『白い巨塔』
「財前教授の総回診が始まります」
の、あの名シーンは、この作品から広まった!
医療ドラマの先駆けとなった、大ヒット作です。

『白い巨塔』
あらすじ
自らの腕を一流と自負し、次期教授の座を狙う外科医・財前五郎。一方、財前と同期の内科医・里見脩二は、権力争いには全く興味がなく、純粋に研究に打ち込んでいた。
ある日、学部長である鵜飼教授が見落としたすい臓がんの手術に成功したことから鵜飼教授からにらまれてしまった財前は、鵜飼へ高価な絵画を贈るなどして教授選に向けての裏工作を固めていた。
現外科教授である東は、財前を後任教授にはしたくなかった。さまざまな画策をし、金沢大学の菊川教授を後任候補として擁立する。財前は、義父の財前又一を後ろ盾に、医局長である佃たちを味方につける。
外科教授である東と、助教授である財前の師弟関係は完全に決裂し、さまざまな陰謀がうごめいてゆく。
金と人脈を駆使し、財前は教授の座を手にする。
教授になった財前は、里見の患者であった佐々木庸平の手術を依頼された。しかし、教授として参加するドイツでの国際外科学会の準備に追われていた。
里見と柳原から、術前の胸部断層撮影について忠告されていたが、自分の能力への過信から、それを無視して手術をつづけた財前。手術は終了し、ドイツへと発った財前だったが、その間に佐々木庸平の容態は悪化し、死亡する。
そして財前は、遺族から訴えられることになる。
主な登場人物

財前五郎:田宮二郎

里見脩二:山本學
白い巨塔

東貞蔵:中村伸郎

鵜飼雅一:小沢栄太郎

大河内清作:加藤嘉

柳原弘:高橋長英
今見ても名優揃いですね。
重厚な演技で引き込まれました。
数々の名優が出演した名作。やはり田宮二郎の演技に皆ほれぼれ!
最終回のネタバレ
裁判で財前側に有利な証言をするよう圧力をかけられた柳原は、財前のために偽証した結果、罪悪感にさいなまれて憔悴していった。
その様子を見た財前は、気晴らしにと華子と柳原を見合いさせる。
財前を中心としたさまざまな画策がおこなわれるなか、外科病棟の婦長をしていた亀山君子の証言により、一気に原告側が有利に傾く。
控訴審では、庸平の標本が証拠保全として押収され、財前側はますます苦しい状況に。
そんななか財前は、裁判と同時におこなわれていた学術会員選挙にも当選し、沸き立つ医局のなかで浮かない顔をしている柳原の様子に不安を感じていた。
裁判で追い込まれていた財前は、すべての責任を自分ではなく、もともと受け持ち医であった柳原にある。と、罪をかぶせようとした。
それを聞いた柳原は、もう財前のために嘘をつくことはできなかった。
柳原と財前の対質尋問のあと、新しい証人もあらわれ、財前敗訴の判決が出た。
上告を叫んだ財前はその場で昏倒する。あわてて里見が処置をして病院へ搬送する。
財前は、末期がんに冒されていた。
東が執刀する手術がおこなわれたが、もう手の施しようのないほど、がんは広がっていた。
病院側は、財前に病名を隠したが、鏡にうつった自分の顔をみて、財前は死を確信する・・・。
最後に残された遺書には、里見宛のものがあった。
医者としての道を踏み外してしまった自分を恥じて、反省することができたのは君のおかけだ。と。
最後は人間としての心を取り戻し、固い友情を確信した財前であった。