猿岩石のヒッチハイク旅  ゴールは目前! オーストリア!! ドイツ!!! フランス!!!!

猿岩石のヒッチハイク旅 ゴールは目前! オーストリア!! ドイツ!!! フランス!!!!

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールのイギリスまで。野宿、絶食当たり前。推定移動距離3万5000km。推定到達期間6ヵ月。「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。



相対性理論で宇宙の物理法則を解き、原子力の扉を開いた天才物理学者、アルバート・アインシュタイン。
共産主義のアイデアを思いつき、社会主義国家の誕生のきっかけとなった思想家、カール・マルクス。
現在社会学の創始者といわれる社会学者、マックス・ウェーバー。
ローマカトリックに異を唱えプロテスタントの父といわれるマーティン・ルーター。
ディーゼルエンジンを発明したルドルフ・ディーゼル。
真面目なドイツの国民性を現すような多数のお堅い方面の有名人たち。
史上最高のクラシック音楽の作曲家といわれるヨハン・セバスティアン・バッハ。
耳が聞こえなかった天才、ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーベン。
他にも数々の有名音楽家もドイツで誕生した。
アウディ
フォルクスワーゲン
BMW,
メルセデスベンツ
などの有名自動車ブランドもドイツ発祥。

またドイツは本の聖地。
世界で初めての本はドイツで印刷され、世界初の雑誌もドイツで創刊された。
現在でも出版が盛んで、毎年95000点近くの書籍が出版され
(人口で勝る日本は、80000点くらい)
毎年10月、世界最大の本の見本市「フランクフルト・ブックフェア」が開催されている。
またドイツは、おとぎ話の国。
グリム童話ゆかりの地を結ぶメルヘン街道。
ウォルト・ディズニーにインスピレーションを与えたというノイシュバンシュタイン城をはじめ、25000以上の城がある。
この数字は、城の一部しか残っていない不完全なものではなく、全体が残っている城の数。
その多くは、博物館や美術館、レストラン、ホテルなどとして利用されている。


ドイツで外せないのが、マイスターがつくったビールとソーセージ。
ケルンの地ビール「ケルシュ」や甘いシロップで割る「ベルリナーヴァイセ」、南ドイツの「ヴァイツェンビール」など1300のビール醸造所と5000のビールブランドがあり、年間消費量は1人当たり104リットル。
(日本人の2倍以上)
「フランクフルトソーセージ」、ミュンヘン名物「白ソーセージ」など1500種類を超えるソーセージがあり、それにタップリのマスタードをつけて食べる。
主食は、パンでも米でもなくジャガイモ。
「ジャガイモでフルコースをつくれないとお嫁にいけない」といわれた時代もあったという。
クリスマスに食べるシュトレンは、ドイツのドレスデンが発祥である。

154日目、9月13日、知らぬ間に16ヵ国目、ドイツに入国した2人は
「どうする?」
「飯食う」
「よし食おう」
と日本人観光客の差し入れ以来、3日ぶりの食事し、40マルクを支払った。
持っていた500シリングは65マルクに換金されたため、残りは、25マルク。
翌日、ミュンヘンを目指してヒッチハイク開始。
「あっ」
2時間後、1台のトラックが停まってくれた。
「ミュンヘンへ行きたいです」
『いいですよ』
「今日はついてる」
乗り込んだ荷台には、日本でみたことのある金属製の樽や瓶のケースがあった。
「ビール?」
酒好きの有吉弘行が、一緒に荷台に乗っていた男性に聞くとヒッチハイクしたのはビール工場のトラックだった。
ついでに
「(ビール工場で)仕事できませんか?」
と聞くと
『人が足りないから働けると思うよ』
といわれた。


トラックは約1時間走って、工場に到着。
男性は、
『工場長に聞かなければならないのでちょっと待ってて』
といって消えた。
祈るようにして待つこと15分、工場長が現れ、
『OK』
「がんばります 全力ファイトで」
有吉弘行は日本語でいい、森脇和成も
「よおし」
と喜んだ。
工場の名前は、「アクチェンビール ミュンヘン工場」
有名な地ビールメーカーで、1日10万本ものビールを出荷。
場所は、ミュンヘン郊外の街、ビルスビバーグにあった。 
事情を聞いた工場長は住み込み用の部屋まで用意して、案内してくれた。
ベッドはなかったので、寝袋で寝たが、それでも野宿とは大違い。
しかも風呂がついていて、ルーマニアのクルージョ以来14日ぶりの入浴を楽しんだ。
風呂から上がった2人は、、インドで修行僧になったときに剃って以来、約100日間、伸ばし放しだった髪の毛の長さにビックリ。
大して栄養を摂らなくても立派に成長する髪の毛の強さに感動した
そして5日ぶりに室内での就寝。
仕事は明日からで、契約した期間は10日間だった。

翌日、制服をもらい、それに着替えて、仕事を開始。
有吉弘行は、ビールケースの消毒の仕事を任された。
山積みになっているケースを1つ1つベルトコンベアに並べていく作業だが、1日に約10万ビールを生産するという工場なので片時も休めない。
森脇和成は生産されたビールを出荷するために倉庫に整理する仕事。
ベルトコンベアで運ばれてくる1ケース15kgのビールを所定の場所に積んでいくという重労働。
昼休みは、社員食堂。
給料天引きだが3食つきなので食うのに不自由はなかった。
午後は、2人共、空き瓶が入ったケースを倉庫に整理する仕事を担当。
どの仕事もベルコンベアによる流れ作業なので、息をつく暇もない。
17時に仕事終了し、自分たちの部屋に戻ると
「腰が・・・」
「腰が痛ェーッ!」
と悲鳴を上げながら倒れこんだ。
しかしこの仕事には、ビール飲み放題といううれしい特典があり、有吉弘行は
「やったー、ビール、ビール」
とケースごと部屋に持ち込んで、口で栓を抜いて飲んだ。
そして翌日も単純だが、とてもハードな肉体労働を1日、黙々とこなした。

仕事10日目、アルバイト最終日を迎えた。
相変わらず忙しい1日を過ごし、17時、ついに終了。
「どうも、サンキュー」
仕事仲間にあいさつに回り、握手。
『チャオ』
『お疲れ様』
みんなに笑顔でねぎらってもらい
「また、ここも仕事ツラいけどいい人ばっかだったなあ」
と発つことが名残惜しくなった。
その後、歓送会を開かれ、2人は恐縮しながら参加。
しかし有吉弘行はすぐに酔っ払い、
「あ゛ー、オヤジ強ぇーよォーッ」
「うまいか、酒?」
「ウマイ!」
「アウッ」
「ワァォッ」
とハイテンションで奇声を発しながら飲んだ。


翌日、工場長のオフィスを訪ねると
『ご苦労様。
出会えてよかった』
といわれて握手。
そして給料袋をもらい、さらに
『思い出に・・』
と工場の制服をプレゼントされた
「ありがとうございます。
本当に・・・」
工場長に見送られながら工場の外に出て、しばらく歩くと、ベンチに腰かけ、給料袋を開いてみた。
すると2人合わせて800マルク(58000円)もあり、2人同時に
「わぁ!」
「アラ!」
「すげェーよ!」
「すげェーよ!」

そのお金でまずしたことは、封筒に260マルクと
「佳菜さんへ

先日は、死にかけの僕たちを救って頂き、どうもありがとうございました。
おかげさまで2人は今、ドイツまで来れることができました」
という手紙を入れて、ポストに投函したこと。
宛先はルーマニアで160ドルを貸してくれ、10ドルの餞別をくれた女性だった。
「これできれいになったな」
(有吉弘行)
「なんかサッパリしたな」
(森脇和成)

それでも残り540マルクもあり、森脇和成は、
「もう(ロンドンまで)行けるだろ。
これだけあれば」
そして
「FRANCE」
と書いた紙を掲げて、久々にヒッチハイク開始。
目的地は、フランスである。
2時間後、停まってくれたのはBMWのワゴン。
「すげェー、いい車だ」
(有吉弘行)
「ハロー、フランス行きますか?」
(森脇和成)
『行くよ』
「ウイ・アー・ノー・マネー、OK?」
(有吉弘行)
『いいよ』
2人の荷物を入れるため荷台の扉を開けようと車を降りてきたドライバーは、大きくて筋肉質な体に黒革のキャップとジャケット、ブルージーンズをまとったお兄さんだった。
「怖ェーッ!」
(森脇和成)
「ロックミュージシャンですか?」
(有吉弘行)
『スタントマンです』
強そうだが怖い人でないらしく一安心。
しかしスタントマンはスタントマンでも、カースタントマンだとわかると、少しイヤな予感がした。

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