「テレフォン・ノイローゼ」は失恋ソングではないです。男は女の事が大好きで、片想いってわけではない。2人は付き合ってる。なのにこの陰り具合はなんだ!?
しかし、そう、そこがイイ。これぞ甲斐バンド、これでこそのロック!
ところで、一般的な評価が低いように思える「男と女のいる舗道」「テレフォン・ノイローゼ」を収録した3rdアルバム「ガラスの動物園」は名盤だと思うのですがねぇ。
そばかすの天使
1977年5月にオリコンチャート最高69位ながらライブの定番曲となる「氷のくちびる」をリリースした後、8thシングルとなる「そばかすの天使」が1977年9月に出ました。
「そばかすの天使」、これもまぁ、なんというか地味です。オリコンで61位。まぁ、妥当なところでしょう。
しかし、ここで注目すべきはB面の方。これまたライブのオープニング曲として定番となる「きんぽうげ」がカップリングされているんです。
ところで「きんぽうげ」と言われても何のことやらピンときませんが、馬の足形(うまのあしがた)という別名をもつ野草のことです。と言われてもピンとこないですよね。
そばかすの天使
なにゆえこのタイトルが付いたのか分かりませんが、ザ・ローリングストーンズの「Honky Tonk Women」を思わせるイントロがカッコいい「きんぽうげ」。まさしく何かが始まるという雰囲気でライブのオープニングにピッタリです!
「そばかすの天使」も「きんぽうげ」も、更には「氷のくちびる」までもが、4thアルバム「この夜にさよなら」に収録されています。このアルバム、ファンに人気が高いのも頷けます。
LADY
「手の中にあふれそうな愛を突然手に入れた時、僕はただ悲しみにくれる」という「なんで?」と思わずにいられない歌詞から始まるた甲斐バンドの記念すべき10枚目のシングル「LADY」。
何となくアメリカのバンド、カーズの「シェイク・イット・アップ」を連想させるジャケットで登場です。
「長い雨もすさぶ風も外は続きそう。だけど心の中のアンブレラもうたたんでいいんだろう」という分かるような分からない、やっぱり「なんで?」と思わずにいられない煮え切らない問題作「LADY」。オリコン94位も納得といえます。
LADY
難解な歌です。歌詞を読み返すと失恋ソングってわけでもなさそうなんですよね。いったいここに出てくる男とレディはどうなってるんだ?と気になってしょうがなくなる曲ではあります。
「LADY」は甲斐バンドの5作目のオリジナル・アルバム「誘惑」の先行シングルとしてリリースされました。このアルバム、「LADY」の他に名曲「翼あるもの」が収録されていることもあってか、甲斐バンドの最高傑作に挙げる方が多いアルバムだそうです。
ほんとに?そうなの?「LADY」の印象が強すぎるのかアルバム全体が地味というか、なんとなく煮え切らない、もしくは煮え過ぎた感じのアルバムだなぁと感じてしまうんですけどねぇ。
当時の甲斐よしひろ は相当悩んでいたのではないか?いつになく重い歌詞が並んだ「誘惑」。…ホント重いなぁ。アルバムの最後を飾るのが「LADY」というのも、なんとも重い。聴き終わって爽快感が微塵もない。そんなアルバム、そんなシングル「LADY」。
そしてこの後、陰鬱なムードを全て吹き飛ばすように1978年12月20日にリリースされるのが11枚目のシングル「HERO(ヒーローになる時、それは今)」です。甲斐バンドの夜明けはちかい!