オープニングとエンディング
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最終回のネタバレ
南雲忍率いる特車二課・第一小隊に、野明が乗るレイバー『イングラム』の後継機『ピースメイカー』、通称『ゼロ』が配備されることが決まった。
あらゆる面で『イングラム』を上回る『ゼロ』の性能を目の当たりにした野明は、複雑な感情を抱く。
新型のレイバーが導入されるのは、悪いことではない。なのに素直に喜べないのは、なぜだろうか。
ライバル意識・・・ではない、言い表せない感情に揺れる野明。
一方、野明が暴走レイバーを取り押さえる際に、付近の車を損傷させてしまった事件が、思わぬ波紋を広げていた。
その車は社会的立場の高い人物、いわゆる『おエライさん』の所有する車だった。その上、ニューロコンピューターによる動作サポートを受けた『ゼロ』が事件に投入されていれば、車の損壊はなかったのではないかと騒いでいるらしいのだ。
そのことを聞いた野明は、自分の感情の正体に気付く。
いつか技術が進歩し、『イングラム』が人々から必要とされなくなる日が来る。そのことが悲しかったのだ、と。
事実、『ゼロ』の実践デビューは華々しい成果を飾ることになった。
増上寺境内に立て籠もったレイバーを、『ゼロ』は周囲の建物を破損することなくスピード逮捕したのだ。
『ゼロ』導入に好意的なマスコミ報道もあって、野明の心は乱れ、思わず無断で職場を離れてしまう。
野明が向かったのは、故郷・苫小牧であった。
その地に眠る、かつての愛犬・アルフォンスの墓を訪れた野明は、アルフォンスを土に埋めた時のことを思い出す。
「土の中で、ひとりぼっちで、可哀想だよ」
そう言って泣きじゃくる野明を、父はこう言って慰めたのだった。
「犬は人ほど永くは生きられん。生きてる間に、あれほど可愛がって貰ったんだ。アルフォンスはちっとも可哀想なんかじゃないぞ」
と。
同じだ――と、つぶやいた野明は、そっと、その場を離れるのだった。
同じ頃、遊馬もまた苫小牧を訪れていた。
アルフォンスの墓参りを終えた野明を見つけた遊馬は、叱りつけるでもなく、優しく尋ねる。
「吹っ切れたのか?」
野明は「うん」と応えるのだった。
そのまま東京に帰って来た二人を待っていたのは、新たな事件――川崎のコンビナートで、『クラブマン』という四脚走行型のレイバーが暴れているというのだ。
火災を引き起こす危険性が高い現場で、思うような力を発揮できない『ゼロ』は苦戦を強いられていたが、駆けつけた『イングラム』が事件を見事に終わらせる。
走行する『クラブマン』の腹底に飛び込んだ『イングラム』は、下から『クラブマン』を投げ飛ばしたのだ。
それは、イングラムの性能を知り尽くした野明だから出来た、機転を利かせた一撃といえた。
イングラムに出来ることは、まだまだある。
野明は、自信と誇りを取り戻すのだった。