定番のおでかけスポット
昭和のデパートには欠かせなかった屋上遊園地。お父さん・お母さんの買い物にお付き合いをした後は、大食堂でお子様ランチを食べて、そして屋上のミニ遊園地に。これが当時の子供たちの、何よりの楽しみだったのです。
昭和30年代初めより昭和40年代といえば、今のような様々な娯楽がなかった時代。大人なら映画館で映画を見ることが一番の楽しみであり、子供たちは大食堂と屋上の小さな遊園地が最大のお楽しみスポットでしたよね。今でいうなら、ファミレスで食事をしてゲームセンターで遊ぶようなものでしょうか。
子供たちの天国

銀座松屋の屋上
屋上遊園地 - Wikipedia
百貨店でのショッピングも終わり、最上階から階段で屋上に向かいます。だんだんと屋上の風景が見えてくるとき、まさに子供たちの期待がマックスになる瞬間。屋上のホールから外に出ると、そこはもう天国。現在のテーマパークのような絶叫マシンなんてありもしませんが、ゆっくりと走る電車や車が訪れる全ての天使たちを、夢の国に連れて行ってくれるのです。
そして、固定式の乗り物も乗り放題。単純な動きしかしませんが、それでも当時まだ小さかった私たちは充分に満足したものです。いっぱい楽しんだ後は、テラスのテーブルでクリームソーダやソフトクリーム。当時は高層ビルもなく、屋上から見る絶景を見ながらのおやつタイムは、まさに至福の時間でした。
絶滅危惧種になってようやく注目
そんな子供たちの至福のスポットも、時代が進むにつれてどんどんと姿を消していきました。今ではもう数えるばかりになり、当時の屋上遊園地を知る者にとっては寂しい限りですね。
今では絶滅危惧種となってしまった貴重なスポットですが、それでも親子連れのお客様が訪れているそうです。更には若者たちが新しい遊び場として来る姿も見られ、その数も増加中なのだとか。近年、メディアで取り上げられたりもして、崖っぷちに追い詰められて、ようやく注目を集めるようになってきました。
今後の心配
完全に消滅しかかっていたデパートの屋上遊園地。当時を再発見できる場として、復活をしてほしいですね。そのためには、関係者の皆さんの努力も大変なもので、相当なご苦労を掛けている様子。特に、子供たちが安全に遊べるように行うメンテナンスは、機械の老朽化もありかなり気を使っておられます。
そして遊具の製造元も廃業・修理技術者の減少・修理のための部品が困難など、今後の運営で心配になることもたくさんあります。そんな不安材料を解消するためにも、また大勢の人で溢れて需要が高まれば、供給側もまた新規業者などが増えるかも。皆さんで昭和レトロが堪能できる屋上遊園地にでかけましょう。