サザンオールスターズにも暗黒時代があった!?

サザンオールスターズにも暗黒時代があった!?

人気絶頂時に「半年間テレビ番組などに一切出ず、楽曲製作やレコーディングに集中し、5ヶ月間毎月1枚ずつシングルを出す」ということではじまった"FIVE ROCK SHOW"。期待したファンも多かったと思いますが、レコードの売り上げは低迷してしまします。サザン初の挫折?!これって暗黒時代だったのでしょうか?"FIVE ROCK SHOW"としてリリースされた楽曲をみていきます。


FIVE ROCK SHOW

1979年、サザンオールスターズは疲れていた。1978年のデビュー曲「 勝手にシンドバッド」がいきなりヒットという幸先の良いスタートを切ったものの、テレビにラジオに雑誌にと引っ掻き回されてクタクタになっていた。
これでは落ち着いて曲が作れやしないということで、半年間テレビ番組などには一切出ないで楽曲製作やレコーディングに集中し、5ヶ月間毎月1枚ずつシングルを出す。これをサザンオールスターズは「FIVE ROCK SHOW」と名付け、新たな音楽活動に邁進することになります。

ワガママとも言えそうなこんなことが許されたのはデビュー曲からヒットを連発していたからですね。その間には名曲「いとしのエリー」もありましたしね。
レコード会社にとってサザンオールスターズはまさに金の卵。レコーディングに集中させてがっぽり稼ごうと思うのも当然です。
が、残念ながらこれがうまくいかなかった。数少ないサザンオールスターズの失敗のひとつが「FIVE ROCK SHOW」となってしまったのですよ。

しかし、毎月1枚のシングルをリリースするというのはかなり大変なことですよね。シングル5枚ということは全10曲。アルバム1枚分ですからねぇ。
では「FIVE ROCK SHOW」の5枚のシングルを見ていきましょう。

涙のアベニュー

満を持してといっていいのでしょう「FIVE ROCK SHOW」第1弾シングル「涙のアベニュー」はサザンオールスターズのサード・アルバム「タイニイ・バブルス」の先行シングルとして、1980年2月にリリースされました。

A面:涙のアベニュー (4:03)
(作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:サザンオールスターズ / 弦管編曲:八木正生)

B面:Hey! Ryudo! (ヘイ! リュード!) (4:23)
(作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:サザンオールスターズ / 管編曲:八木正生)

涙のアベニュー

「FIVE ROCK SHOW」と聞いて、バリバリのロックンロールを期待した人には肩透かしをくらわせることになった「涙のアベニュー」。しかし、それはそれ。この曲は、いま聴いても良い曲ですよねぇ。
但し「涙のアベニュー」はオリコン週間16位が最高位。大ヒットとはいきませんでした。

とはいえ、楽曲作りに集中できたことが良かったのでしょう。後日リリースされたアルバム「タイニイ・バブルス」は充実した内容となっており、オリコンでもバンドとして初のチャート1位を獲得しました。

恋するマンスリー・デイ

日本初のレゲエは何という曲か?調べてみたところ、1973年の泉谷しげる「君の便りは南風」だそうです。ただしこの曲はシングルではありません(アルバム「光と影」収録)ので一般的にはあまり知られていませんね。
日本における最初のレゲエのヒット曲となると、これはサザンオールスターズになるのではないでしょうか?1980年3月にリリースされた「FIVE ROCK SHOW」第2弾シングル「恋するマンスリー・デイ」です。

A面:恋するマンスリー・デイ (4:10)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)

B面:青い空の心 (No me? More no!) (3:20)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ)

恋するマンスリー・デイ

「恋するマンスリー・デイ」は曲に驚きましたが、歌詞には更に驚きました。こんなことを歌にしてヒットさせたのは間違いなく日本初でしょう。
で、その後は誰も居ないのではないかと思われます。。。

「恋するマンスリー・デイ」はアルバム「タイニイ・バブルス」と同時発売という事で、アルバムが売れた分、シングルが売れなかったのでは?という気もします。当時はすごく話題になった曲だったんですけどねぇ。

「恋するマンスリー・デイ」はオリコンで週間23位が最高位となっています。

いなせなロコモーション

「FIVE ROCK SHOW」の第3弾、サザンオールスターズとしては通算8作目のシングル「いなせなロコモーション」1980年5月21日リリース。
ここで「ん?」と思われた方、いらっしゃるんじゃないでしょうか?!そう、5か月連続でリリースするのが「FIVE ROCK SHOW」。つまりは月1のリリース。ところが前作から2ヶ月たってるんですよね。

しかし、そんなことはどうでもよろし!ここにきて「FIVE ROCK SHOW」の名に恥じない軽快なロックンロールの登場です!

A面:いなせなロコモーション (4:47)
(作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:サザンオールスターズ)

B面:LOVE SICK CHICKEN (3:35)
(作詞:大森隆志 & フジミ・ミドリ / 作曲:大森隆志 / 編曲:サザンオールスターズ)

いなせなロコモーション

ジャケットのイラストは永井博です。永井博といえば、1981年3月21日にリリースされた大滝詠一の大傑作アルバム「A LONG VACATION(ア・ロング・バケイション)」のカバーイラストでアルバム共々一大ブームを巻き起こしました。

大滝詠一

1981年3月リリース

A LONG VACATION

それにしても「A LONG VACATION(ア・ロング・バケイション)」のジャケットはホントに素晴らしいですね。

サザンオールスターズとしては永井博のイラストがここから3作連続で使われます。しかしねぇ、時期的にはサザンオールスターズの方が早く使われているのですが、今となっては永井博のイラストは大滝詠一のイメージが強いものとなっていますよね。

それはそれとして「いなせなロコモーション」は素晴らしい楽曲。ライブの定番でもあり、サザンオールスターズを代表する一曲といって良いでしょう。

歌詞には、コニー・フランシス、ドリス・デイ、シュープリームス、フランキー・ヴァリ、ビーチボーイズなど往年のポップスターの名がズラリと出てきて楽しさはこの上ありません。

「いなせなロコモーション」はオリコン週間16位が最高位となっています。

ジャズマン (JAZZ MAN)

「FIVE ROCK SHOW」の第4弾「ジャズマン (JAZZ MAN)」、1980年6月21日のリリースです。「いなせなロコモーション」からきっちり一ヶ月後ですね。
ジャケットは引き続き永井博で、より「A LONG VACATION(ア・ロング・バケイション)」色が強く出ていますね。あ、逆だ。こっちの方が早いんでしたね。

A面:ジャズマン (JAZZ MAN) (4:23)
(作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生)

B面:ひょうたんからこま (4:25)
(作詞・作曲:関口和之 編曲:サザンオールスターズ 弦管編曲:八木正生)

ジャズマン (JAZZ MAN)

「ジャズマン (JAZZ MAN)」というタイトルが示すように「ROCK SHOW」というよりも、曲調はジャズ。それもスウィング・ジャズです。
良い感じに力が抜けてて心地よい曲なんですが、テレビに出なくなったことに加え、ヒットもしなかったからでしょうか、現時点では「ジャズマン (JAZZ MAN)」の映像が見つかりません……。

「ジャズマン (JAZZ MAN)」はオリコン週間33位が最高位となっています。

わすれじのレイド・バック

「FIVE ROCK SHOW」の最後を飾るのは「わすれじのレイド・バック」。1980年7月リリース。

カワイイ!思わず飾りたくなってしまうジャケットですね。因みにタイトルにあるレイド・バックとは、リラックスしたとか、ゆったりしたという意味です。今ではあまり聞かれなくなりましたが、70年代の前半にはそう呼ばれるサウンドが流行ったんですよ。

A面:わすれじのレイド・バック (4:55)
(作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:サザンオールスターズ)

B面:FIVE ROCK SHOW (4:47)
(作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:サザンオールスターズ)

わすれじのレイド・バック

体調不良のためキーボードプレーヤーの原由子不在で製作された「わすれじのレイド・バック」。病室で「わすれじのレイド・バック」のジャケットを見ながら「私はクレジットされてないんだなぁ」と寂しく眺めていたら、そこには桑田佳祐:Vocal, Guitar、大森隆志:Guitar, Chorusに続いて「原由子:Mind・・・」の文字が!いい話ですなぁ。

「わすれじのレイド・バック」はオリコン週間41位が最高位となっています。

「FIVE ROCK SHOW」に関して桑田佳祐は「曲作りに集中出来たし、何より、地に足がつかない状況の中、お陰で自分達を取り戻すことが出来た」と語る一方で、音楽的にはあまり思ったような効果はなかったといった趣旨の発言もしています。確かに商業的にみても芳しいものではありませんでした。
しかし、人気絶頂だったサザンオールスターズの勢いを止めてでもやらざるを得ない状況だったのでしょう。
「FIVE ROCK SHOW」、ヒットはしなかった。しかし、どれも悪い曲ではない。暗黒時代といってもこのクオリティ!これはやっぱり、さすが桑田佳祐、さすがサザンオールスターズですよねぇ。

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