【タフィ・ローズ】3球団・13年間プレーした、日本プロ野球史に残る大物助っ人

【タフィ・ローズ】3球団・13年間プレーした、日本プロ野球史に残る大物助っ人

近鉄・巨人・オリックスの3球団で13年間在籍。「キレやすい」気質の為に退場処分を受けたり、コーチ陣と軋轢を呼ぶ事もあったが、彼がプロ野球史に残る打者であった事は記録とファンの記憶が示している。そんなタフィ・ローズの球歴を振り返る。


来日当初から大活躍!

1996年に近鉄に入団したローズ選手は、来日1年目から日本野球に順応。
130試合に出場し、チーム3冠王となる成績を残す。(打率.293、本塁打27、打点97)
その後もローズ選手は130試合以上に出場し、ハイレベルな成績を残してゆく。
一方、チームの成績はどうだったかと言うと…ローズ選手が中心となった「いてまえ打線」の爆発力は他球団の脅威となっていたが、好不調の波が激しく、優勝争いには食い込めないシーズンが続く。
1999年には、ローズ選手は40本塁打・101打点を記録して、初の本塁打王・打点王のタイトルを獲得するものの、チームは最下位に沈みました。

1999年オフに監督の佐々木恭介が成績不振のため辞任。再建を託された梨田監督の1年目も、「いてまえ打線」の中核を担った中村紀選手が本塁打と打点王の二冠を獲得するものの、近鉄は2年連続で最下位に終わります。

近鉄の優勝に貢献

そうして迎えた2001年シーズン、「いてまえ打線」がシーズン当初から絶好調。ローズ選手もシーズン当初から本塁打を量産する。そして、当時「並ぶ事も許されない」と一部で言われていた王貞治選手が持っていたシーズン記録の55本に並ぶホームランを西武ライオンズの松坂大輔投手から放ちます。

この年も近鉄は「取られたら、取り返す」という打撃戦で勝利する試合が続き、ローズ、中村紀選手らの働きによってなんとか上位に留まっているという状態でした。
壊滅状態にあった投手陣の救世主となったのがシーズン途中加入した、バーグマン(10勝)、パウエル(4勝)らによって先発ローテーションが安定。
更に、脳腫瘍から奇跡の復帰を果たしたリリーフの盛田投手らの活躍により、投打が噛み合いだすと、近鉄は一気に混戦を抜け出し、そしてプロ野球史上初となる、北川選手の「代打逆転サヨナラ優勝決定満塁本塁打」という劇的な一発によってリーグ優勝を果たすのです。

ホームイン前に抱きつくのは…

北川選手に抱きつこうとするローズ選手

「いてまえ打線」の最強クリーンナップ。
中村紀選手(背番号5)、ローズ選手、磯部公一選手(背番号8)

2001年、大阪近鉄がリーグ優勝したときに放送されたローズ選手を追った番組です。

日本シリーズで近鉄はヤクルトに自慢のいてまえ打線を封じ込まれ、1勝4敗で敗退します。
(その1勝はローズ選手が第2戦で放った決勝3ランによるもの)
結局この年のリーグ優勝が近鉄としての最後のリーグ優勝となったのです。

ハイレベルなホームラン王争い

2001~03年、ローズ選手はアレックス・カブレラと3年続けてハイレベルな本塁打王を展開します。
2002年シーズン終盤、カブレラ選手はローズ・王選手の記録に1本差と迫っていました。
迎えた近鉄対西武戦。ローズの記録に並ばせないと勝負を避けていた近鉄バッテリーに対し、ローズ選手が勝負を直訴。その直後にカブレラ選手が55号本塁打を放ちます。
この様にライバル関係にありましたが、カブレラ選手とローズ選手は同じ「外国人助っ人」として通じるところがあったのか非常に仲が良かった様です。

カブレラ選手

【2001年~03年の両者の本塁打成績】
カブレラ:49本、55本、50本 ローズ:55本、46本、51本

高騰する年俸と「ガイジン」発言

この様に毎年本塁打を量産するローズ選手の年俸は毎年高騰していきました。
2003年オフ、同じ様にクリーンナップを打っていた中村紀選手が5年契約を結んでいた事もあり、複数年の大型契約を望んだローズ選手と「外国人選手には複数年を認めない」としたフロントは対立。
ローズ選手は「僕がどんなに活躍しても『ガイジン』としてしか扱ってくれない」と発言。
ローズ選手は近鉄を退団、巨人に移籍する事になります。

関連する投稿


【野球選手から俳優!?】板東、長嶋、イチロー・・・人気ドラマに出演した元プロ野球選手!

【野球選手から俳優!?】板東、長嶋、イチロー・・・人気ドラマに出演した元プロ野球選手!

プロ野球選手が引退後、タレントとして新たな道を歩むケースは数多く見られます。その中には、俳優業にまで進出し、映画やドラマで活躍する人も少なくありません。今回は筆者の独断と偏見に基づき、人気ドラマに出演した元プロ野球選手の中から、特に印象に残っている面々をご紹介します。


「ニューモモコ」グランプリに選ばれCM、グラビアで活躍した『古川恵実子』!!!

「ニューモモコ」グランプリに選ばれCM、グラビアで活躍した『古川恵実子』!!!

1992年にニューモモコグランプリに選ばれCM、グラビアで活動されていた古川恵実子さん。2010年3月頃まではラジオDJを担当されていましたが、以降メディアで見かけなくなりました。気になりまとめてみました。


田村正和主演のドラマ「さよなら、小津先生 」の名子役『池田 貴尉』!!

田村正和主演のドラマ「さよなら、小津先生 」の名子役『池田 貴尉』!!

数々の作品で名子役ぶりを発揮した池田貴尉さんこの方も引退されています。懐かしく思いまとめてみました。


ドラマ「女王の教室」では6年3組の児童・山下健太役を演じた『西原信裕』!!

ドラマ「女王の教室」では6年3組の児童・山下健太役を演じた『西原信裕』!!

天海祐希さん主演の学園ドラマ「女王の教室」では山下 健太役でレギュラー出演され2018年頃まで芸能活動をされていました。懐かしく思いまとめてみました。


ドラマ「 テツワン探偵ロボタック」で雪柳カケル 役を演じた『村上悦也』!!

ドラマ「 テツワン探偵ロボタック」で雪柳カケル 役を演じた『村上悦也』!!

1998年3月から放送された特撮ドラマ「テツワン探偵ロボタック」で雪柳カケル 役で子役デビューした村上悦也さん。実はドラマ2作で芸能界を引退されています。懐かしく思いまとめてみました。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。