北野武

お笑い芸人としてだけでなく、今や映画監督としても知られるようになった北野武!日本だけでなく世界的にも認められている存在で、映画を発表する度に大きな話題となり、数々の賞を受賞しています!2010年には、フランス芸術文化勲章のコマンドゥール章を受賞したことも話題になりましたね!
そんな北野武が映画を撮り始めたの80年代から90年代の作品を振り返ってみましょう!
その男、凶暴につき(1989)

元々は、深作欣二監督によって撮られるはずの映画でしたが、深作欣二監督が降りたことで北野武の初監督が決まったそうです。北野武自身が凶暴な刑事役として主演を勤め、そのハマリ役から俳優としても注目される作品でしたね!
初監督作品でありながら、周りからの評価も高く、深作欣二監督も「面白かった」と褒めていたそうですよ!
3-4X10月(1991)

興行的には失敗となった『3-4X10月』ですが、批評家からの評価は高く、後にフランスでの熱狂的な人気につながるきっかけとなった作品だといわれています。
トリノ国際映画祭の特別賞や日本映画監督協会新人賞の奨励賞を受賞し、第64回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第7位にもランクインしています。
あの夏、いちばん静かな海。(1991)

『あの夏、いちばん静かな海。』は、聾唖のカップルの淡い恋を描いたラブストーリーです。カップルの台詞がないため、まるでサイレント映画のような静かな作品ですが、余計な説明を入れずに映像だけで全てを伝える北野武らしい作品になっています。
映画評論家の淀川長治や、蓮實重彦はこの作品を絶賛し、黒澤明監督からの評価も高かったそうですよ!第34回ブルーリボン賞の作品賞、監督賞や第16回報知映画賞の最優秀監督賞など他にも多数の賞を受賞しています!
ソナチネ(1993)

『あの夏、いちばん静かな海。』と同じく『ソナチネ』でも、ジブリ映画の音楽でも知られている久石譲が音楽を担当しています。沖縄民謡をサンプリングした音楽が評価され、日本アカデミー賞音楽賞を受賞しました。
最後の作品だと思って好きなものを撮ってやろうと製作したもので、北野武自身、一番思い入れのある作品だそうですよ!キタノブルーといわれる北野武独特の色彩を全編で楽しむことが出来る作品です!
みんな〜やってるか!(1995)

北野武初のコメディ映画ということから、芸名のビートたけし名義で製作された作品です。今までのシリアス路線とは全く違う作品のため、酷評を受けることもありますが、芸人ビートたけしが好きな人には楽しめる作品です!
北野武の自己評価も低い作品ですが、淀川長治は「斎藤寅次郎、マック・セネットの再来」と褒めたそうですよ!
キッズ・リターン(1996)

1994年に起きたバイク事故からの復帰作です!北野武は漫才師時代から『レイジング・ブル』のようなボクシング映画を撮ってみたいという夢を持っていたそうですが、この作品でその構想を実現しています。
第39回ブルーリボン賞の監督賞、第7回文化庁優秀映画作品賞を受賞し、この作品でデビューした安藤政信や、金子賢も、第11回高崎映画祭の最優秀作品賞、最優秀新人男優賞を受賞したことなどから、俳優として注目されるきっかけになった映画ですね!
HANA-BI(1998)

日本を含め世界各国で数々の賞を受賞し、世界的に注目を集めた『HANA-BI』は、邦画が禁制されていた韓国で初めて公開された映画だそうですよ!黒澤明監督からの評価も高く、「黒澤 明が選んだ百本の映画」にも選ばれ、絶賛されています!
作中に堀部が描いたものとして登場するシュールな絵は、北野武が描いたということも話題になりました!
菊次郎の夏(1999)

「菊次郎だよ!バカヤロウ!」の台詞や、久石譲が手がけたメインテーマ曲「Summer」が印象に残る映画でしたね!
「菊次郎」は北野武の父親の名前ですが、なぜ主人公を父親の名前にしたのかとインタビューで質問された時に、「久々の墓参りみたいなもんで、忘れてはいませんよってことで映画に使った」と本人が話しています。北野武らしい父親への愛情表現ですね!
カンヌ国際映画祭で公式上映された時には、スタンディングオベーションが5分以上も続き、北野武もあまりの歓声に涙しています!受賞はできませんでしたが、その結果にひとりの審査員が激怒し、途中で帰ってしまったそうですよ!