ゲームの概要

『ロストワールド』 は、1988年7月にカプコンが発表したシューティングゲームです。
海外でも販売されましたが、海外版権の関係でタイトルが『フォゴットンワールド(Forgitton worlds)』に変更され、以後は日本で家庭用ゲーム機に移植された際も『フォゴットンワールド』で統一されています。

『ローリングスイッチ』とは?

ローリングスイッチ
つまりこういうことです。

スイッチを押さない状態のとき

スイッチを押した状態

しかしその後、ローリングスイッチは根元に負担がかかりやすく故障しがち、という構造上の欠点が見つかり、『ロストワールド』以降のゲームでローリングスイッチが採用されることはありませんでした。
しかしその操作性は抜群で、今でも根強いファンが存在します。
パドル&ローリングスイッチ
『CPシステム』について

ローリングスイッチ以外にも「CPシステム」の採用もロストワールドの大きな特徴です。
CPシステム(カプコン・CPシステム)は、1988年にカプコンが開発したアーケードゲーム用基板で、『ロストワールド』で初めて採用されました。
当時としては破格のスペックを誇り、特にグラフィック面の向上は目を見張るものがありました。
後には『ストライダー飛竜』『ファイナルファイト』『ストリートファイターII』等でも使用され、ゲーム史に名を残すことになります。
ストーリー

プレイヤーはこの2人の超戦士を操作し、敵をショットで倒しながら、人類文明の廃墟であるダストワールドからエジプトの神々が統治するピラミッドワールドを攻略し、そして天帝バイオスの本拠地、天空界にあるバベルの塔を目指します。

自機キャラクター(1P:左、2P:右)

おまけ
では、いよいよゲームのご紹介!
それでは、ファンタジーSF・古代エジブト・古代日本の入り混じる、「ロストワールド」の独特の世界観をお楽しみください!

ゲーム画面
敵を倒すと残すゼニー(青い宝石)を集め、ショップで自機やサテライトを強化するアイテムを購入します。
後半どうしても金欠になりがちなことと、全面クリアすると手持ちゼニーがそのまま得点に換算されるため、道中しっかりゼニーを回収することがゲーム攻略、ハイスコアを挙げるための大きなポイントとなります。
併せて「余計な買い物をしない」ことも重要な戦略となりますが、装備によって難易度が大きく異なるので、このへんの駆け引きも「ロストワールド」の大きな魅力です。
また、隠れキャラとしてプロテクター、ゼニー、回復アイテムなどが出現しますので、出現ポイントを覚えて確実に回収することがとても大事です。
【主なアイテム】
・サテライト(サテライトの弾が強化される。全10種類。1P・2P専用のものもある)
・ブースター(自機の銃のパワーアップ。3種類ある)
・プロテクター(敵の攻撃を防御できる。2種類ある)
・治療(バイタリティ全回復。買うほどに価格が上がる)
・ライフパック(バイタリティの上限が上がる。やはり買うほどに価格が上がる)
・エリクサー(死んでも復活できる。これも買うほど価格が上がる)
・飛翔石(スピードが調整できる)
【サテライトの種類】
(デフォルト 2WAY弾)
・ミサイル 追尾式。
・全方位弾 16WAY単発。
・ナパーム 当たると炎が炸裂。連射も弾速も遅いが極めて強力。序盤の主武器。
・レーザー 貫通力があり威力も大きいが、障害物が多いと不利。
・バーナー 火炎放射。ローリングスイッチの面目躍如。威力がやや弱い。
・バウンド 地形に当たると跳ね返る。連射が効き、中〜終盤の主武器になる。
・バルカン 超高速連射弾。1Pしか使えない。
・ワイドショット 弾が大きく、威力が強い。2Pしか仕えない。
・スーパーレーザー 強力なレーザーだが、すぐ追尾レーザーが出るため出番少なめ。
・追尾レーザー 最強の武器。ヘビのように敵を追うが、隙ができるのが難点。

バウンド
【2人同時プレイの場合】
1Pと2Pは持つ銃に違いがあり、2Pはショットの射程は短いものの拡散して撃てる。
そして2人が近づくと磁場が発生し、サテライトの攻撃力が上がる。
さらに1Pはショットの連射速度が、2Pはショットの射程が延びる。

ラウンド3・クリア後画面より
【各ボス(8邪悪神と天帝)紹介】
・ステージ1 パラメシウム
(ダストシティーの心臓部。瓦礫を超能力であやつって攻撃)
・ステージ2 ダストドラゴン
(文明滅亡時に活躍した老ドラゴン。現在はもう起き上がれず、朽ち果てかけている)
・ステージ3 武神
(天帝の腕から作られた巨大像。目からビームを放つ。弱点は顔)
・ステージ4or5 メスケテト
(元々は太陽神の乗る船。浮遊石の力で空を飛ぶが、浮遊石の部分が弱点)
・ステージ4or5 スフィンクス
(外側を破壊すると頭だけになり、さらに巨大なムカデ状の本体が出現)
・ステージ6 ツタンカーメン
(石棺の中にむき出しの神経組織があり、それが弱点)
・ステージ7 アイスマン
(氷の塊で自らを固めている。レーザーなど光学兵器を無効化する)
・ステージ8 風神・雷神
(二身一体で、バベルの塔の入口を守る。片方を倒せばどちらも死ぬ)
・ステージ9 天帝バイオス
(追尾弾と8WAYのレーザーで攻撃。レーザーは極めて回避困難)

ステージ1ボス・パラメシウム
そしてさらに・・・

ラウンド1・クリア後画像
テキストだけでなく実際喋るんですが、正直、セリフを棒読み…
これは素人であるカプコンの社員が録音したからだそうです(後に発売された「天地を喰らう」等も同様)。
(ただしリアルタイムで知る者としては、日本語のボイス自体が珍しいうえ、さらに当時のゲーセンは周囲が大変うるさかったこともあり、そこまで気にならなかったというのが正直なところです。)
【台詞一覧】
・オープニング
1P「奴は いたか?」
2P「ああ 今日こそ息の根を止めてやるぜ!」
・対パラメシウム戦後(ラウンド1)
1P「パラメシウムごときで俺を止めることは出来ん!」
・対ダストドラゴン戦後(ラウンド2)
1P「フン!ダストドラゴンなど所詮 俺達の敵ではない!」
2P「まっ 少々てこずっちまったがな!」
・対武神戦後(ラウンド3)
1P「武神(ヤツ)は本当に死んだんだろうな?」
2P「間違いねえ!天帝の奴も今頃、首でも洗ってんじゃねぇのか?」

ステージ3のボス・武神

武神、陥落。

ラウンド4・最初の分岐
・対メスケテト戦後(ラウンド4or5)
1P「メスケテトの野郎の舟も飛翔石で浮いていたのか!」
2P「さあな!ただ野郎もこれで舟酔いすることもねえだろうょ!」
・対スフィンクス戦後(ラウンド4or5)
1P「ちっ!これじゃ クレオパトラとのデートが台無しだぜ!」
・対ツタンカーメン戦後(ラウンド6)
1P「とうとう追い詰めたぜ!」
2P「あぁ 今日こそ絶対逃さねえ!」

ステージ7・天空界
・対アイスマン戦後(ラウンド7)
2P「今度は俺の好きにやらせてもらうぜ!」
1P「待て!雷神と風神をなめてかかるんじぁねえ!」
・対雷神・風神戦後(ラウンド8)
1P「殺る!今日こそ天帝の心臓を止めてみせる!」
2P「俺のオーラで天帝(ヤツ)を焼きつくしてくれる!」
・対天帝バイオス戦後(ラウンド9)
1P「とうとうやったな!畜生、まだふるえが止まらないぜ!」
2P「ああ、そいつぁ俺も同じだ!
これでこの世界に、もう一度平和が戻ってくれればいいんだが!」

ステージ8のボス、風神・雷神

元ネタの二人。

ラウンド9、ラスボス・天帝バイオスとの闘い
いかがでしょうか?
色々書いてきましたが、「ロストワールド」の世界を感じていただくには、実際のプレイ画面をご覧いただくのがやはり一番かなと思いますので、ぜひこちらをどうぞ!
ローリングスイッチの問題もあり、現在ではなかなかお目にかかれない「ロストワールド」ですが、今でも大事に扱われ、現役で動いている筐体もあるようです。
あなたのお住まいの近くでも稼働しているかもしれません。
もし見かけたなら、是非プレイしてみてください!
それでは皆さん、次の作品でお会いしましょう・・・
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ということで、シルフィーさんについて。

シルフィー
当時の僕自身の印象では、眼が大きくて少女感が強いイメージでしたが。

エンディングで登場するシルフィーさん。

「アドベンチャークイズ カプコンワールド2」(1992)に登場したシルフィーさん。

「ナムコ×カプコン」に登場したシルフィーさん。
なお「ナムコ×カプコン」では超戦士1P・2Pも登場し、1Pの声を大塚明夫(スティーブン・セガールの吹替など)、2Pを玄田哲章(アーノルド・シュワルツネッガーの吹替など)、シルフィーを田中理恵(「ハヤテのごとく!」「ローゼンメイデン」など)と言った大御所が担当しているそうです!
(ただ、オリジナルのボイスもそれはそれで味があったんですよね…)


ということで、ここまでわざわざお付き合い頂いたあなた。
あなたって…

「あなたってとってもHなのね」
・・・というのはもちろん冗談で!
H要素は微塵もないゲームですので、「ロストワールド」、ぜひぜひ体験してみてください!
復刻版も販売されています!!