縦ノリより横ノリを目指したバンド「BO GUMBOS」は昭和の終わりを告げるようにやって来た

縦ノリより横ノリを目指したバンド「BO GUMBOS」は昭和の終わりを告げるようにやって来た

アメリカ南部の都市、ニューオリンズ。そこに生を受けた「ドクター・ジョン」というミュージシャンがいる。2016年2月現在、75歳になる彼が1972年発表した4枚目のアルバム「Gumbo」。「ゴッタ煮スープ」を意味するそのアルバム名に由来するバンド「BO GUMBOS」は、アメリカ南部の血を強く受け継ぎならも、バンド名通りゴッタ煮感に溢れる音楽を残してくれた。昭和が終わろうしていたときにデビューたのは何かの象徴だったのだろうか。


ライブのノリは天下一品

初めて彼らのライブを見たのは、TVK(テレビ神奈川)で放送していた「Live TOMATO」という番組だった。1988年にオープンしたばかりの「クラブチッタ川崎」で行われたライブの模様を放送したものだったが、演奏の格好良さは群を抜いていて、メンバーそれぞれのソロシーンは、これがデビュー間もないバンドなのだろうかと思わせるものだった。今も昔も「ライブの華」は、そのバンドの「メンバー紹介」だと思っているが、当時、「BO GUMBOS」と同じか、それ以上の痺れるメンバー紹介は、1987年に忌野清志郎が「IAN DURY &THE BLOCKHEADS」のメンバーと回った「KIYOSHIRO IMAWANO SOLO TOUR」で見聞きしたものだけだったと思う(ツアー中の中野サンプラザ公演の模様が、ライブアルバム『HAPPY HEADS』に残されている)。

デビュー前から噂のバンドだった

1987年1月、ローザ・ルクセンブルグで活動中のどんと、永井の二人が、ドラムに岡地を迎えてセッションを始める。岡地は吾妻光良&スィンギンバッパーズ、ブレイクダウン等の活動で知られ、当時はブレイクダウンが活動休止中であったため「リハビリだけ」という事でセッションに付き合っていた。4月、ギタリスト&キーボーディストとしてKYONが加入。どんとの大学の先輩であり、当時はテレビ製作会社の社員であった。同年8月にローザ・ルクセンブルグのラストライブが終わり、程なく新バンドのデビューライヴが決まり9月バンド名を「THE BO GUMBOS」とする。 1987年11月22日、明治大学・生田校舎2003番教室にて行われた「生田祭”ハイパーデリックヘブンPART2”」にてデビューライヴ。共演はJAGATARA、ばちかぶり。 1988年中頃までには「どんとが凄いバンドを作った」という評判は音楽業界では話題になっており、客席にはボ・ガンボギャルと呼ばれる派手な格好の女性ファンが増えていた。ちなみに1988年前半の東京での単独ライブ動員は200~300人前後だったが、秋には500人規模のライヴハウス(INK STICK芝浦等)の連続公演を行っていた。 テレビ等のライヴ中継に加え、ビデオマガジン等でもライヴ映像が紹介され、デビュー前には既に全国に名前が知れ渡っていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/BO_GUMBOS#.E6.9D.A5.E6.AD.B4

BO GUMBOS - Wikipedia

とにかく、ひたすらライブを追求した

下記は、wikipediaの記事からライブデータを抽出したもの。ひたすら、ライブを行っていた。

デビュー(1989年)から解散(1995年)までの主なライブ <1989年> 2月1・2日、初のホール単独ライヴを中野サンプラザで行う 2月19日浅草常盤座にてライヴ 9月ボ・ディドリーとの共演ツアー 10月から翌年1月まで中野サンプラザにてマンスリーライヴ 大晦日はレコード大賞授賞式出演で日本武道館のステージに立つ。衣装もそのまま幕張メッセにてイベント「R&R BAND STAND」出演。その後INK STICK芝浦FACTORY閉店オールナイトにも参加。 <1990年> 2月「サンプラザマンスリー総集編」をNHKホールにて行う 9月、フリーコンサート「HOT HOT GUMBO '90」を代々木公園野外音楽堂にて開催 12月、ホールツアーを開始(翌年1月まで)。 <1991年> 3月、4月ファンクラブ会員限定ライブを高円寺JIROKICHIにて開催 7月、エストニア共和国(当時ソビエト連邦)でのライヴイベント出演。 8月、横浜寿町フリーコンサート、青森・六ヶ所村の夏祭り、横浜本牧ジャズ祭などに出演。31日には「HOT HOT GUMBO '91」を静岡県下田、吉佐美大浜にて開催 <1992年> 8月、京都大学西部講堂前特設ステージにて「HOT HOT GUMBO '92」を開催。 ※どんと20代最後のコンサート。「ボ・ガンボスのライヴは20回ぐらい観た」というソウル・フラワー・ユニオンの中川敬も、この日のライヴを「彼らのベスト・ライヴ」と証言している。 <1993年> 元旦、カウントダウンライヴを沖縄で行う 9月「HOT HOT GUMBO '93」を六本木PITT INNにて2日間開催。 12月から翌年2月まで、カバーツアー「THE KING OF ROCK'N ROLL」。 <1994年> 3月~5月「DYNANITE SOUL SHOW」ツアー 6月~8月「JUNGLE BEAT」ツアー 11月、高円寺JIROKICHIにてほぼ新曲のみのファンクラブ限定ライヴを2日間行う そのまま「BO GUMBOSの新しい夜明け」ツアー ツアーの合間にどんとはバンド内で脱退を表明。 12月31日クラブチッタでの年越しライブをもってバンドは活動休止状態となった。 <1995年> 5月から6月まで「解散TOUR"BO GUMBOS BOGAAAA~N!!"」ツアー

https://ja.wikipedia.org/wiki/BO_GUMBOS#.E6.9D.A5.E6.AD.B4

BO GUMBOS - Wikipedia

当時の流行“縦ノリ”とは異なる“横ノリ”ミュージック

「BO GUMBOS」は、当時、流行の“縦ノリ”に対抗した点で異色のバンドだった。では、そもそも“縦ノリ”と“横ノリ”ってなんだろうか?

当時は“縦ノリ”全盛。縦ノリの代表曲と言えば、「X JAPAN」(当時のバンド名は「X 」)が、T-REXをカバーした「20th CENTURY BOY」。「X JAPAN」のメジャーデビューシングルのB面に収められている。下記の引用は、その曲の説明。また、時期は若干、異なるが、同曲の動画。お約束のToshiのモンキーダンスが見れる。

こういった”縦ノリ”に対抗するように「BO GUMBOS」はグルーヴ感溢れる”横ノリ”ミュージックを演奏した。これは、デビューアルバムに収録された「泥んこ道を二人で」、1989年の第31回日本レコード大賞「アルバムニューアーティスト賞」を受賞した際に演奏した「魚ごっこ」を聞いてみると良く判る。ちょっと泥臭いが非常にソウルフル。アメリカ南部の音楽を上手に日本のロックに取り込んでいる。

バンドメンバー

バンドメンバーは、ギター&ボーカル「どんと」、キーボード、ギター&ボーカル「Dr KYON」、ドラムス「岡地明」、ベース&ボーカル「Dr Toshi?」の4名。ゲストメンバーとして、元「村八分」のギターでその後「TEARDROPS」を結成した故山口富士夫が参加していたこともある。

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