【プロ野球】新人王とMVPのダブル受賞!NPB史上2人の投手だけ!

【プロ野球】新人王とMVPのダブル受賞!NPB史上2人の投手だけ!

プロ野球の新人選手が初年度いきなり活躍して、新人王だけでなく最優秀選手(MVP)まで受賞するのは極めて稀なことです。あの長嶋茂雄選手や清原和博選手でも、同時受賞は果たせませんでした。NPBでこれまで同時受賞した選手は、わずかに2人。いずれも投手です。しかも、いずれも優勝を逃したチームの選手。さて、誰でしょうか?


ダブル受賞した2人の投手

日本プロ野球(NPB)の新人選手が初年度大活躍して、新人王に加え、個人タイトルまで獲得する例はいくつかあります。1958年の長嶋茂雄選手(本塁打王、打点王)、1966年の堀内恒夫投手(最優秀防御率)、2005年の青木宣親選手(首位打者)などです。



ところが、最優秀選手(MVP)となると、NPB史上わずか2人しかいません。



いずれも投手。その2人とは・・・・



日本ハムファイターズ 木田勇投手(1980年)

近鉄バファローズ 野茂英雄投手(1990年)




です。



また、MVPは優勝チームから出ることが多いですが、2人はいずれも優勝チームではありません。日本ハム、近鉄は、いずれも3位。このねじれは、いかに2人の成績が優れていたかを示す傍証と言えるでしょう。



それでは、木田投手と野茂投手の成績を振り返ります。

木田勇(日本ハム)

いきなり月間MVP

ダブル受賞の第一号は、日本ハムの木田勇投手です。木田は、社会人野球の日本鋼管で活躍。その活躍が評価され、1979年のドラフト1位で日本ハムに入団します。



ルーキーイヤーの1980年。木田は、オープン戦で好投すると、その結果を買われ、開幕2戦目の西武戦に先発登板します。当時の西武打線は、土井正博、田淵幸一、野村克也の3人のベテランホームランバッターを擁する怖い打線。しかし、木田は、土井のホームランの1点に抑え、なんと初登板・初先発・初勝利・初完投を同時に達成します。さらに、3戦目のロッテ戦では、初完封まで記録。ルーキーイヤーの最初の月となる4月は、4勝0敗、2完投、1完封、防御率0.79で、いきなり月間MVPを獲得しました。

MVP・新人王・3大タイトルを獲得

木田にとって、大きな武器となったのが「パームボール」。当時、中日の藤沢公也投手ぐらいしか投げていなかったレアな変化球でしたが、のちに日本ハム監督を務める植村義信投手コーチから教わり、投球の幅が広がりました。また、三振を奪った後の派手なガッツポーズは、木田が最初と言われています。



ルーキーの場合、シーズン前半は好調でも、後半からバテて崩れてくることがよくありますが、木田の場合、むしろ真夏の方が絶好調で、なんと7〜8月は7勝0敗。チームは前期2位、後期2位で僅差で優勝を逃すも、木田はチームの3分の1の勝利を獲得し、チームの躍進に貢献しました。



この年の木田の記録は次の通りです。

成績 22勝8敗4S、225奪三振、防御率2.28、勝率.733
タイトル 最多勝利、最優秀防御率、最高勝率
表彰 最優秀選手(MVP)、新人王、ベストナイン、ダイヤモンドグラブ賞
日本記録 毎回奪三振シーズン3回、23イニング連続奪三振(当時)
参考 最多奪三振(当時は連盟表彰なし)

リーグ優勝にも貢献

翌1981年は、前年ほどの投球はできなかったものの、二桁勝利を挙げ、プレーオフでも勝利するなど、チームの19年ぶりの優勝に貢献しました。以後は、故障や不調で復活することなく、大洋、中日と移籍後、1990年に引退しています。

野茂英雄(近鉄)

8球団がドラフト1位指名

ダブル受賞の二人目は、近鉄の野茂英雄投手です。野茂は、社会人野球の新日本製鐵堺、ソウルオリンピック日本代表で活躍。アマチュアナンバーワンと言われた野茂は、1989年のドラフト会議で8球団から1位指名を受けます。交渉権を獲得したのは近鉄。投球フォームを変えないという条件付きで、近鉄に入団します。



ルーキーイヤーの1990年。木田と同様、野茂も開幕2戦目の西武戦に先発で登板します。しかし、木田とは対照的に西武打線に捕まり、敗戦投手に。続くオリックス戦も、7失点を喫する惨敗で、その後も日本ハム戦のリリーフで追加点を献上してしまいます。



結果の出ないまま迎えた、4月29日のオリックス戦。ここでついに、野茂はその本領を発揮し始めます。この日オリックス打線は、野茂の前に、三振、三振のオンパレード。終わってみれば、9回完投17奪三振のプロ野球タイ記録で、プロ初勝利を完投で達成しました。



春先は黒星が先行したものの、6月に入ると無傷の4連勝。初の月間MVPを獲得しています。

MVP・新人王・沢村賞・4大タイトルを獲得

野茂といえば、体を大きく捻る「トルネード投法」がおなじみでで、速球やフォークボールを投じ、三振を量産しました。ルーキーイヤーながら、21試合シーズン2桁奪三振、5試合連続2桁奪三振、奪三振率10.99など従来の記録を更新。チームは、前年の優勝から3位に転落するも、野茂は、MVPと新人王のダブル受賞を果たしました。



この年の野茂の記録は次の通りです。

成績 18勝8敗0S、287奪三振、21完投、防御率2.91、勝率.692
タイトル 最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率
表彰 最優秀選手(MVP)、新人王、沢村栄治賞、ベストナイン
日本記録 21試合シーズン2桁奪三振、5試合連続2桁奪三振、奪三振率10.99(当時)

メジャーでも新人王

翌年以降も、野茂は近鉄のエースとして活躍。2年目のジンクスなどなく、それどころかデビューから4年連続で、最多勝利、最多奪三振のタイトルを獲得しています。そして、1995年にはMLBに移籍。なんとメジャーでも、新人王と最多奪三振のダブルタイトルを獲得しました。その後の活躍は、説明するまでもないでしょう。



野茂が、NPBとMLBで挙げた三振の数は3122三振。これは、歴代最多記録です。

関連する投稿


赤ヘル黄金期の伝説が神保町に!髙橋慶彦氏のトーク&サイン会開催、昭和カープの“ヤバい”秘話も解禁

赤ヘル黄金期の伝説が神保町に!髙橋慶彦氏のトーク&サイン会開催、昭和カープの“ヤバい”秘話も解禁

広島東洋カープの黄金期を支えたレジェンド、髙橋慶彦氏の自伝『赤き球団の魂 髙橋慶彦』の発売を記念し、1月29日に神保町・書泉グランデでイベント開催が決定!昭和プロ野球の衝撃的な裏話や、スパルタ指導の真相などが語られる本書。当日はトークショーやサイン会も行われ、ファン必見の一夜となりそうです。


【野球選手から俳優!?】板東、長嶋、イチロー・・・人気ドラマに出演した元プロ野球選手!

【野球選手から俳優!?】板東、長嶋、イチロー・・・人気ドラマに出演した元プロ野球選手!

プロ野球選手が引退後、タレントとして新たな道を歩むケースは数多く見られます。その中には、俳優業にまで進出し、映画やドラマで活躍する人も少なくありません。今回は筆者の独断と偏見に基づき、人気ドラマに出演した元プロ野球選手の中から、特に印象に残っている面々をご紹介します。


緊急刊行!長嶋茂雄さんの追悼特集号『NumberPLUS 長嶋茂雄』(仮)が6月26日に発売決定!!

緊急刊行!長嶋茂雄さんの追悼特集号『NumberPLUS 長嶋茂雄』(仮)が6月26日に発売決定!!

6月3日に長嶋茂雄さんが89歳で死去したのを受け、文藝春秋が刊行するスポーツ総合誌『Sports Graphic Number』より、「ミスタープロ野球」としてファンに愛された国民的スーパースターである長嶋さんの功績をたたえた追悼特集号『NumberPLUS 長嶋茂雄』(仮)の発売が決定しました。


【訃報】巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さん死去。3月には大谷翔平との“対決”が話題に

【訃報】巨人軍終身名誉監督・長嶋茂雄さん死去。3月には大谷翔平との“対決”が話題に

プロ野球界における伝説的存在“ミスタープロ野球”こと長嶋茂雄(ながしま しげお)さんが3日、肺炎のため東京都内の病院で亡くなっていたことが明らかとなりました。89歳でした。


【藤川球児】広末涼子と同級生!? 火の玉ストレート誕生前の球児の球歴

【藤川球児】広末涼子と同級生!? 火の玉ストレート誕生前の球児の球歴

2025年より阪神タイガースの監督に就任した藤川球児。現役時代は、"火の玉ストレート" と呼ばれる "魔球" で活躍した名投手ですが、魔球誕生以前にもたびたび話題になっていた選手でした。球児という名前、ドラフト1位、広末涼子と同級生など、火の玉ストレート誕生前の藤川球児のエピソードを振り返ります。


最新の投稿


中山美穂の伝説が蘇る!全175曲収録の完全保存版Blu-ray BOXが6月17日発売決定

中山美穂の伝説が蘇る!全175曲収録の完全保存版Blu-ray BOXが6月17日発売決定

中山美穂のコンサート史を凝縮した5枚組Blu-ray BOX『Miho Nakayama Complete Blu-ray BOX~Forever』が2026年6月17日に発売される。1986年の初公演から98年までを網羅し、全編HD・オーディオリマスタリングを敢行。未発表ライブ映像やMVも初収録した、ファン必携の記念碑的作品だ。


俳優・水谷豊の真実に迫る著作『YUTAKA MIZUTANI』発売!監督としての人生と秘められた過去を解禁

俳優・水谷豊の真実に迫る著作『YUTAKA MIZUTANI』発売!監督としての人生と秘められた過去を解禁

俳優・水谷豊の著作『YUTAKA MIZUTANI』が発売される。「傷だらけの天使」や「熱中時代」、そして「相棒」と、各時代でトップを走り続ける彼が、自らの監督作品を通じて「誰も知らない本当の水谷豊」を明かす。サイン本お渡し会や、代表作『青春の殺人者』の50周年記念Tシャツ発売など、ファン必見の情報が満載だ。


楳図かずお生誕90周年!60年代の伝説的「なかよし」付録漫画を完全再現した究極の復刻BOXが登場

楳図かずお生誕90周年!60年代の伝説的「なかよし」付録漫画を完全再現した究極の復刻BOXが登場

ホラー漫画の金字塔、楳図かずお氏の生誕90周年を記念し、1960年代に『なかよし』の付録として人気を博した「なかよしブック」が復刻BOXとして発売される。当時のサイズや色味、さらには広告や読者ページまで可能な限り再現。市場でも滅多に見られない超貴重な少女ホラー傑作5選が、今ここに蘇る。


武豊デビュー40年特別展が銀座三越で開催!日本ダービー6勝の軌跡やAI・AR等の最新コンテンツが集結

武豊デビュー40年特別展が銀座三越で開催!日本ダービー6勝の軌跡やAI・AR等の最新コンテンツが集結

日本競馬界のレジェンド、武豊騎手のデビュー40年を記念した特別展が2026年4月28日より銀座三越で開催される。前人未到の「日本ダービー6勝」に焦点を当てた展示や、AI・ARを駆使した最新デジタル体験、会場限定のオリジナルグッズ販売など、頂点を走り続けるジョッキーの栄光と進化を体感できる貴重な催事だ。


錦織一清、還暦イヤーを飾る初のソロ写真集&カレンダー発売!“ニッキ”の今を詰め込んだ永久保存版

錦織一清、還暦イヤーを飾る初のソロ写真集&カレンダー発売!“ニッキ”の今を詰め込んだ永久保存版

俳優、演出家、シンガーとして活躍する錦織一清が、2025年5月に迎えた還暦イヤーの締めくくりとして、人生初となるソロ写真集&カレンダー『言魂 -10カラットの呟きと共に-』を2026年5月29日に発売。本人プロデュースによる日常の風景や自ら吐露した10の呟きなど、現在の彼の魅力を凝縮した一冊となっている。