パソコンRPGの雄、日本ファルコムが手掛けた名作ARPG「Ys(イース)シリーズ 」!1987年の第1作『イース』から振り返ってみよう。

パソコンRPGの雄、日本ファルコムが手掛けた名作ARPG「Ys(イース)シリーズ 」!1987年の第1作『イース』から振り返ってみよう。

80年代のパソコンゲームには様々なRPGが存在しました。とくに日本ファルコムからは「ドラゴンスレイヤー」「ザナドゥ」「ソーサリアン」など、当時を代表する作品が数多く生まれました。なかでも「Ys(イース)シリーズ」は、日本ファルコムを代表する作品として、1987年のリリース以降、多くのゲーマーの支持を得続けてきたのです。


ARPG(アクションRPG)「イースシリーズ」

イースシリーズ (Ys series) は、日本ファルコムが手掛けるアクションロールプレイングゲーム (ARPG) のシリーズ。
1987年の第1作『イース』より、25年以上に渡って続くファルコムの看板作品。

「ハイドライドシリーズ」と並ぶ80年代パソコンRPGの傑作であり、日本ファルコムにおいては「ザナドゥ」「ソーサリアン」「ドラゴンスレイヤー」などと並ぶ代表的な作品である。

冒険家アドル・クリスティンを主人公としたARPGシリーズ。ファルコムを代表するコンピューターゲームシリーズでもある。
当時マニア指向の強かった“RPG”をゲームの代表的ジャンルへと一気に飛躍させ、後のRPGブームの先駆けともなった。 
現代を舞台とした同社の関連作のAVG『アステカ』『アステカII 太陽の神殿』の陸地のずっと未来、1987年の第1作『イース』から始まり、2013年1月現在までに7つの本編と、1以前に当たる物語でアドルが主人公でない番外編となる『イース・オリジン』(以下『O』)の計8本のシナリオがゲーム化されている。またライセンス提供によって本作の世界観を利用した派生作品も他社から発売されている。
『I』・『II』・『III』はPC-8801およびPC-9801、『IV』はスーパーファミコン (SFC) とPCエンジン (PCE) SUPER CD-ROM2 、『V』は SFC 、『VI』・『O』は Microsoft Windows (Win) をオリジナルプラットフォームとしており、『VII』はPlayStation Portable (PSP) での発売。
また、1998年の『イースエターナル』(以下『IE』)を皮切りに、ファルコムの手によってリメイク版が開発されている。
原則としてオリジナルとパソコンへの移植はファルコムが開発・販売を手掛けているが、『IV』だけは、ファルコムが作成した原案を元にスーパーファミコン (SFC) 版をトンキンハウスが、PCエンジン (PCE) SUPER CD-ROM2版をハドソンが、それぞれ独自に開発・販売しており、オリジナルが他社製でしかも2種あるという特殊な状態となっている。
VIIを除く全ての作品が何らかの形で他のプラットフォームへと移植されており、特に初期の作品は非常に多くのプラットフォームで発売されており、その移植数の多さがこの作品の評価の高さを物語っている。

「イース」は日本ファルコムを代表するRPGシリーズ

本シリーズは番外編を除き「『千数百年前にアドルが綴った冒険日誌』を翻訳・小説化したもの」というメタフィクション設定になっている。このためシリーズを通してアドルが主人公であり、同一の世界設定を共有している。

【冒険日誌】
シリーズ本編はそれぞれ、アドルの冒険日誌を原典として翻訳・小説化されたものとされている。この冒険日誌は冒険を重ね50歳を過ぎたアドルが生家に戻って自身の体験を振り返って執筆したものであり、百余冊に及ぶその原典は千数百年を経た現代においても生家の地下室に保存されている設定となっている。

これらの架空の本にはゲームタイトルとは別に書名がつけられており、時代順に並べると

失われし古代王国(17歳)
序章 - 『I』
最終章 - 『II』
セルセタの樹海 - 『IV』(18歳)
フェルガナ冒険記 - 『III』(19歳)
砂の都ケフィン - 『V』(20歳)
翼の民を求めて - 『VI』(23歳)
アルタゴの五大竜 - 『VII』(23歳)
となっている。この中で『I』・『II』の原典である『失われし古代王国』はアドルの最初の冒険を綴った物とされている。

主人公アドルの冒険日誌が元となるメタフィクション設定

【イースⅠ】「イース Ancient Ys Vanished Omen」1987年6月21日発売(PC-8801mkIISR)

赤毛の剣士アドル・クリスティンが主人公の冒険ファンタジー。嵐に包まれた孤島エステリアを舞台に、『イースの本』を求めるアドル最初の冒険。
原典とされるアドルの冒険日誌は『Ancient Ys Vanished Omen』(失われし古代王国 序章)であり、販売タイトルには含まれてはいないがゲームの副題としてタイトル画面にも表記されている。
『Ancient Ys Vanished The Final Chapter』(失われし古代王国 最終章)である『II』とは前後編の関係で『I』をクリアしただけでは物語の全容は見えてこない。
「今、RPGは優しさの時代へ。」をキャッチコピーに、PC-8801 (PC-88) 向けをオリジナルとして1987年に発売。その後、パソコン・家庭用ゲーム機を問わず多くのプラットフォームへと移植がなされている。
1998年にはファルコム自らリメイクを行なった『イースエターナル 』を発売。以降の移植作品はこの『イースエターナル』をベースとして行なわれている。

「イース Ancient Ys Vanished Omen」

「イース」私はMSX2版でプレイしました。

発表当時のコンピュータRPG (RPG) が難しさを競っていた時代において、「今、RPGは優しさの時代へ。」をキャッチコピーとし、誰でもクリアできること(クリアする楽しみ)を売りとし発表された。

さらにクリアできることを売りとしながらも「優しいけれども易しくはない」と評される簡単には分からないが少し考えればわかる絶妙なゲームバランスを提示し、ゲームの楽しみが難しさだけではないこと、またゲームバランスという概念の重要さを知らしめ、その後のゲーム(特にRPG)に一つの大きな転機を与えたとして高く評価されている。

【発売機種】

PC-8801mkIISR以降(PC88)、X1
PC-9800シリーズ(PC98)
FM-7/77、FM77AV
MSX2、Apple II(A2)
PC/AT、X68000(X68K)
Microsoft Windows (Win)
ファミリーコンピュータ(FC)
セガ・マークIII/マスターシステム(SMS)
セガサターン(SS)
ニンテンドーDS

後に発売された「イースⅠ・Ⅱ完全版」

PCエンジン CD-ROM2 (PCE)
Wii・バーチャルコンソール (VC)
PS3/PSP・PCエンジンアーカイブス

「今、RPGは優しさの時代へ。」

【イースⅡ】「イースII Ancient Ys Vanished The Final Chapter」1988年4月22日(PC-8801mkIISR)

赤毛の剣士アドル・クリスティンが主人公の冒険ファンタジー。『I』のエンディングで飛ばされた天空のイースを舞台に、古代王国イースの謎に迫る。
原典とされるアドルの冒険日誌は『Ancient Ys Vanished The Final Chapter』(失われし古代王国 最終章)であり、販売タイトルに含まれてはいないものの副題としてタイトル画面で表示される。
『Ancient Ys Vanished Omen』(失われし古代王国 序章)である『I』とは前後編の関係で、『I』で張られた様々な伏線が解き明かされる。『I』をプレイしていることが前提となっているため、『II』だけをプレイしても物語の全容はわからない。
『I』の「今、RPGは優しさの時代へ。」を踏まえた「優しさから、感動へ。」をキャッチコピーに、PC-8801 (PC88) 向けをオリジナルとして1988年に発売。パソコン、家庭用ゲーム機を問わず多くのプラットフォームへと移植がなされている。
1998年にはファルコム自らリメイクを行なった『イースIIエターナル (IIE)』を発売。以降の移植作品はこの『IIE』をベースとして行なわれている。

「イースII Ancient Ys Vanished The Final Chapter」

前作の冒険で6冊全てのイースの本を集めたアドル・クリスティンは、その本の力によって遥か上空に浮かぶイースへと飛ばされた。ムーンドリアの廃墟へ落下し気を失っていたアドルはランスの村のリリアに見つけられ、村へと連れられていく。

リリアの母バノアよりリリアが重病にかかっていること、そしてその病気を治せる医者のフレアが行方不明であることを告げられる。フレアの弟の元に戻ってきた伝書鳩からフレアが廃坑の岩盤崩れによって閉じ込められていることを知る。そしてイースの本を持っていることを知った村長に廃坑に有る聖域に行ってみるように勧められる。

二つの目的を持ったアドルは廃坑の奥へと進んでいく……。前作で残された様々な謎が紐解かれ古代王国イースの全てが明らかになっていく。

【対応機種】

PC-8801mkIISR以降 (PC88)
PC-9800シリーズ (PC98)
X1turbo、FM77AV、MSX2
Microsoft Windows (Win)
ファミリーコンピュータ (FC)
セガサターン (SS)
ニンテンドーDS

「優しさから、感動へ。」

私はいまだに「イースⅡ」オープニングがこれまでのどのゲームよりも素晴らしいと感じます。

【イースⅢ】「WANDERERS FROM Ys」1989年7月21日(PC-8801mkIISR)

赤毛の剣士アドル・クリスティンが主人公の冒険ファンタジー。『I』・『II』におけるイースの冒険から3年ほど後の物語で、ドギの故郷フェルガナ地方において、この地に伝わる魔王ガルバランの謎に迫る。原典とされるアドルの冒険日誌は『フェルガナ冒険記』。前作までとは大きく異なり、アクション要素を前面に押し出した横スクロールARPGとなった。
発売当初の販売タイトルは『WANDERERS FROM Ys』(イースからの放浪者)と外伝的な物であり、なおかつ『Ys-III』の文字を含んでいない。これは本作が『I』・『II』の舞台である「古代王国イース」とは直接関係がなく、システムも大きく変わっているために続編というよりは外伝に近いことによる。ただし、『Ys-III』は副題としてオープニング中には表示されており、通称としてもよく使われていた。
その後、PCエンジン (PCE) CD-ROM2への移植の際に、メインタイトルを『イースIII』に変えられて以降は全ての移植作品で『イースIII』が主題となっており、機種によっては元々の主題『ワンダラーズフロムイース』を副題としている。なお、移植のベースが大きく二系統あるものの、同じ作品の委嘱作品であり、タイトルと内容との間に相関関係はない。
なお、2005年にファルコムよりWindows向けに販売された『イース -フェルガナの誓い- (F)』は、『VI』のシステムを使って『III』をリメイクした作品である。

「WANDERERS FROM Ys」

前作とは大きく変わり、サイドビューのアクションRPGとなり、移動・アイテム使用の他に、攻撃・ジャンプの操作が加わるなどアクション的要素が強くなった。

RPG的要素は前作までとほぼ同じではあるが、MPがなくなり、相当するステータスとしてRINGが加わった。サブ画面は『I』と同じくSTATUS画面、INVENTORY画面の2種類でそれぞれの表示にボタンがあてがわれている。

ステージ制となっており、何度でも同じステージを訪れる事は出来るが、条件を満たさなければ新たなステージに進む事は出来ない。新たなステージに進む条件を満たすとアラーム音のような効果音が鳴る。拠点となるレドモンドの街をでるとマップ画面が表示され、自分の訪れたいステージを選択する形となっている。どのステージでも外に出ると必ず街に戻され、ステージからステージへの移動は出来ない。

【対応機種】

PC-8801mkIISR以降 (PC88)
PC-9801VM/UV以降 (PC98)
MSX2、X68000 (X68K)
Microsoft Windows (Win)
PCエンジンCD-ROM² (PCE)
ファミリーコンピュータ (FC)
PS3/PSP・PCエンジンアーカイブス
スーパーファミコン (SFC)
メガドライブ (MD)
PlayStation 2 (PS2)

前作までとは大きく異なり、アクション要素を前面に押し出した横スクロールARPG

私はこの「YsⅢ」までプレイしました。

【イースⅣ】「イースIV MASK OF THE SUN」1993年11月19日(スーパーファミコン)

関連する投稿


レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」より『トラぶるCHASER 第1話』『3Dテニス』が配信スタート!!

レトロゲーム関連の復刻・配信ビジネスなどを行うD4エンタープライズが運営するレトロゲーム配信サービス「プロジェクトEGG」にて、新規コンテンツ『トラぶるCHASER 第1話 トラブルは空から未来から(PC-9801版)』『3Dテニス(MSX版)』の配信がスタートしました。


『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

『オホーツクに消ゆ』と北海道紋別市がコラボ!ゲームに登場するシーンを使用したアクリルジオラマが「ふるさと納税返礼品」に!

ジー・モードより、推理アドベンチャーゲーム『北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ ~追憶の流氷・涙のニポポ人形~』の世界観を再現したオリジナルグッズが、北海道紋別市のふるさと納税返礼品として提供されます。


創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

創刊20周年特集は過去20年間の国内ソフト売上ランキング!ゲーム業界のデータ年鑑「ファミ通ゲーム白書 2025」が発売!

角川アスキー総合研究所より、国内外ゲーム業界のデータ年鑑『ファミ通ゲーム白書2025』が発売されます。発売予定日は8月7日。


伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む!『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売決定!初回限定版も要チェック!

伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む!『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売決定!初回限定版も要チェック!

伝説のレトロゲームに有野課長が果敢に挑む、超人気ゲームバラエティ番組「ゲームセンターCX」(CS放送フジテレビONE スポーツ・バラエティで放送中)のDVDシリーズ第22弾、『ゲームセンターCX DVD-BOX22』が発売されます。


X68000 Z専用ソフト『ソル・フィース・夢幻戦士ヴァリスⅡPACK』が好評発売中!!

X68000 Z専用ソフト『ソル・フィース・夢幻戦士ヴァリスⅡPACK』が好評発売中!!

株式会社エディアより、1989年から1990年にかけて発売されたX68000用ゲーム「ソル・フィース」「夢幻戦士ヴァリスⅡ」を収録したX68000 Z専用ソフト『ソル・フィース・夢幻戦士ヴァリスⅡPACK』が現在好評発売中となっています。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。