明智光秀の家臣・斉藤利三の娘という立場でありながら、徳川家康に家光の乳母として見込まれるおふく(のちの春日局)。当時では珍しい「働く女性」としての名誉を上り詰めたキャリアウーマンです。お局様の語源になってしまったという不名誉な逸話もありますが、個人的には素晴らしい度量のある女性と感じています。
春日局
あらすじ
明智光秀(五木ひろし)の家臣・斉藤利三(江守徹)の娘として生をなした、おふく(大原麗子)。おふくがまだ幼い頃、父利三は、主君・光秀と共に出陣。本能寺の変で織田信長を討つ。秀吉の手により光秀と利三は斬首される。おふくたちは母・お安(佐久間良子)と共に身を隠し、やがて母の実家である稲葉家で過ごし、そこで稲葉一鉄(大坂志郎)から剣・馬・茶道などを学んでいく。そうして本能寺の変から11年後、おふくは、稲葉正成(山下真二)と婚姻を結び、やがて4男を授かる。
小早川秀秋(香川照之)を主君に持ちながら、関ヶ原の合戦で家康に内通したことを知られた正成は、おふくたちをつれて美濃へ。
そこで、おふくは将軍家の乳母をさがしているという話をうけ、江戸城へ奉公に上がることを決意する。
徳川三代目将軍、徳川家光(江口洋介)の乳母として戦国時代をしなやかに生き抜く春日局の生涯がここから始まっていきます・・・
主な登場人物
さすがのNHK大河ドラマ。出演者たちの顔ぶれも豪華です!
おふく:大原麗子
稲葉正成:山下真二
お安:佐久間良子
稲葉正勝:唐沢寿明
徳川家康:丹波哲郎
徳川秀忠:中村雅俊
お江与:長山藍子
秀忠の正室。伯父の信長を殺した謀反人の娘であるおふくを嫌う。しかし貢献的なおふくの仕事ぶりを見て、次第に「竹千代君にはなくてはならない方」とおふくを認めるようになる。竹千代が正式に徳川の世継に決まった際、乳母の役目を降りようとしていたおふくを江戸に留めた。
徳川家光:江口洋介
豊臣秀吉:藤岡琢也
茶々(淀殿):大空眞弓
紫/お楽:若村麻由美(二役)
現代でもその知名度は抜群!
これまで大奥についての数々の映画やドラマが作品化されていましたが、大原麗子さんの春日局のイメージが大きいようです。
ネタバレ
当時、不治の病だった疱瘡という病に侵された家光。
おふくは自分の命と引き換えにと願をかけ、賢明な看病をします。
奇跡的に回復した家光から「春日局」という称号を賜ったおふく。まもなく秀忠が亡くなったことにより、家光が徳川三代目将軍となりました。
おふくは、春日局として大奥での権力をほしいままにしていきます。
おふくにとって命よりも大切な家光。その家光が将軍となった今、その後継ぎとなる子を産むための側室がなによりも必要と感じたおふくは、以前、家光が夢中になっていた吉原の遊女で、自害してしまった紫(若村麻由美)とそっくりな町娘・お楽(若村麻由美)を見つけます。その娘を自分の部屋子とし、江戸城にあげるおふく。
思惑通り、家光はお楽へとその寵愛をむけます。
そうして自分の権力をゆるぎないものにしていくおふく。
時は戦から治へと移り変わる頃。
江戸幕府によるキリシタン弾圧を受け、島原の乱がおこります。
そうしてこの後、約200年という長きにわたる鎖国を宣言した家光。
やがてお楽は懐妊し、家光にも後継ぎが生まれます。竹千代と名付けられたその子は、実母・お楽から引き離され、おふくのえらんだ乳母によって育てられることになります。
やがておふくは病にかかり、倒れてしまいます。
薬を飲まそうと懸命にさとす家光でしたが、以前の願を忘れていないおふくは決してそれを飲むことはしませんでした。
飲むふりをして懐へ流し込んでいたのです。そうしておふくは、家光のためにと献身的に生き抜いた65年にわたるその生涯に幕を閉じたのでした。
春日局という人物をもっと知りたい方はこちら!
女の戦いに身を置いた華やかな世界とは裏腹の「男子禁制」大奥に君臨する春日局はこんな人だった!!
大河ドラマの決定版!春日局をもっと楽しみたいなら!
美しいだけでなく、その演技力も今はもう見ることができない大原麗子さんの代表作ともなっているこのドラマ。ぜひじっくり堪能したいものです!!