デンジャー・ゾーン(1986年)

今年トム・クルーズの出世作『トップガン』(1986年)の続編が36年振りに公開されました。その名も『トップガン マーヴェリック』。名作との呼び声高い本作の大ヒットを受け、オリジナル版の主題歌、ケニー・ロギンスが歌う「デンジャー・ゾーン」が再びリバイバル・ヒット中!
『トップガン』といえばやはりこの曲ですよね。続編の空前の大ヒットにより今では親子で共有できる人気楽曲の1つとなりました。ちなみに『トップガン マーヴェリック』の主題歌はレディー・ガガの「ホールド・マイ・ハンド」。こちらもまた名曲です!
ダイアモンド / M

続いては80年代から90年代初頭にかけて大人気だった5人組ガールズバンド、プリンセスプリンセス(通称:プリプリ)の「ダイアモンド」です。令和に入ってからエースコックの「スープはるさめ」など2社のテレビCMに起用されたことがキッカケで、若者たちにも親しまれる1曲となりました。ボーカルの岸谷香さんから放たれる明るくてポップではじけるような歌声は、いつの時代も聴く人に元気なパワーを与えてくれますよね。
そしてB面ながらプリプリの名バラードとして知られる「M」もまた、その歌詞の奥深さや切ないメロディーが再び多くの若者の心を捕らえて離さないのです。
15の夜

シンガーソングライター尾崎豊さんのファーストシングル「15の夜」もまたリバイバル・ヒットしている80年代ソングの1つです。キッカケは短い動画をシェアできるSNSの一種、「TikTok(ティックトック)」。歌詞にある「盗んだバイクで~」の部分にフリを付けて踊る、踊ってみた動画が、特に中高生の間で流行っているという。
当時「10代の教祖」と評され、同世代を中心に絶大な支持を得ていた伝説のロックスター尾崎豊さん。彼の死後30年が過ぎた今もなお、その圧倒的なカリスマ性と音楽的魅力は衰えることなく、令和に生きる若者の心にも響き続けている模様です。
赤いスイートピー

80年代を代表するトップアイドルといえばやはり松田聖子さんですよね。近年インターネットやスマートフォンの急速な普及、そしてSNSや動画共有サイトが当たり前となった時代の中で、令和の若者たちにも昔の音楽がより身近な存在として耳にする機会が増えました。それにより再び昭和のアイドルブームも到来しています。聖子さんの「赤いスイートピー」も再評価されている80年代アイドルソングの1つ。彼らにとっては親世代のアイドルであるため、リアルタイムでは知らないからこそ、逆に新鮮な気持ちで聴けているのかもしれませんね。
ロマンスの神様

そして近年流行しているリバイバル・ヒット・ブームの火付け役となっているのが広瀬香美さんの大ヒット曲「ロマンスの神様」(1993年)です。キッカケはやはり「TikTok」。ダンサー兼振付師のタイガさんが「TikTok」にて「タイガの振り付け」というアカウントを運営し、さまざまな楽曲に合わせた振り付け動画を投稿。するとそれを真似して踊る若者たちが急増し、さらにそこから楽曲人気へと繋がったことでリバイバル・ヒット現象が巻き起こっているのです。
私たち世代にとっての「ウィンターソングの定番」が、また新たな世代へと受け継がれていくというのは何とも素敵なことですね。ちなみに「ロマンスの神様」は『TikTok2022 上半期トレンド』の大賞にも輝いています。
接吻 Kiss

「タイガの振り付け」からリバイバル・ヒットした楽曲は他にも、1993年にドラマ『大人のキス』の主題歌として制作されたOriginal Love(オリジナル・ラブ)の「接吻 Kiss」などがあり、同曲もまたタイガさんの振り付け動画がキッカケとなり、令和世代の若者たちに広く知られることとなりました。今や「接吻」は「ロマンスの神様」と同じくリバイバル・ヒット・ブームの強力な火付け役であり、またそれを後押しした「TikTok」はまさに新時代の流行発信源ですね。
愛のしるし

1998年にヒットしたPUFFY(パフィー)の「愛のしるし」は、女優で歌手の森七菜さんが2022年8月にリリースしたフルアルバム「アルバム」の中でカバーしたことがキッカケで若者に注目されたといわれています。その後、5人組ダンスクリエイターの「Hoodie fam」が同曲に合わせたオリジナル振り付けを「TikTok」上で公開し、それが拡散されたことで、新たな広がりをみせているのです。やはりスピッツの草野マサムネさん(作詞・作曲)と奥田民生さん(編曲)の豪華コラボは最強ですね。
丸の内サディスティック

そして令和世代のティーンたちに絶大な支持を受けているのが、シンガーソングライター・椎名林檎さんが1999年に発表したアルバム『無罪モラトリアム』に収録されている「丸ノ内サディスティック」です。シングルカットはされていませんが、そのアーティスティックな世界観や歌詞に魅了される若者多数。99年から現在までロングヒットが続いている中で、さらに現代の若者にも、その良さが広まったという印象です。そしてさまざまなアーティストたちによってカバーされているということもまた、楽曲を知る1つのキッカケとなっているのではないでしょうか。
あとがき
「良い曲は時代を超える!」。ネット社会が進み、便利な世の中になった反面、CDが売れない時代へと突入しました。私たちの世代にとっては少しだけ寂しさを感じる今日この頃ですが、こうして昔の音楽が新たな形で現代の若者たちに再評価されていると聞くと、何だか嬉しくなりますね。