猿岩石のヒッチハイク旅  ゴールは目前! オーストリア!! ドイツ!!! フランス!!!!

猿岩石のヒッチハイク旅 ゴールは目前! オーストリア!! ドイツ!!! フランス!!!!

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、そしてゴールのイギリスまで。野宿、絶食当たり前。推定移動距離3万5000km。推定到達期間6ヵ月。「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


翌日、制服をもらい、それに着替えて、仕事を開始。
有吉弘行は、ビールケースの消毒の仕事を任された。
山積みになっているケースを1つ1つベルトコンベアに並べていく作業だが、1日に約10万ビールを生産するという工場なので片時も休めない。
森脇和成は生産されたビールを出荷するために倉庫に整理する仕事。
ベルトコンベアで運ばれてくる1ケース15kgのビールを所定の場所に積んでいくという重労働。
昼休みは、社員食堂。
給料天引きだが3食つきなので食うのに不自由はなかった。
午後は、2人共、空き瓶が入ったケースを倉庫に整理する仕事を担当。
どの仕事もベルコンベアによる流れ作業なので、息をつく暇もない。
17時に仕事終了し、自分たちの部屋に戻ると
「腰が・・・」
「腰が痛ェーッ!」
と悲鳴を上げながら倒れこんだ。
しかしこの仕事には、ビール飲み放題といううれしい特典があり、有吉弘行は
「やったー、ビール、ビール」
とケースごと部屋に持ち込んで、口で栓を抜いて飲んだ。
そして翌日も単純だが、とてもハードな肉体労働を1日、黙々とこなした。

仕事10日目、アルバイト最終日を迎えた。
相変わらず忙しい1日を過ごし、17時、ついに終了。
「どうも、サンキュー」
仕事仲間にあいさつに回り、握手。
『チャオ』
『お疲れ様』
みんなに笑顔でねぎらってもらい
「また、ここも仕事ツラいけどいい人ばっかだったなあ」
と発つことが名残惜しくなった。
その後、歓送会を開かれ、2人は恐縮しながら参加。
しかし有吉弘行はすぐに酔っ払い、
「あ゛ー、オヤジ強ぇーよォーッ」
「うまいか、酒?」
「ウマイ!」
「アウッ」
「ワァォッ」
とハイテンションで奇声を発しながら飲んだ。


翌日、工場長のオフィスを訪ねると
『ご苦労様。
出会えてよかった』
といわれて握手。
そして給料袋をもらい、さらに
『思い出に・・』
と工場の制服をプレゼントされた
「ありがとうございます。
本当に・・・」
工場長に見送られながら工場の外に出て、しばらく歩くと、ベンチに腰かけ、給料袋を開いてみた。
すると2人合わせて800マルク(58000円)もあり、2人同時に
「わぁ!」
「アラ!」
「すげェーよ!」
「すげェーよ!」

そのお金でまずしたことは、封筒に260マルクと
「佳菜さんへ

先日は、死にかけの僕たちを救って頂き、どうもありがとうございました。
おかげさまで2人は今、ドイツまで来れることができました」
という手紙を入れて、ポストに投函したこと。
宛先はルーマニアで160ドルを貸してくれ、10ドルの餞別をくれた女性だった。
「これできれいになったな」
(有吉弘行)
「なんかサッパリしたな」
(森脇和成)

それでも残り540マルクもあり、森脇和成は、
「もう(ロンドンまで)行けるだろ。
これだけあれば」
そして
「FRANCE」
と書いた紙を掲げて、久々にヒッチハイク開始。
目的地は、フランスである。
2時間後、停まってくれたのはBMWのワゴン。
「すげェー、いい車だ」
(有吉弘行)
「ハロー、フランス行きますか?」
(森脇和成)
『行くよ』
「ウイ・アー・ノー・マネー、OK?」
(有吉弘行)
『いいよ』
2人の荷物を入れるため荷台の扉を開けようと車を降りてきたドライバーは、大きくて筋肉質な体に黒革のキャップとジャケット、ブルージーンズをまとったお兄さんだった。
「怖ェーッ!」
(森脇和成)
「ロックミュージシャンですか?」
(有吉弘行)
『スタントマンです』
強そうだが怖い人でないらしく一安心。
しかしスタントマンはスタントマンでも、カースタントマンだとわかると、少しイヤな予感がした。

ドライバーは後部座席に座る2人にもシートベルトを締めるように指示し、自らも黒のグローブと黒のサングラスを装着。
そしてアウトバーンに入るとBMWは、すさまじく加速した。
『時間がないから、急がせてもらうよ』
「オーッ」
(有吉弘行)
「ノォーッ」
(森脇和成)
アウトバーンは、

・通行料ナシ(大型商用車は有料)
・排気量制限ナシ
・約1万3000km中、約8000km(全体のおよそ62%)が速度制限ナシ

という世界でも他に類をみない高速道路。
しばらくして小雨が降り出したが、BMWは200km/h以上で走り続け、2人は体を硬直させ続けた。

しかも途中、自らが原因で車内にトラブルが発生した。
「体がかゆくて、体も臭い、足も臭い。
髪もなんかベトついてて、なんにもしなくても手グシで自由自在で、リーゼントできたもん。
油で。
それぐらいすごかったもんね」
(有吉弘行)
「最初んときはイヤだったけど、でも慣れてくるよね。
全然」
(森脇和成)
「自分たちは何も感じなくなってくるよね。
まあただヒッチハイクで、小さな車とか、密室に入ったときにけっこう来るでしょ」
(有吉弘行)
「それはある。
ドイツでもね。
あれも1週間ぐらいかな。
入ってなくて、運転手さん乗せてもらって」
(森脇和成)
「きれいな車で。
BMWですよ」
(有吉弘行)
「高速を、200kmで」
(森脇和成)
「大雨の中、運転手さん窓、ガー開けて」
(有吉弘行)
「風邪ピューッ入って。
雨ガーッ入ってきて。
相当臭かったんだね。
あのときはでも僕も臭かったですよ。
ホント」
(森脇和成)
「僕も?」
(有吉弘行)
「だっ、お前足すごい臭いんだもん、だって。
俺よりも。
何でそんな差が出んの?」
(森脇和成)
「体質かな」
(有吉弘行)
「ホント臭かったよ。
もう立ってても臭いじゃん。
普通に立ってて」
(森脇和成)
「そんなすごくはない」
(有吉弘行)
「いやそれぐらいすごいってホント」
(森脇和成)
「でも確かにね、ホテルにはいるでしょ。
靴脱ぐと、もうホテルが臭いもんね」
(有吉弘行)
「ディレクターさんとか様子見に来てもすぐ帰るもんね」
(森脇和成)
「帰るもんね。
5分といられない」
(有吉弘行)

『国境に来たよ』
BMWは、400kmをたった3時間で移動し、国境もアッという間に通過してフランスに入った。
カースタントマンの目的地は、国境からすぐの街、シュトラスブルグだったので、2人はシュトラスブルグ駅の前で降ろしてもらい、お礼をいって別れた。
旅を始めて166日目にして、17ヵ国目、フランスに入国し、
「来たねえ」
と感動した。

フランスの国民数は、6200万人。
1年間に、それを上回る8000万人以上が訪れる世界一の観光国で、首都のパリは、エッフェル塔、ノートルダム寺院、凱旋門という誰でも知っている世界的有名建造物がそろっている。
また「ミロのヴィーナス像」やレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」など、3万5千点近くを展示するルーブル美術館は、世界最大にして世界で最も入場者数が多い美術館。

パリは、ニューヨーク、ミラノに並びファッションの最先端の地で世界中から有名デザイナーや最高のコレクションが集まっている。
フランス人の「美」に対する意識は高く、ファッショナブルでセンスのいい人や美男美女が多い。
そしてフランスは、「愛の国」で、恋愛に対して非常にオープンで男女ともに恋愛に積極的。
街では愛の言葉をささやき合ってイチャつくカップルが多いが、それは若い人に限ったことではない。

またフランス料理は、世界3大料理の1つで、オニオンスープは、玉ねぎ、ビーフブイヨン、大量のチーズが入って、コクがあってまろやかで、ブルゴーニュ風牛肉ワイン煮込みは、口に入れたらとろける食感で人の脳を魅了。
洗練された料理に深い味わいを持つフランス産チーズとフランス産ワイン、シャンパンを加えれば完璧である。

そんなことにまったく知らない猿岩石は、まず手持ちの540マルクを1800フラン(39000円)に換金。
そしてハンバーガーショップで40フランを払って、つつましく食事。
さらに宿泊は久々にホテル。
「安いわ、広いわでいいねえ」
有吉弘行は大きなベッド、
「なんか俺、細いんですけど・・・」
森脇和成は、その半分以下の幅のベッドに寝転んだ。
このホテルは、2人、朝食つきで290フラン(6400円)
残金は1,470フラン(32000円)。
ヒッチハイクが、うまくいけばロンドンまで数日。
もしかしたら野宿をせずに行けるかもしれなかった。

翌朝、ホテルを出て、ヒッチハイク開始。
掲げた目的地は、
「PARIS」
花の都パリを目指して1時間後、停まった車の中から手を振ってくる2人の女性を発見。
慌てて荷物を担いで走り出した。
「パリジェンヌが呼んでる」
(有吉弘行)
「うわあ、ムチャクチャきれいじゃん」
(森脇和成)
近づくと女性は、
『撮らないで』
と撮影を拒否。
パリよりかなり手前のナンシーまでなら乗せてくれるといわれ、もちろん快諾。
車が走り出すと前方に座る2人の女性のミニスカートから出ている脚を覗き続け、同行スタッフもコッソリ撮影を続けた。
デレデレ顔で走り続けて2時間後、車はナンシーに到着。
すると女性が
『4人で飲みに行きませんか』
と誘ってきて、近くの地下にあるスナックに案内された。

『チン・チン(乾杯)』
パリジェンヌと酒を飲み、夢のような時間を過ごし、1時間後、
「♪フランス、フランス、フランス、ウー、ウー、ウー、ウー、ウー♪」
と酔っぱらった有吉弘行が歌っていると、店に怖そうな2人組の男性が入ってきて
『なんだ、お前』
といい、コッソリ撮影していた同行スタッフのカメラを殴った。
そして猿岩石に
『4000フラン』
『現金だ』
と要求。
あまりの勢いに有吉弘行はすべての所持金1470フラン(32000円)を全部差し出したが、
『おい、4000フランっていっただろ!
ふざけるな』
と男性は有吉弘行の胸ぐらをつかんだ。
「ソーリー、ソーリー、ソーリー。
アイ・ペイ」
同行スタッフは仕方なく、私が払いますと伝え、足らない分を支払った。
『さっさと出ていけ』
そういわれ店外へ。
恐らく店、女性、男性がグルのボッタクリ詐欺。
残っていたポテトとジュースをできるだけ口に入れて店を出た森脇和成は、
「あー、もう」
と嘆き、有吉弘行は
「何で一生懸命働いた金、ああやってとられなきゃいけねェーんだよ」
としばらく悔し涙が止まらなかった。
そして夜は、また公園で野宿した。

168日目、9月27日、所持金のなくなった2人は、
「Pari」
と一緒に
「We want job」
と書いた紙を掲げ、ヒッチハイクを再開。
2時間後、小型の乗用車が停まった。
『パリへ行きますよ』 
「ノーマネー、OK?」
『OK』
そういうドライバーはパリ在住の学生でナンシーの実家から戻る途中だった。
『仕事探してるんですか?
お金がなくて?』
「イエス」
『僕の友人の所で働けるかもしれない』
そして5時間のドライブの末、ボッタクリに遭ったナンシーから300km、いよいよフランスの首都、花の都、パリに到着した。
車の窓の外には、ノートルダム寺院やエッフェル塔、凱旋門などテレビや本でみたことがある風景や建造物が流れていた。

『着きましたよ』」
といわれ、停まった車から出てみると大きなテントの前だった。
「ああ、サーカスだ」
それは「ロマネスサーカス」の特設テント。
ドライバーの友人とは、このサーカスの団長だった。
ドライバーから事情を聞いた団長は
『アー、いいとも』
「メルシー」
それをみてドライバーは
『グッドラック』
といって手を振って去っていった。
こうしてパリでサーカス団に入ることになった猿岩石だが、ロンドンまで、約400km。
「2、3日分の食費や宿泊費が稼げばいい」
と3日間だけ働かせてもらうことにした。

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