猿岩石 ユーラシア大陸横断ヒッチハイク旅。29日目、タイ入国、ちょっとズルしたミャンマー、情熱の国インド、そしてネパールへ

猿岩石 ユーラシア大陸横断ヒッチハイク旅。29日目、タイ入国、ちょっとズルしたミャンマー、情熱の国インド、そしてネパールへ

アジアは、香港、中国、ベトナム、ラオス、タイ、ミャンマー、インド、ネパール、パキスタン、イラン、トルコ。ヨーロッパは、ブルガリア、ルーマニア、ハンガリー、オーストリア、ドイツ、フランス、イギリス。野宿、絶食当たり前、あるときは山を登り、あるときは川を渡り、あるときは砂漠をこえる「香港-ロンドン ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」旅。


55日目、6月6日、トラックは、荷台の男性の友人が経営する工場があるというカルカッタから300kmのダンバードへ到着。
さっそく荷台の男性と一緒に経営者の男性を訪ねると、見事に雇ってもらえることになり、車に乗せられ15分、カレーの中に入れる各種の豆を精製する工場「ドルガ・ブランド・ビーンズ・ファクトリー」に到着。
工場長は
『明日からにしましょう』
といい、工場内に寝床を確保してくれた。
こうして住み込みで働くこととなった2人は
「よかった」
「ある程度金が貯まったらいこう」
と喜び、日も暮れぬうちから爆睡。

翌朝、7時に起床。
従業員が出勤してきて8時に仕事開始。
まず倉庫にある1袋50kg以上もある豆袋を引っ張り出して所定の場所に移動。
次にそれを1袋ずつ天秤に乗せていく。
計量カップを持った人が、豆を減らしたり足したりして、一定の重さになった袋を別の所定の場所に持っていき並べていった。
午前中は、この袋詰めの作業で終了。
午後は、その袋をトラックに積み込む作業。
それが終わると粉状になった違う種類の豆の袋詰め作業。
17時、屋上に上がって丸一日干してあった豆をスコップで集める作業。
18時、集めて山になった豆にシートをかけて1日の仕事終了。
かなりの重労働に
「オオッ、1日の仕事が終えたって感じ」
と充実感を味わう森脇の横で、有吉は
「ハアッハアッ」
と汗まみれで息を切らしていた。
2人は工場内の井戸で水をくみ上げて、頭からかぶってきれいさっぱり。
「ああ、気持ちイイ!」
給料は日払いで、2人で工場長から120ルピー(420円)をもらい、さらにまかないつきでタダでカレーを食べさせてもらった。
「明日も頑張ろう」

2日目、仕事の流れがわかった2人は黙々と作業をこなしていった。
夕方、仕事が終わると工場長がやってきて日当を渡してくれた。
「ありがとうございます。
120ルピー、たしかに・・・」
お礼をいう森脇に工場長は、もう120ルピーを差し出した。
「これは?」
『土日は倍払うよ』
なんと休日出勤手当。
「すっげえ、いい仕事だ」
2人はハイタッチを交わし、満面の笑顔。
アルバイト5日目、夕方に屋上の豆を集め終える作業を終了し、5度目の日当を受け取ると

金曜日 120ルピー
土曜日 240ルピー
日曜日 240ルピー
月曜日 120ルピー
火曜日 120ルピー

と840ルピー貯まった。
「大金だ」
と喜んでいるところに工場長がやってきた。
『ここからどこに行くんだったっけ?』
2人が旅の途中であることを知っている工場長は、西の方角へ荷物を受け取りに行くトラックが出発すると教えてくれた。
『それに乗っていったらどう?』
これを逃す手はない。
急遽、旅立つことにした2人は、世話になった従業員仲間にあいさつして回った。
『ちょっと待って』
工場長はトラックの荷台に乗り込もうとする2人に100ルピーずつ餞別を渡した。
「サンキュー、ベリマッチ」
夕方、工場を出てダンバードを後にしたトラックは、夜通し走り続け、翌朝9時、400km離れたムジャハプールという街に到着した。

14時間、荷台で寝ていた2人は、降車するとすぐに首都の
「 DELHI(デリー)」
と書いた紙を掲げたが車は見つからない。
そこで少し手前の
「GORAKHPUR(ゴラクプール)」
に変更したが、2時間経っても車は停まってくれない。
そこで奥の手、袈裟に着替えて僧侶に化け、行き先もさらに手前の
「MOTIHRI(モテハリ)」
にした。
するとすぐに1台の乗用車が停まった。
『お坊さん、巡礼ですか?』
「イエス、ノー・マネー」
『いいですよ!』
袈裟の効果てきめんでヒッチハイク成功。
3時間後、停車し、どうやら到着した様子。
助手席の男性は後ろを向いて
『ネパールとの国境まで来ましたよ』
後部座席の有吉は驚いて
「ネパール?」
『Yes』
「ネパールって・・・
オイッ」
有吉は後ろを向いて荷物の準備をしている森脇を肘で突いた。
「うん?」
「ネパールだって」
「ウソッ?
ネパー・・・
ウソン!」

車はモテハリを北に通り過ぎ、ネパールとの国境の街、ラクサウルまで来てしまっていた。
運転手によると、インドのお坊さんはモテハリを経緯して、このラクサウルからネパールに入り、カトマンズに巡礼に行くので、気を利かせて連れてきてくれたという。
しかしこれは猿岩石にとっては有難迷惑。
イギリスまでユーラシア大陸を横断するなら、真っすぐに西に、デリーからパキスタンに抜けたほうが近道。
袈裟が仇となった形だが、これも仏の導きか。
有吉は
「じゃ、もう行こう」
と半ばヤケでネパール入国を決定。
まずインド出入国管理事務所で出国の手続き。
『モンク(お坊さんですか)?』
「ノー・モンク」
「モンクマニア」
『・・・?』
続いてネパール出入国管理事務所で入国手続き。
『15ドルです』
とビザ料金が1人、15ドルといわれ、所持金1000ルピーのうち、2人で930ルピーを払って、残金は70ルピーになった。
森脇は
「あの財布の金、全部なくなるんだ」
と嘆いたが 、係員に
『ヨウコソ』
と日本語で歓迎され、苦笑い。

こうして64日目、6月15日、8ヵ国目、ネパールに入国し、国境から3㎞離れたネパール南東部最大の都市、ビルガンジへ。
翌6月16日、首都、カトマンズ入り。
カトマンズまでのヒッチハイクでトラブルが起こった。
「あんときは俺達は無一文で」
(有吉)
「そう!
ちゃんと『ノーマニー』『OK』つって乗って、まあ、ネパールに着いたら、『マニーマニー』」
(森脇)
「『僕たちはないよ』っていったら
『わかってる、お前達はいいよ。
カメラ持ってるアンタ、金持ってるでしょ。
君、払いなさい。
あなたはタダで乗せるとはいってません』って」
同行スタッフが、お金を巻き上げられるのを2人は大笑いしてみた。

カトマンズのダルバール広場(ダルバール・スクエア)は、チベット仏教の寺院が集中し、芸術家が製作した作品も数多くあった。
2人は1つのお寺の境内に入り、
「ここ大丈夫そうだな」
と寝床を決定。
寺の近くにデュンゲ・ダロという公共の井戸を発見すると、インドの豆工場以来、4日ぶりに体を洗い、衣類も自然と覚えた「踏み洗い」
その後、寺で眠った。


翌朝、起きたものの無一文で飲み物さえ買えず、ただ境内に座ってたたずんでいると
『オイ、猿岩石!』
と日本語で呼ばれ、段ボール箱を持った番組スタッフが現れた。
『なんでお前らネパール行くんだよ』
このお怒り気味のスタッフは3人目の同行スタッフとなり、2人目は帰国していった。
『ネパールから持ってきたよ』
といって3人目の同行スタッフに渡された段ボール箱は、松本明子からの救援物資第2弾だった。
「やったー」
「なんだろ」
2人が喜んで受け取って開けると、中身は大量の「ひっつきダコ」
正式商品名「マジックオクトパス」
お祭りの出店や駄菓子屋で売っている日本おもちゃ界のの隠れたヒット作だった。
「コレ、売れってことなの?」
「コレは前(空手ショーセット)よりいいよ」
2人は早速、街の広場にいき、店を構えた。
Aタイプに15ルピー、Bタイプに10ルピーの値段をつけた。
すぐに人が集まり、商売開始。
「ジャパニーズ、タコペッタンショー」
1人がガラス板を立てて持ち、1人がタコをひっつける。
そして
「オートトトトッ」
タコがガラスから離れずにペタペタと回転しながら落ちる様を実況。
最後に
「どうですかぁー」
日本のひっつきダコは、ガラスだけでなくネパールの人々の心もしっかりキャッチ。
順調に売れた。
「サンキュー、ありがとう」
「どっち?
2つとも!
センスあるねえ」
買ってもらうとお礼とヨイショを忘れない。
ある程度売れると店じまいし、売り上げを手にメシ屋へ。
代金20ルピーを払い、寺の境内に戻り、残金を計算すると425ルピー(810円)
「これは結構な金だぞ」
「明日も全部売る感じでいこう」

味をしめた2人は、翌朝、昨日と同じ広場へ。
捨ててあるのか置いてあるのかわからない板を
「借りちゃおう」
といって持っていき、昨日でAタイプは売れてしまったのでBタイプをその上に陳列。
「これも役に立つだろう」
と有吉はリュックに大切にしまっていた襟巻を板の上に置いて装飾を施した。
その上、2人は空手着に着替えて気合を入れた。
人が集まると昨日同様、実演販売を開始。
しかし今日は客の反応が悪くサッパリ売れない。
「なんかヤバイな」
「妥協する?」
日本語で相談し値下げを決定。
「OK。
1ピース、5ルピー」
一気に半額になったひっつきダコBタイプは勢いよく売れ出し、15分で完売。
寺の境内でこの日の売り上げを計算すると220ルピー。
2日間トータルで665ルピーの現金を得た。

太っ腹な2人はステーキレストランへ。
「アッコさん、いただきます」
と一礼してから豪華な晩餐をとった。
会計が213ルピー(430円)と知っても
「今日の売り上げ、全部飛んじゃったな」
「まあいいんじゃない」
と余裕のヨッちゃん。
寝床である寺の境内に戻り
「落ち着くわ、ここ」
と寝ころんだ有吉だったが、30分後には異変が。
「マジでモラすよ。
このままだと」
タコを売った金で牛を食った祟りか、どうやら食当たり。
チベット仏教の寺院が集中するルバール広場で、ゲリの野グソはマズい。
2人は野宿をあきらめ、トイレのあるホテルへ急いだ。
「ハァー、ファー、遠いよ」
有吉は泣きそうな顔をしながら歩き、なんとか安宿「MUSTANG COTTAGE」に到着
森脇がフロントで手続きをしているとき、有吉は有吉は、トイレにかけ込んでギリギリセーフ。

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