボ・ガンボス、そしてどんと □ マネージャー、瀬戸英夫の場合(湯浅学) □ ディレクター、名村武の場合(志田歩) ■ 全アルバム/映像作品ガイド(岡村詩野、小川真一、小野島大、久保太郎、小林慎一郎、小山守、斉木小太郎、志田歩、松永良平、三田真) ■ どんとは死なない(斉木小太郎) ■ どんと関連記事アーカイヴ ほか