映画ファンにとって、見たくてもなかなか見ることができない「秘蔵作品」との出会いは、何物にも代えがたい喜びです。この冬、CS放送「衛星劇場」が、そんな映画マニアの探究心を刺激する特別な特集を届けます。
現在、東京・愛知・大阪の映画館で開催され話題を呼んでいる「松竹×映画秘宝 映画祭」。雑誌『映画秘宝』が松竹映画の長い歴史の中から「尖った作品」を厳選して上映するこの試みですが、実はその選定過程において、編集部が「どうしても入れたかったが、諸事情で泣く泣くラインナップから外さざるを得なかった」幻の作品たちが存在しました。
それら「こぼれ落ちた傑作」を救い出し、全国の視聴者へ届けるのが、2月・3月に放送される『「映画秘宝」セレクション ~松竹秘蔵作品特集~』です。
豪華キャストが暴れ回る!『昭和元禄ハレンチ節』
2月の放送予定で注目なのが、1968年公開の『昭和元禄ハレンチ節』です。 タイトルからして時代の熱量を感じさせる本作には、ウクレレ漫談で一世を風靡した牧伸二、そして若き日の天才落語家・立川談志が共演。さらに財津一郎、コント55号(坂上二郎、萩本欽一)といった、当時の演芸・コメディ界を象徴するスターたちが顔を揃えています。
物語は、ライバル製薬会社の社員同士が社員旅行先の箱根で鉢合わせ、出世を賭けた奇想天外な珍テクニックを繰り広げるというもの。当時の世相を反映した「ハレンチ」な笑いと、芸人たちの圧倒的なエネルギーがぶつかり合う、まさに「秘蔵」の名にふさわしい一作です。
「昭和元禄ハレンチ節」©1968松竹株式会社
テレビ初放送!伝説の鬼才たちが描く問題作
今回の特集で見逃せないのが、長らくテレビ放送の機会がなかった2つの問題作です。
まず、3月に放送される新藤兼人監督の『性の起原』(1967年)。 人間を“性”という根源的なテーマで追い続けた新藤監督が、51歳の男の不安と突飛な行動を通じて人間の本質を突いた異色作です。乙羽信子、殿山泰司といった新藤組の常連俳優に加え、ナレーションを宇野重吉が務めるなど、重厚な布陣で贈る社会派の一作です。
「性の起原」©1967 松竹株式会社
もう一つは、羽仁進監督の『愛奴』(1969年)。 中国の怪奇小説『聊斎志異』をモチーフに、詩人・栗田勇が脚本を手掛けた官能的な世界観が特徴です。古い洋館を舞台に繰り広げられる幻想的な物語は、当時の松竹映画のイメージを覆すような前衛的な美学に満ちています。これらがテレビで放送されるのは、今回が初めてとなります。
「愛奴」©1969松竹株式会社
サスペンスの巨匠が放つ『真夜中の招待状』
3月には、野村芳太郎監督が遠藤周作の原作を映画化したサスペンス『真夜中の招待状』(1981年)も放送されます。 小林麻美、小林薫らが出演する本作は、次々と失踪した4人兄弟の謎を、末っ子の婚約者が解き明かしていくミステリー。野村監督らしい緻密な演出と、80年代初頭の特有の空気感が混ざり合い、観る者を深い謎へと誘います。
「真夜中の招待状」©1981松竹株式会社
松竹映画の「別の顔」に出会う
私たちが普段抱く「松竹映画」のイメージといえば、ホームドラマや人情劇かもしれません。しかし、本特集で放送される4作品は、どれもエッジが効いており、当時のクリエイターたちが果敢に挑戦していた「攻めの姿勢」を感じさせるものばかりです。
映画祭のスクリーンで観られなかったこれらの作品を、自宅のテレビでじっくりと堪能できるこの貴重な機会。映画ファンはもちろん、昭和のサブカルチャーや演芸に興味がある方にとっても、歴史の目撃者となる絶好のチャンスと言えるでしょう。
■【放送ラインナップ・スケジュール】
『昭和元禄ハレンチ節』 [放送日] 2月5日(木) 午前10:45~ 他
『愛奴』 ※テレビ初放送 [放送日] 2月12日(木) 深夜1:45~ 他
『真夜中の招待状』 [放送日] 3月5日(木) 午前8:30~ 他
『性の起原』 ※テレビ初放送 [放送日] 3月12日(木) 午前8:30~ 他
■【詳細情報】
特集名: 『「映画秘宝」セレクション ~松竹秘蔵作品特集~』
公式サイト: https://www.eigeki.com/news/829
CS衛星劇場公式サイト: https://www.eigeki.com/