『ハーメルンのバイオリン弾き』

原作漫画の段階から好きな作品でした。アニメ化の際「ギャグを抜く」「違った印象になる」と聞き心配だったんですが、そこはそれ「音楽」という、作品最大の武器を十二分に生かし、独特の味を持っていたように思います。
概要
BGMを始め、キャラクターが奏でる「魔曲」がとにかく美しく、ギャグの代わりをするかのように作品を彩っていたように思います。途中から止め絵が多くなりましたが、だからこそ音楽が際立っていました。・・・「音楽にお金をかけすぎた」なんて話も聞きますが。
原作との違い
・ギャグがない。
・ハーメルが外道勇者から、悩める異種混血に。
・ハーメルとフルートが幼馴染。
・フルート、パンドラといったヒロイン的な女性キャラが精神的にもろい存在。
・みんなの「弱さ」が分かりやすい。
・箱を開ける資格を持つ者が、「大魔王の血を受け継ぐ者」もしくは「大魔王を愛する女」に変更。

あらすじ
10年ほど前、チェロと見まがう巨大なバイオリンとカラスを連れた少年ハーメルがスタカット村にやってくる。「よそ者」を歓迎しないこの村だが、不思議と子の一人と一羽を受け入れてくれた。時が経ち、村での祭りの日。ハーメルの頭部に一本の角が生えていた。それは、遠く離れた魔法国家スフォルツェンドに張られていた「結界」が弱まっていることに起因していた。祭りの晩、人々と相いれない存在たる魔族が現れる。そしてフルートは、自身が人類を救う可能性を秘めた、スフォルツェンドの姫であることを知るのだった。動き始める運命と、物語。ハーメルの奏でるバイオリンもまた、普通の存在ではなく。何よりハーメル自身が、「魔族」の血を引いていた。
登場人物紹介・人類側
ハーメル

巨大なバイオリンで音楽を奏で、戦意高揚などに使用。幼少期突如スタカット村に現れて、そのまま受け入れられる。自分の出自は何も知らなかったが、祭りの朝突如角が生える。寡黙で、幼馴染のフルートを大事に思っている。実は大魔王ケストラーの息子。

フルート

ハーメルとは幼馴染。ごく普通の明るい少女だったが、自身の出自、運命を知り驚愕。ハーメルとは相思相愛だが・・・?ハーメルの衣装は祭りのため、彼女が手作りしたもの。スフォルツェンドという魔法国家にして人類の希望たる国の王女。そして救世主となるべき存在。
オーボウ

元妖鳳王。大魔王の子が「天使と魔族」それぞれの血を引いていることから天使の方を始末するという役目をおっていたが、パンドラに想いを寄せたためできず、カラスの姿に変えられる。
ライエル

たった一匹の魔族により滅ぼされた町アンセムの生き残り。ハーメルとは昔馴染みで「ハーちゃん」と呼んでいる。旅芸人一座に身を寄せている。
ホルン女王

スフォルツェンド女王にしてフルートの母。
パンドラ

ハーメルの母。愛した夫が「大魔王」であったこと、子供たちの命(厳密には片方だけ)が狙われていることを知って遁走。しかし、魔王を封じることのできる唯一の存在であったため、他ならぬ夫に頼まれて彼を封印する。一人巨大バイオリンを持って魔族に立ち向かった原作版に比べると少々「弱い」印象。名前の元ネタは「パンドゥーラ」という楽器らしい。
トロン=ボーン

魔族に滅ぼされた「剣士の国」ダル=セーニョの王子。初登場時から高飛車な印象だったが、高潔な剣士に成長していく。
クラーリィ=ネッド

スフォルツェンドの魔法兵団隊長。国は自分が守ると強い信念を持つ。
コル=ネッド

クラーリィの妹。原作ファンからすると一番キャラがかけ離れていて、そっちの方がショックでした。ド真面目、凛々しい、ハーメルを化けもの呼ばわり。
キャラクター紹介・魔族側
大魔王ケストラー

ハーメル同様、おそらくは人間として生きてきたが、パンドラと出会い、「箱」を掘り出したことで、またパンドラが箱を開けてしまったがため「魔王」の血が目覚めていく。「人の心」を失いたくないがため、自分を封じるよう箱をパンドラに託す。彼女が愛するケストラーでなくなる前にと。魔族たちの「エサ」といった感がある。
冥法王ベース

軍師的な存在。生首の方が「ベース」であり、それを持つ青年は、ホルンの息子でフルートの兄、リュートの死体。
妖鳳王サイザー

ハーメルの双子の妹。「母を独占された」という憎しみからパンドラの箱を開け、「父」を自分の物にしようとしていた。
最終回
ストーリー&感想(24〜25話)
OP
ツイッター上の声
比較的原作準拠の「劇場版」
声優も展開も違います。キャラから何から違います。でも楽しめます。