『コッペリア』より『ワルツ』
『コッペリア』は有名バレエ作品の一つで、フランス・ロマン派の作曲家、レオ・ドリーブが音楽を手がけました。1867年の作曲で、1870年にオペラ座で初演されたと言われています。CMで使用されたのは、その中で特に有名な楽曲『ワルツ』です。
いすゞジェミニのCMでは、1986年の「街の遊撃手。」で起用されました。パリのエッフェル塔をバックに、2台のジェミニがジャンプする映像が印象的です。
『くるみ割り人形』より『花のワルツ』
『くるみ割り人形』は、ロシアの作曲家、ピョートル・チャイコフスキーが作曲したバレエ音楽で、1892年にマリインスキー劇場で初演されました。その後、演奏会用に組曲が作られ、その一つとして選出されたのが『花のワルツ』です。『くるみ割り人形』では、最も有名な曲と言っていいでしょう。
いすゞジェミニのCMでは、1986年の「街の遊撃手。」で起用されました。2台のジェミニが噴水の周りをシンクロしながら息ぴったりで走る映像が印象的です。
『雨に唄えば』
『雨に唄えば』は、1929年の映画『ハリウッド・レヴィユー』での起用が最初ですが、最も有名なのは、1952年の同名の映画で、ジーン・ケリーが雨の中を歌って踊る映像でしょう。CMで使用されたのは、『踊るリッツの夜』でおなじみのタコが歌ったカバー曲です。
いすゞジェミニのCMでは、1986年の「街の遊撃手。」で起用されました。正にジーン・ケリーのように、雨の中を2台のジェミニがくるくる回転しながらスリップする、踊るような映像が印象的です。
『軍隊行進曲』
『軍隊行進曲』は、オーストリアの作曲家、フランツ・シューベルトが作曲したピアノ連弾曲です。正式には『3つの軍隊行進曲』という名称で、最も有名なのがこの中の第1番(アレグロ・ヴィヴァーチェ)です。ピアノ曲ではありますが、CMのような管弦楽編曲もあります。
いすゞジェミニのCMでは、1987年の「街の遊撃手。」で起用されました。これまでの "踊る曲" と違って、今回は "行進曲" です。この頃から、片輪走行のようなアクロバットなスタントが見え始め、その後エスカレートしていくことになります。
『ブルー・タンゴ』
『ブルー・タンゴ』は、アメリカの作曲家、ルロイ・アンダーソンの作品です。1952年に発表され、全米シングルチャートでは、5週ナンバーワンに輝いただけでなく、年間1位まで獲得しました。日本でもおなじみの作曲家で、『そりすべり』、『シンコペイテッド・クロック』、『タイプライター』などが有名です。
いすゞジェミニのCMでは、1987年の「街の遊撃手」で起用されました。この時からキャッチコピーの最後の句点(。)が取れています。ジェミニが4台になって、タンゴのリズムに合わせて踊るように回転する様子や、最後に同時にお尻を上げてポーズを決める様子など、動きが派手になったのが特徴です。
『ラデツキー行進曲』
『ラデツキー行進曲』は、ヨハン・シュトラウス1世が作曲した行進曲です。ヨーゼフ・ラデツキー将軍を称えて作られた曲で、近年では、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるニューイヤーコンサートのアンコール曲として知られています。
いすゞジェミニのCMでは、1987年の「街の遊撃手」で起用されました。10台前後の真っ赤なジェミニが、あたかも "集団行動" の演技をするかのように、タイミングをとってシンクロしながら走る様子が壮観です。
『トルコ行進曲』
『トルコ行進曲』というと、モーツァルトのピアノソナタが有名ですが、本曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの作品で、『アテネの廃墟』という劇付随音楽の第4曲にあたります。
いすゞジェミニのCMでは、1987年の「街の遊撃手」で起用されました。『ラデツキー行進曲』の曲と同様、真っ赤なジェミニが10台シンクロしながら走る様子が印象的です。
『オー・シャンゼリゼ』
『オー・シャンゼリゼ』は、日本では、1969年にジョー・ダッサン、1971年にダニエル・ビダルの曲がヒットし、日本語でも多くカバーされた曲です。タイトルは "シャンゼリゼ通りで" という意味ですが、実は、原曲は英語の『ウォータールー・ロード』で、ロンドンの "ウォータールー通り" を指していました。フランス語に訳す際、フランスがイギリスに敗れた「ワーテルロー(ウォータールー)の戦い」を彷彿させることから、通りを変更したと言われています。
いすゞジェミニのCMでは、1988年の「街の遊撃手」で起用されました。2台のジェミニが、街を縦横無尽にバックしたり回転したり、さらには地下鉄の階段を降りてホームを走ったり、とやりたい放題の映像が印象的です。
『女学生』
『女学生』は、"フランスのワルツ王" の異名を取るエミール・ワルトトイフェルの作品で、『スケーターズ・ワルツ』と並ぶ彼の代表作です。ただ、”女学生" というのは誤訳で、正しくは "学生の楽団" という意味を表しています。
いすゞジェミニのCMでは、1989年の「街の遊撃手」で起用されました。4台のジェミニが一体となってタイミングよく回転する様子や、最後はエッフェル塔をバックにドリフトして停車する様子が印象的です。
『子象の行進』
『子象の行進』は、1961年にヘンリー・マンシーニが映画『ハタリ!』用に書いた挿入曲で、60年以上経った現在も巷でよく聴かれる曲です。実は、日本語詞の付いた曲があり、木の実ナナがシングルで、田中星児が「みんなのうた」で歌っています。因みに、ヘンリー・マンシーニは『ティファニーで朝食を』や『酒とバラの日々』なども有名です。
いすゞジェミニのCMでは、1989年の「街の遊撃手」で起用されました。2台のジェミニが街中を休みなく片輪走行するスタントは衝撃的です。