相棒の官房長でお馴染みの岸部一徳さんは、GSの頂点に立つ名ベーシストだった

相棒の官房長でお馴染みの岸部一徳さんは、GSの頂点に立つ名ベーシストだった

「岸部一徳」さんといえば、大人気ドラマの「相棒」で杉下右京の上役に当たる官房長を演じていた役者さんとして知られていますよね。ひょうひょうとした雰囲気の個性的な役者さんなのですが、実は音楽をしている方なら誰もが知っている名ベーシストだったのです。GSでは最高峰ともいえるグループだった「ザ・タイガース」から「PYG」・「井上堯之バンド」でもベーシストとして活躍していました。


ザ・タイガース時代

日本中の若者たちを夢中にさせたグループサウンズ。その中でも特に人気が高かったのが「ザ・タイガース」でした。当時のタイガースのファン層は、主に10代の少女が主だったため、アイドルとしての人気の的になっていたのが、華やかなボーカルの「沢田研二」さんとドラムスの「瞳みのる」さんに集中していたのです。

その反面、大人びた雰囲気を持ち合わせていたのが「岸部一徳」さん(この時点ではまだ岸部修三)で、男性ファンが多く付いていたそうです。また「ザ・タイガース」のリーダー役として、「沢田研二」さんをはじめ、グループのメンバーから、厚く慕われていたそうです。

メンバーの中でも、かなりの音楽通として知られていて、当時アメリカ在住だった弟の四郎からの最新音楽情報が大きかったのだとか。「ザ・タイガース」がステージで歌うレパートリーは、主に「岸部一徳」さんが選曲していたとのこと。そしてギターの「森本太郎」さんがアレンジをするといった形だったそうです。

1969年「加橋かつみ」さんが脱退したことにより、弟の「四郎」が新メンバーに加入します。その後「沢田研二」さんが単独でテレビに出演することも増え、ロックフェスティバルなどに、「沢田研二」さん以外のメンバーに「ムッシュかまやつ」さんや「ミッキー吉野」さんらが加わった布陣で「岸部おさみグループ」と名乗って出演することもあったそうです。

PYG結成

1971年1月24日、「ザ・タイガース・ビューティフル・コンサート」を最後に「ザタイガース」は解散しました。そして解散の1週間後に、元タイガースの「沢田研二」さん、元テンプターズの「萩原健一」さんと「大口広司」さん、元スパイダースの「大野克夫」さんと「井上堯之」らとバンド「PYG」を結成します。

同年4月にリリースしたシングル「花・太陽・雨/やすらぎを求めて」でレコードデビューするのですが、この曲の作詞は「岸部一徳」さんが担当しました。

実は「岸部一徳」さんが好きだった音楽は、「ディープ・パープル」・「レッド・ツェッペリン」などのハードロックでした。実際のライブでは、その系統のレパートリーも演奏していましたが、所属の渡辺プロはあくまでも商業ベースです。

ということもあって、オリジナルでは思うような音楽が作れません。また1972年中頃からは、「萩原健一」さんの主演するテレビドラマ「太陽にほえろ!」が人気となり、音楽に携わる時間が激減し、PYGは事実上解散となりました。解散後は、「沢田研二」さんと「萩原健一」さんを除いたメンバーで、「井上堯之バンド」が誕生します。

ミュージシャンを廃業

井上バンドを結成した後は、「沢田研二」さんのバッキングや「萩原健一」さん主演作品のサントラを中心に活動します。しかし「岸部 一徳」さんは、1975年6月に行われた「沢田研二コンサート」をもって井上バンドを脱退したのです。そして脱退だけでなくミュージシャン自体を廃業してしまったのです。

「音楽的に向上する努力をしなくなった」と語る「岸部 一徳」さん。1970年代に入り、クロスオーバー・フュージョンという新しい音楽が主流となり、「沢田研二」さんの楽曲も井上バンドの音楽性も、時代に逆らわないように変化を遂げようとしていたのが、「岸部一徳」さんには我慢できなかったようです。

古典的なハードロックを志向する「岸部一徳」さん、時代の主流には懐疑的であるうえに、新しい演奏テクニックの修得にも消極的でした。これらが廃業の理由になったようですね。それにより脱退という形で公表されました。

俳優として

ミュージシャンを廃業してしまった「岸部一徳」さん。無職になったその年の1975年、テレビドラマ「悪魔のようなあいつ」出演の話が持ち込まれ、これがきっかけになって本格的に俳優業に転身することに。俳優となるにあたり、芸能事務所にも所属します。

そして1976年には、同事務所の先輩となる樹木希林の発案で、「岸部おさみ」から「岸部一徳」に改名することになりました。実は「岸部一徳」という名前は、ここからスタートすることになるんですね。

1990年には、日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞し、主演俳優としても高い評価を受けるようになります。「大林宣彦」監督・「市川崑」監督・「北野武」監督らからも、ラブコールを受けるようになり、様々な役をこなすバイプレーヤーとして活躍しています。

日本で大ヒットしている「水谷豊」さん主演の「相棒」にも、官房長役で出演。ドラマの展開中の要所に登場する役柄でした。現在の若い人たちは「岸部一徳」と聞いて、ベーシストの顔よりもこの官房長の顔の方が頭に浮かぶのでしょうね。

レッド・ツェッペリンのジョン・ポール・ジョーンズが感動

「レッド・ツェッペリン」の「ジョン・ポール・ジョーンズ」が公演で来日した時、テレビで観た「岸部一徳」さんのプレイに大いに感動したんだそうです。そして、しきりに会いたがっていたという逸話が残っています。

名ベーシストで知られる「ジョン・ポール・ジョーンズ」、初来日の際に「PYG」の演奏をテレビで見たそうです。その時に演奏していた曲が、「レッド・ツェッペリン」の「Babe I Gonna Leave You」で、「ベースを引いていた奴はとんでもないスゴ腕だった」と話し、「俺よりもいいんじゃないか」と思ったぐらいだったそうです。

結局会うことができなくて、非常に残念だったそうです。世界で認められたベーシストの「ジョン・ポール・ジョーンズ」が舌を巻いた演奏。それだけで「岸部一徳」さんの凄さがわかりますよね。

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