【訃報】ノンフィクション作家・佐野真一さん死去。
ジャーナリスト、ノンフィクション作家として「旅する巨人」「東電OL殺人事件」などの著作で知られる佐野真一(さの しんいち)さんが26日、肺がんのため亡くなっていたことが明らかとなりました。75歳でした。
第一報はこちらです!
佐野さんは1947年、東京都葛飾区出身。早稲田大学第一文学部を経て音楽出版社に入社、その後フリーのジャーナリスト・ノンフィクション作家となり、1997年には民俗学者・宮本常一と渋沢敬三の生涯を描いた「旅する巨人」で第28回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。また2000年には1997年に発生した殺人事件を追った「東電OL殺人事件」を執筆するなど、幅広い分野で活躍していました。
90年代後半のミステリー「東電OL殺人事件」とは?
佐野さんの名を一躍有名にした、1997年3月19日に発生した殺人事件「東電OL殺人事件」。この事件では、被害者である東京電力のエリート女性社員が昼間の会社員の顔とは別の「夜の顔」を持っており、そのことが当時ワイドショーなどで報じられ、センセーショナルに書き立てられました。
事件現場となった渋谷区のアパート。

東京電力初の女性総合職として入社した被害者の女性ですが、夜は「売春婦」としての顔を持っており、渋谷109で着替えしていたことなどが警察の調べで明らかとなっています。「エリート社員が売春をやっていた」という意外性に加え、さらに売春相手による「骨と皮だけのような体だった」との証言など、被害女性について様々な憶測が飛び交うこととなりました。

様々な憶測の中、警察は近隣のネパール人男性を逮捕。この男性は被害女性の売春相手でもあり、事件は解決と思われました。しかし、DNA鑑定によりこの男性の無実が確定。多くの謎を残したまま、事件は2022年現在も迷宮入りとなっています。
事件を扱った作品の数々!!
「東電OL殺人事件」ですが、その特異性から事件発生直後から様々なメディアで作品化されており、佐野さんの執筆したノンフィクション「東電OL殺人事件」をはじめ、鳴海章による小説「鹹湖 — 彼女が殺された街(1998年)」、水野美紀主演・園子温監督による映画「恋の罪(2011年)」などが制作されています。

「東電OL殺人事件」をはじめとした様々な社会問題に対し、ジャーナリスト・ノンフィクション作家という立ち位置から迫っていた佐野さんの功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。
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