■アンデルセン物語とは?

アンデルセン物語
■主演声優、そして音楽
「アンデルセン物語」は、文字通り、アンデルセン童話をアニメ化したもので、そのナビゲーター役として「キャンティ」と「ズッコ」という妖精がいます。

キャンティとズッコ
「キャンティ」の声優は増山江威子さん、「ズッコ」は山田康雄さん。…あれ?
そうです、気がついた方もいらっしゃるでしょう。
そうです、「ルパン三世」の峰不二子とルパンのコンビですよね!

ルパンと不二子
実は、ルパンも1971年放送開始なのです。
ただし増山さんは1977年の二期から登場ですが…。
ルパンと不二子が息ピッタリなのも、このアンデルセンでのコンビがあってこそなんじゃないかなあと筆者は思ってます。
さてもう一つ、「アンデルセン物語」の音楽担当の宇野誠一郎さんについてもご紹介します。

宇野誠一郎
実は、1968年にも「アンデルセン物語」は東映動画(現・東映アニメーション)の劇場用長編アニメにもなっていて、宇野先生はここでも音楽を担当されています。
東映アニメ映画「アンデルセン物語」 予告 anderson story anime jp trailer - Dailymotion動画
増山さんは宇野先生の担当される作品には多数出演されています。
・悟空の大冒険の竜子
・山ねずみロッキーチャックのポリー
・小さなバイキングビッケのナレーション
・一休さんの母上・伊予の局
などなど…
宇野先生の作風と増山さんの雰囲気が合ってるんでしょうね。
さらに、オープニング曲「ミスター・アンデルセン」とエンディング曲「
キャンティのうた」「ズッコのうた」の作詞は山元護久、井上ひさしです。
実は、この「山元・井上・宇野」のお三人は「ひょっこりひょうたん島」でも一緒、そして1968年の劇場版でも一緒でした。
まさにゴールデンチームなのですね!
※ちなみに、井上ひさし先生のドラマ(後に舞台化)の「國語元年」でも宇野先生は音楽を担当しています。
劇場版とテレビアニメは制作会社は違うのですが、このようないろいろな共通点があるんです。
それでは第一話をご覧下さい♪
この記事を書くに当たり改めて見直したのですが、なかなかえぐい。。
今放送したら「意識高い」視聴者からクレームがきてもおかしくないですよね。
放送自粛用語はもちろんですが、みにくいあひるの子に対するいじめのシーンは今では直視できない視聴者もいるかもしれません。
これは筆者の所見ですが、メディアというものはある程度のカタルシスが必要なのではないでしょうか。
弱いものをいじめてはいけない、正しいものは必ず認められるということを作品の中で体験することも必要なのかもしれません。
子供には絵本・マンガ・アニメでそれを追体験させてあげてもいいのでは?
視聴者のクレームにいちいち対応して上面のきれいごとだけでは子供たちは学校・社会で困るのではないかなあと思いました。
そして、根強いファンの間で傑作といわれる最終回の「マッチ売りの少女」
この主人公・アンナを増山さんが演じました。
アンデルセンの原作では、マッチ売りの少女はなくなったおばあさんの幻影を見るのですが、この作品ではなくなったのはおかあさんに翻案されています。
ラスト近くに流れる「マッチのようにあたたかいお母さん」はアンナを演じる増山さんが歌っていておはなしを盛り上げます。
アンデルセン物語の他のおはなしは複数回完結のものもありますがこれは一話完結。それでも見事な完成度ですよね。
原作では大晦日のおはなしで、年が明けた元日の朝に冷たくなった少女を町の人たちがただ「この子はマッチで体をあたためようとしたんだね」と事情を知らずに同情するだけですが
この作品では「この子を殺したのわたしたち」と反省しているのです。
半世紀近くたって「子供の貧困」が取りざたされる今の時代にあらためてこの動画を見るとやるせないものを感じます。が、それがこの第52話を傑作たらしめたゆえんなのではないでしょうか。
それでは筆者のおすすめのおはなしを2つご紹介します。
■今こそ再評価を

DVD情報
アンデルセンの原作そのものは200年ほど前、アニメも45年前の作品ですが、内容は今でも通用するものばかり。
アニメらしい適度なデフォルメ、ストーリー・演出のよさ、など来年の45周年を機にぜひ再評価されたい作品です。
ぜひ機会あればDVDをごらんになってください♪