「Atomic Heart」の発売時期と売上

「Atomic Heart」は1994年9月に発売されたMr.childrenの4枚目のアルバムです。前作「Versus」から1年ぶりのアルバムです。
「Versus」まではロマンティックでセンチメンタルなラブソングが中心のアルバムでしたが、「Atomic Heart」からは精神論的な内容になっているとプロデューサーの小林武史さんも指摘しています。
オリコン週間チャートは1位で2週連続1位。計3回1位を獲得しています。累計売上は343万枚。日本国内の男性アーティストのアルバムで歴代1位の記録です。
「Printing」から「Dance Dance Dance」
1曲目はインストゥルメンタルの「Printing」。インストの楽曲がMr.childrenのアルバムに収録されたのはこれが初めてです。タイトルの通り、プリンターで印刷している音が入っています。
2曲目は「Dance Dance Dance」。桜井和寿さんいわく、「Dance Dance Dance」は音も歌詞も情報量が多い曲でそれをイメージするように前に印刷の音が入っているそうです。ライブでもこの2曲は続けて流れることが多いんですよ。
「今の自分達が武道館のような大ホールでやるとしたら?」というコンセプトで作られた曲ですが、今では武道館よりも大きな場所でしかライブしていないですから、すごいですよね。今でもライブの定番曲です。
「ラヴ コネクション」
3曲目は「ラヴ コネクション」。アルバムの中で最後に出来上がった曲です。「ライブで盛り上がる曲を作ろう」というコンセプトで作られた楽曲で、ローリングストーンズを意識した楽曲でもあります。
アルバム曲なのですがミュージックビデオが作られているという珍しい曲でもあります。
「Tomorrow never knows」のカップリングとしてシングルカットされています。
「innocent world」

4曲目は「innocent world」。1994年6月にリリースされた5枚目のシングルでロングヒットとなり、Mr.Childrenの知名度を大きく上げた一曲でもあります。1994年の年間シングルチャート1位。1994年、1995年の年間カラオケチャート1位を獲得した楽曲。さらにこの曲がヒットしたことによって過去の楽曲もチャートインしました。それだけMr.childrenが注目されたということですよね。
累計売上枚数は193.6万枚で、シングルとしては「Tomorrow never knows」、「名もなき詩」に続いて3位の売上枚数です。
日本コカ・コーラ「アクエリアス ネオ/アクエリアス イオシス」のCMソングでした。
最初はラブソングの予定でしたがメッセージ性の強い楽曲となりました。この曲の方向性がアルバムの方向性になっていったのかもしれませんね。
「クラスメイト」
5曲目の「クラスメイト」は元々シングル曲として作られていたそうです。
彼氏のいる昔のクラスメイトと関係を持ってしまうという内容です。不倫ではないですがいけない恋を歌った歌ですね。このアルバムの中では数少ない、恋愛だけを歌った歌です。
「CROSS ROAD」

6曲目は「CROSS ROAD」。4枚目のシングルとして発売された楽曲ですね。アルバムに収録されているシングル表題曲は「CROSS ROAD」と「nnocent world」の2曲です。ですがリカットでカップリングになった曲が多く、オリジナルアルバムの中で一番シングルとしても発売された曲が収録されているアルバムなのです。
日本テレビ系ドラマ『同窓会』の主題歌で、ドラマの1話の台本を見ながら作ったそうです。週間オリコンチャートは6位でした。スマッシュヒットのイメージがあるかもしれませんがロングヒットでじわじわ売れ、半年後にミリオンセラーとなっているんですよ。じわじわ売れたため、本人たちもブレイクしたという意識はなかったそうです。
「ジェラシー」「ASIA」
7曲目は「ジェラシー」。テクノ技術を取り入れた実験的な楽曲。桜井さんが遺伝子から膨らませて作った楽曲なので壮大な内容になっています。
8曲目は「Asia (エイジア)」。タイトル通りアジアについて歌った曲です。ドラムの鈴木さんが作曲した唯一の楽曲です。
「Rain」「雨のち晴れ」
9曲目の「Rain」もインストゥルメンタルの楽曲。タイトル通り雨の音が収録されています。そして10曲目の「雨のち晴れ」に続きます。
最初は鈴木さんが歌う予定で「鈴木さんがもしサラリーマンだったら?」というテーマで書いたそうです。自分が歌う予定ではないので気軽に書いたそうですが、出来上がると思い入れがありやはり桜井さんが歌うことになったのだとか。
「Round About 〜孤独の肖像〜」
11曲目は「Round About 〜孤独の肖像〜」。アルバムの中で一番アップテンポな曲です。ですが元々は弾き語りの曲にする予定だったそうです。歌詞を書いて見たら刺激的な言葉が多かったため、楽曲に合わずアレンジを替えたそうですよ。
アコースティックバージョンも一度聴いて見たいですね。
「Over」
最後の楽曲は「Over」。アルバム曲ですがファンの多い曲ですよね。ベストアルバムにも収録されています。失恋ソングですがバラードではなく、明るい感じなのが斬新でした。
「Over」には「Love is over」と、歌詞の最後にある「悲しみのトンネルをさぁくぐり抜けよう」の2つの意味があるそうです。
哀しいけれどさわやかな感じでアルバムの最後にぴったりの曲ですよね。
「Atomic Heart」は発売から30年近くたった今でも全曲歌えるような心に残るアルバムです。