米ローリング・ストーン誌が発表した「史上最高のアルバムジャケット100」

米ローリング・ストーン誌が発表した「史上最高のアルバムジャケット100」

最高にカッコいいアルバムジャケットはどれか?好みは様々でしょうが、ローリング・ストーン誌が選んだランキングは確かにカッコいいものばかり。ぜひ覗いてみてくださいっ!


1	Horses
2	Land Of A Thousand Dances
3	La Mer (de)
4	Gloria
5	Redondo Beach
6	Birdland
7	Free Money
8	Kimberly
9	Break It Up
10	Land
11	Elegie
12	My Generation

Patti Smith, ‘Horses’

ロバート・メイプルソープらしい色調のポートレート、最高のアルバムジャケットで、第6位の名に恥じない出来栄えです。

パティ・スミスによるとロバート・メイプルソープは12回ほどシャッターをきって8回目くらいに「これだ」と言ったのだとか。
パティ・スミスが「どうしてわかるの?」と問うと、ロバート・メイプルソープは「ただわかるんだ」と答えたという。
今と違ってフィルムカメラの時代ですからねぇ。天才というものには分かるんでしょうけど、凡人としては神がかっていると思うだけです。

レコードの重役たちは、モノクロ写真のジャケットが当時の女性シンガーたちとは違いすぎるということで、アートワークを変えようとしたのだそうです。しかし、パティ・スミスが押し切ったことでロバート・メイプルソープが世に出るきっかけを作り、結果としてこの名盤に花を添えることになったというわけです。

5位 The Notorious B.I.G., ‘Ready to Die’ 1994

アメリカのヒップホップ・ミュージシャン、ノトーリアス・B.I.G.のファースト・アルバム「レディ・トゥ・ダイ」が第5位です。

ヒップホップが好きな方であれば言わずもがなの大名盤。2020年版の「ローリング・ストーン誌が選んだオールタイム・ベスト・アルバム500」では堂々の22位となっています。まさしく歴史的名盤といって良いでしょう。

1	イントロ
2	シングス・ダン・チェンジド
3	ギミ・ザ・ルート
4	マシン・ガン・ファンク
5	ウォーニング
6	レディ・トゥ・ダイ
7	ワン・モア・チャンス
8	#!*@ミー (インタールード)
9	ザ・ホワット
10	ジューシー
11	エヴリデイ・ストラグル
12	ミー・アンド・マイ・ビッチ
13	ビッグ・ポッパ
14	リスペクト
15	フレンド・オブ・マイン
16	アンビリーヴァブル
17	スゥイサイダル・ソーツ

The Notorious B.I.G., ‘Ready to Die’

で、アルバムジャケットですが、シンプルなデザインが実に印象的。デザインを担当したのは伝説的なヒップホップ・グラフィックデザイナー、セイ・アダムスです。

セイ・アダムス曰く「このタイトルはとても不条理なものだったので、こんな巨大なブロック文字を使う必要はなかった」。
更には「とても繊細なものにしようと思った」とも語っています。
これらの発言の真意は分かりませんが、実際のデザインとは逆の考えを持っていたことが興味深いですね。

因みにモデルはブロンクスの子供で、モデル・エージェンシーから選ばれたのだそうですよ。

4位 Pink Floyd, ‘The Dark Side of the Moon’ 1973

イギリスにヒプノシスという1968年から1983年まで活動したデザイン・アートグループがありました。
70年代にはレッド・ツェッペリン、T・レックス、ウイングス、AC/DC、ウィッシュボーン・アッシュ、エマーソン・レイク・アンド・パーマー、ジェネシスなどなど本当に多くのミュージシャンたちのアルバムジャケットをデザインして世界中から称賛されました。
中でもピンクフロイドのほとんどのアルバムジャケットをデザインした事は有名で、どれも素晴らしい出来栄えです。
今回のランキングでは彼らの9枚目のアルバム「狂気」が第4位に選ばれています。

1	Speak to Me
2	Breathe (In the Air)
3	On the Run
4	Time
5	The Great Gig in the Sky
6	Money
7	Us and Them
8	Any Colour You Like
9	Brain Damage
10	Eclipse

Pink Floyd, ‘The Dark Side of the Moon’

リチャード・ライト(Vo/Key)は、ヒプノシスに「本当にスタイリッシュで、特異なイメージ、チョコレートの箱のようなもの」を望んでいたと語っています。
で、ヒプノシスからの最初の提案はマーベルのシルバー・サーファーだったそうです。
ピンク・フロイドはその案を直ちに却下。これはもうナイス判断だったといえますが、シルバー・サーファーのジャケットも見てみたいなと思いますね。

その後、ヒプノシスのオーブリー・パウエルが、ガラスのペーパーウェイトが部屋中に虹を広げている画像を見つけ、このイメージを発展させて70年代を代表する魅力的なイメージを作り上げたというわけです。

3位 Sly and the Family Stone, ‘There’s a Riot Goin’ On’ 1971

もしかするとスライ&ザ・ファミリー・ストーンも日本人には馴染みが薄いバンドかもしれませんね。60年代の後半から70年代前半にかけてヒット曲を連発したグループです。当時は日本でも人気があったんですけどね。
ヒット曲を連発しただけではなく、音楽界に革命を起こしたバンドです。まぁ、とにかく偉大です。

そんな彼らが1971年にリリースした6枚目のアルバム「暴動」が第3位です。

1	Luv N' Haight
2	Just Like a Baby
3	Poet
4	Family Affair
5	Africa Talks to You "The Asphalt Jungle"
6	Brave & Strong
7	(You Caught Me) Smilin'
8	Time
9	Spaced Cowboy
10	Runnin' Away
11	Thank You for Talkin' to Me Africa
12	Runnin' Away
13	My Gorilla Is My Butler
14	Do You Know What?
15	That's Pretty Clean

Sly and the Family Stone, ‘There’s a Riot Goin’ On’

星のかわりに太陽を配した赤・白・黒からなる星条旗にアーティスト名もアルバムタイトルも記載されていないという印象的なアルバムジャケット。
バンドの中心人物であるスライ・ストーン(Vo/G/Key)は、あらゆる人々を象徴するものであってほしいとの思いからジャケットにアメリカ国旗を用いたそうです。
「黒は色のない色だから。白はすべての色の組み合わせだから。そして赤は、すべての人に共通する血というものを表している」ということで様々な人種を象徴しているというわけなんですね。

写真を撮ったのはファミリー・ストーンのA&Rディレクターのスティーヴ・ペリーです。本作「暴動」は、今日ではロック史において最も優れ、最も誠実な作品の一つとして認められています。

2位 The Beatles, ‘Abbey Road’ 1969

世界でもっとも有名なバンド、ザ・ビートルズ。彼らのアルバムはどれも名盤で、どのアルバムジャケットもよく知られていると思いますが、そんな中「アビー・ロード」が第2位です。

よく知られたジャケットですが、撮影したのはイアン・マクミランで、1969年8月8日午前11時35分頃に10分間で6枚(3往復分)撮影されたそうです。僅か6枚。採用された写真は5枚目ということですが、僅か6枚でよくぞこれほど完璧な写真が撮れたものですよねぇ。

そして、さすがビートルズだなぁと思うのは、こんな細かい記録が残ってるということに驚かされます。

1	Something
2	Maxwell's Silver Hammer
3	Oh! Darling
4	Octopus's Garden
5	I Want You (She's So Heavy)
6	Here Comes The Sun
7	Because
8	You Never Give Me Your Money
9	Sun King
10	Mean Mr Mustard
11	Polythene Pam
12	She Came In Through The Bathroom Window
13	Golden Slumbers
14	Carry That Weight
15	The End
16	Her Majesty

The Beatles, ‘Abbey Road’

レコーディング・スタジオの目の前の通りをただ歩いているだけという、何ともシンプルなジャケットですが、実は楽しい仕掛けが施されているんです。

このアルバムがリリースされた際にポール・マッカートニー(Vo/B)の死亡説が出たんです。
ジャケット写真において、右から順に白いスーツのジョンは「牧師」、黒いスーツのリンゴは「葬儀屋」、裸足のポールは「死人」で、デニム姿のジョージが「墓堀人」というわけです。偶然かもしれませんが、ポールは1人だけ目をつぶるという細かい演技もしています。
更には左側に停まっている白いフォルクスワーゲンのナンバープレートが「28IF」となっており、それは「もし(IF)ポールが生きていれば28歳だった」ということを表しているというわけです。
写真のフォルクスワーゲン・タイプ1の愛称はビートルですしね。よく出来てますよねぇ。

今やというか、今でもアビイ・ロードは多くのファンが訪れイギリスで最も有名な通りとして、観光地になっています。

1位 Joy Division, ‘Unknown Pleasures’ 1979

さぁ、いよいよ第1位です。
ジョイ・ディヴィジョンのデビュー・アルバム「アンノウン・プレジャーズ」が栄えあるローリング・ストーン誌が発表した「史上最高のアルバムジャケット100」の第1位に選ばれました!

ジョイ・ディヴィジョンもまた日本では知る人ぞ知る存在だと思いますが、ところがどっこい、このデビュー・アルバムに限っては、聴いた事はなくともアルバムジャケットは知っているという方は少なくないのではないでしょうか?
ユニクロのTシャツになっていたりもして、結構いろんなところで見かけます。まぁ、それほど素晴らしいデザインという事ですね。

関連する投稿


【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

【1965年生まれ】2025年還暦を迎える意外な海外アーティストたち!

2025年(令和7年)は、1965年(昭和40年)生まれの人が還暦を迎える年です。ついに、昭和40年代生まれが還暦を迎える時代になりました。今の60歳は若いとはと言っても、数字だけ見るともうすぐ高齢者。今回は、2025年に還暦を迎える7名の人気海外アーティストをご紹介します。


伝説のライブ映画『ピンク・フロイド・アット・ポンペイ』が全世界で大ヒット!大好評につき日本国内での追加上映が決定!!

伝説のライブ映画『ピンク・フロイド・アット・ポンペイ』が全世界で大ヒット!大好評につき日本国内での追加上映が決定!!

4月24日に公開された、伝説のロックバンド「ピンク・フロイド」のライブ映画『ピンク・フロイド・アット・ポンペイ』の限定上映が全世界で大ヒットし、日本でもその熱狂を受け追加上映が決定しました。5月9日以降、全国の劇場で随時上映がスタートします。


シンディ・ローパー最後の来日ツアー『フェアウェル・ツアー』東京再追加公演の豪華特典付きVIPパッケージが発売!!

シンディ・ローパー最後の来日ツアー『フェアウェル・ツアー』東京再追加公演の豪華特典付きVIPパッケージが発売!!

ぴあ株式会社より、シンディ・ローパーによる最後の来日ツアー『フェアウェル・ツアー』東京再追加公演における、VIPパッケージが現在好評発売中となっています。


ビートルズでポール以外がベースを弾いた曲10選!

ビートルズでポール以外がベースを弾いた曲10選!

ベースプレーヤーとしても超一流であるにも関わらず、ポール・マッカートニーがビートルズ時代にベースを担当していない曲があるんですよ。ビートルズでポールがベースを弾いていない曲10選、ご紹介します!


ジョージ・ハリスン、プリンス、再結成に沸くオアシス!レジェンドたちのギターなどのグッズがオークションに出品される!!

ジョージ・ハリスン、プリンス、再結成に沸くオアシス!レジェンドたちのギターなどのグッズがオークションに出品される!!

米国カリフォルニアの企業「ジュリアンズオークション」が、伝説的なミュージシャン/アーティストのアイコニックなギターや着用アイテム等が多数出品されるオークション「PLAYED, WORN, & TORN II」の開催を発表しました。


最新の投稿


プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

プロレス界の歴史が動く今こそ読むべき一冊! 『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』2025年12月18日(木)発売!

新日本プロレスの“100年に一人の逸材”棚橋弘至氏による著書『ようこそ、プロレスの世界へ 棚橋弘至のプロレス観戦入門』が2025年12月18日にKADOKAWAより発売されます。引退が迫る棚橋氏が、26年の現役生活で培った視点から、プロレスの魅力、技の奥義、名勝負の裏側を徹底解説。ビギナーの素朴な疑問にも明快に答え、プロレス観戦をさらに面白くする「令和の観戦バイブル」です。


ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

ウルトラふろく200点以上を一挙収録!『学年誌 ウルトラふろく大全』発売

小学館クリエイティブは、ウルトラマンシリーズ60周年、『小学一年生』100周年の節目に『学年誌 ウルトラふろく大全』を11月28日に発売しました。『ウルトラQ』から『ウルトラマン80』までの学年誌・幼児誌のウルトラふろく200点以上を網羅的に掲載。組み立て済み写真や当時の記事も収録し、ふろく全盛時代の熱気を再現します。特典として、1970年の人気ふろく「ウルトラかいじゅう大パノラマ」を復刻し同梱。


伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体 UWF40周年記念イベント“無限大記念日”開催!

伝説のプロレス団体『UWF(ユニバーサル・レスリング・フェデレーション)』が、設立40周年を記念し、特別イベント「無限大記念日」を書泉ブックタワー(東京・秋葉原)にて開催します(2025年12月24日~2026年1月12日)。第1次UWFの貴重な試合映像や控室、オフショットなど、4,000枚以上のアーカイブから厳選された写真が展示されます。復刻グッズや開催記念商品も販売され、当時の熱狂が蘇ります。


グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

グラニフ×『幽☆遊☆白書』初コラボ実現!幽助、蔵馬、飛影など全21アイテム登場

株式会社グラニフは、TVアニメ『幽☆遊☆白書』との初コラボレーションアイテム全21種類を、2025年12月2日(火)より国内店舗および公式オンラインストアで販売開始します。主人公の浦飯幽助をはじめ、桑原、蔵馬、飛影のメインキャラクターに加え、戸愚呂、コエンマなど欠かせないキャラクターをデザイン。11月26日より先行予約も開始され、ファン必見のラインナップです。


全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

全長20cmの迫力!1/18スケール『国産名車コレクション』創刊

アシェット・コレクションズ・ジャパンは、隔週刊『1/18 エクストラスケール 国産名車コレクション』を2026年1月7日に創刊します。全長約20cm、1/18スケールのダイキャスト製で、日本の自動車史を彩る名車を精巧に再現。ボディラインやエンジンルーム、インパネなどの細部ディテールにこだわった「エクストラ」なコレクション体験を提供し、マガジンでは名車の開発秘話や技術を深掘りします。