TEAM NACS 結成秘話 5人の出会い

「TEAM NACS」はメンバー全員が北海道出身で、北海学園大学の演劇研究会の先輩後輩で結成されました。
大学への入学は、1990年「森崎さん」→1992年 現役で「安田さん」→1993年 一浪で「戸次」さん→1994年 二浪で「大泉さん」現役で「音尾さん」
当時 部員が少なかった演劇研究会ですが、森崎さんの入部に続いて入学順に入部 1994年に大泉さんと音尾さんが入部し5人が顔を揃えます。
出会った時の印象はお互いあまりよくなかったそうで、特に大泉さんは今のように明るいキャラでなかった為、他のメンバーからは「なんだあいつ!」と最悪の印象でした。
音尾さん曰く「大泉さんなんてのは、今でこそこんな陽気におしゃべりなさりますけど、出会った時はまったくしゃべらないし、笑いもしないし、ブスッとして雰囲気悪かったんです。」
これには大泉さんなりの理由があり大学へ二浪して入った大泉さんは、同級生が年下で同い年が先輩という状況に馴染めなかったそうです。
今の大泉さんからは想像できませんが、シャイだったのですね。
そんな最悪な大泉さんに転機が・・・
あるとき大泉さんがアニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」のラストシーンを完璧に再現してみせたことで、「あれ? めっちゃ面白くない? こいつ」と全員が大泉さんのスター性に気がつき、5人の距離は徐々に縮まっていきます。
1996年3月 当時、森崎さん 戸次さん 大泉さん 音尾さんが所属していた「劇団イナダ組」の予定されていた公演が延期となり「押さえてあった劇場で公演をやったらどうか」との提案を受け 、卒業制作の発表を決める。
2回留年した森崎さんとストレートの安田さんが卒業のため、卒業制作として「LETTER〜変わり続けるベクトルの障壁〜」を札幌の小劇場で公演。
旗揚げ解散公演と銘打ち1回限りのユニットとして「TEAM-NACS」が結成され即 解散しました。
TEAM-NACS 再結成
森崎さん 安田さんの大学卒業とともに解散した「TEAM-NACS」ですが、1997年8月に再結成。
森崎さんは東京の証券会社に、安田さんは地元の総合病院の事務職に就職されていましたが、どちらも1年にならないうちに退職され、森崎さんの呼び掛けで又 メンバー全員が集まる事に。
ただ、この時 演劇を続けるか就職するか決めかねていた大泉さんは相当悩まれたそうですが、森崎さんからの「人生なんとかなる」という言葉を信じてチームに合流。
今となっては「なんとかなる」どころか大成功ですよね。
「RECOVER〜描き続けるもう一つの結論〜」で復活公演。
再結成後、1998年「FEVER〜眺め続けた展望の行方〜」で正式に演劇ユニットとして活動を開始し以降、札幌でおよそ1年ごとに舞台公演を行う。
1996年から2002年までレギュラー放送された北海道テレビの「水曜どうでしょう」に大泉さんがレギュラーで、安田さんが準レギュラー、その他メンバーもゲストで出演。
この番組がヒットし、大泉さん目当てに演劇に関心のない人にもナックスの公演が注目され知名度が上がっていきます。
2000年代初め北海道内で圧倒的人気を確立し東京へ進出

2004年5月「LOOSER ~失い続けてしまうアルバム」で東京進出。
全21ステージ
動員数:11,600人+3,800人(アンコール)
スターへの道を歩み始めた「TEAM-NACS」ですが、東京進出へは不安があったようです。
東京でやるのが怖かった。僕らはライバルのあまりいない北海道でやっていた“こそこそグループ”でしたから。プレッシャーから解放されたくて、『修学旅行気分でディズニーランドに寄って帰ります』なんて言っていた」
と、森崎さんが当時の心境を語られています。
とはいえ、大成功だった東京初公演を機に、
2004年12月15日 大手芸能事務所「アミューズ」と業務提携し全国展開へ。
北海道内では「CREATIVE OFFICE CUE」が、以外は「アミューズ」が手がけ活動が活発になっていきます。
2005年10月から「TEAM」と「NACS」の間のハイフンが取れ現在の「TEAM NACS」の表記となる。
「NACS」の由来は「North (北の)Actors(役者の) Club(集まり) Special(特別な)」の頭文字からきているという後付けの設定がある(笑)ようですが、本当のところはメンバーの森崎さんがお芝居の練習中に「ノックス」という単語を力を込めて発声したところ、それが「ナックス」に聞こえ暫く演劇研究会の中でブームになったところからきているそうです。
ちなみにメンバーカラーもあります。
森崎さん : 青
安田さん : 緑
戸次さん : 赤
大泉さん : 黄
音尾さん : 黒
なんだかジャニーズアイドルみたいですね(笑)
HISTORY(過去の公演) | TEAM NACS Official web site
ナックスとしては公演のたびに動員数を増やしメンバー全員が揃う冠番組を持つ一方、各メンバーがテレビや映画へ出演。
かつては”大泉洋”さんの存在がひときわ目立っていて、大泉さん自身も「ナックスの客寄せパンダ」という自覚があり「ナックスが大きくなるためなら、できることをいくらでもやろう」と思われていたそうです。
が、現在は・・・
「TEAM NACS」は全員がパンダ状態!
個人の活動も活発です。
全国区となった「TEAM NACS」 メンバーの思いと最新情報

森崎博之
森崎さんは「TEAM NACS」の中で最年長でありリーダー、脚本と演出を担当。
「まとめない、引っ張らない、すごくないリーダーです。」と謙遜されていますが、メンバーの中で唯一 北海道に拠点を置き「そこが僕たちの原点だから。フィールドに出る仲間の後ろで守る、ゴールキーパーのような存在でありたいんです。」と語られています。
そんな森崎さんの活動は、不定期で全国ネットのドラマやバラエティに出演される事もありますが、ほぼ北海道でのローカルなお仕事になっています。
2008年4月からスタートした農業番組「森崎博之のあぐり王国北海道」がきっかけで、北海道フードマイスターやご飯ソムリエなどの資格を取得し、自称「農業タレント」として農業や食育に関する活動や講演も行っておられます。
あぐり王国北海道NEXT|HBC北海道放送
安田顕
賑やかなナックスのメンバーの中では、チョッと寡黙な感じがする安田さん。取材などでコメントを求められた時も1人だけトーンが低く渋い感じがしています。
その渋い声のコメントがすべっているのが面白いです(笑)
「僕がやいのやいの言っても、誰かしら何か言ってくるから。それに、たとえば稽古で煮詰まっても、本番までに何とかするやつらだってことは長年の付き合いでわかっているし。信頼しているんです。口に出しませんけどね。」
と語られている安田さんにとって「TEAM NACS」は、「素に戻れる場所」なのだそうです。
「ヌーディスト安田」(お酒に酔うとすぐに脱ぎ出す)の異名を持つ安田さんは、自他共に認める変態キャラで、バラエティ番組でも破天荒な行動が受けています。
大泉さん曰く「想像もできない発想と爆発的な面白さがある。困ったら安田が何か笑わせてくれると思っている」
バラエティ番組で大活躍されていた安田さんですが、2006年 NHKのドラマ「次郎長 背負い富士」で全国ネットの連続ドラマに初出演して以降、俳優としての地位を確立されています。
ドラマや映画で変幻自在に幅広い役を演じ、主演でも脇役でも存在感の大きな役者さんとして光っておられます。
現在放送中のドラマ「PICU 小児集中治療室」では、主人公「志子田武四郎(演 - 吉沢亮)」が奮闘する北海道の丘珠病院に新設されたばかりのPICU(小児集中治療室)の丘珠病院PICU科長「植野元」を熱演されています。
個性的なキャラクターもなんなくこなす安田さんですがこのドラマでは、おだやかな口調のまま魂のこもった目の演技で説得力を持たせ、
「ヤスケン最高」「底知れない表現力に感動しました」「ヤスケンさんの温かい人間力溢れる演技よ」など絶賛されています。
温かく包み込むような優しさを感じるヤスケンさんの演技に今後も注目ですね!
主人公「山本幡男(演-二宮和也)」の人間形成に大きな影響を与えた同郷の先輩「原幸彦」役を演じられています。
吉沢亮×宮崎あおいW主演、坂元裕二脚本 Netflix映画『クレイジークルーズ』製作決定|Real Sound|リアルサウンド 映画部
ゴッドファーザーの息子「久留間道彦」役で出演されます。
公開日は未定
戸次重幸
「一人の時はいい評価はじぶんのおかげ悪いのは自分のせい、というわかりやすい方程式がありますよね。それが、チームの場合には評価がよかったらこいつらのおかげ、悪かったらこいつらがなんとかしてれくれる、となる。野球と一緒で、たとえ自分が打てなくても誰かが打てば勝てるんです。」
と語られている戸次さんも又、現在 東京でのお仕事を中心に活躍されています。
2005年に放送された「1リットルの涙」で全国ネットの連続ドラマに初出演し以降は、ドラマや映画にも出演。
黙って立っていればイケメンなのに、数々の残念なエピソードがあるため「ミスター残念」との異名をもつ戸次さん。
ちなみに「ミスター残念」No2は安田さんだそうです。
現在 NHK総合「SONGS」(ナレーション)にレギュラー出演中。時々 お顔を観ることもあります。
SONGS - NHK
大泉洋
「ナックスというのは僕が大学に入って、腐ってはいけない!と踏み出したときに出会った特別な仲間なんです。しかも面白く魅力的な奴らなので、その魅力を世の中の人にわかってほしいという思いがあったんですよね。だから『水曜どうでしょう』の大泉洋というキャラで客が呼べるなら、という感じでした。」
と、大泉さん。
その努力の甲斐あって、今や「TEAM NACS」の公演は大盛況で個々の活躍もめざましいですね。
大泉さん自身はというと、言わずと知れた「大河俳優」にまで上り詰められています。
「全部大泉のせい!」というワードが飛び交う程、現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で”源頼朝”役を熱演されていました。
「全部大泉のせい!」については、「鎌倉殿の13人 ウラ話SP 」で大泉さんらしい解説がされています(笑)
そして年末には、
大泉洋『紅白歌合戦』3年連続司会 「圧倒的に最高な紅白になるよう全力」と意気込み | ORICON NEWS
妻と娘を不慮の事故で亡くす主人公「小山内堅」を演じておられます。
山田洋次監督の映画最新作『こんにちは、母さん』吉永小百合主演で、息子役に大泉洋を迎え2023年9月1日(金)全国公開決定 - SCREEN ONLINE(スクリーンオンライン)
音尾琢真
「もともと受け身なんだと思います。ただ、納得しないことには首を縦に振らない。芯は頑固で、それを囲むようにして柔軟な素材をいろいろ取り揃えている感じです。」と自己分析されている音尾さんは、強面ですがメンバーの中では最年少にして冷静で調和な人です。
キャッチコピーは「目と目の間は離れていても、アナタの心は離さない。」目の間が離れていることから大泉さんに提案されたそうです(笑)
ナックスNo1の運動神経の持ち主で、舞台作品に関しては他のメンバーを押さえて一番 活躍されています。
映像のお仕事では、大河ドラマに2度出演(龍馬伝、花燃ゆ)来年放送予定の「どうする家康」にも「鳥居元忠 」役で出演されます。
連ドラにも多数出演されていますが、2017年10月~12月に放送された「陸王」の監督役で音尾さんを知ったという方が多いのかなと思います。
映画でも話題作に沢山出演されていますよ。
【どうする家康】鳥居元忠役・音尾琢真さん~休みの日は三重で○○釣り? | NHK名古屋のおすすめ
雫が勤務する出版社の部長 役で出演されています。
豊臣秀吉役で出演されています。
「TEAM NACS」の魅力はゆるさと演技のギャップ
まず「TEAM NACS」は、出会えたことが奇跡の5人なんですよね。
学年がそれぞれ違うものの、浪人と留年によって5人が同時期に在学したことで演劇研究会で出会い、チームナックスが生まれています。
ローカル番組「水曜どうでしょう」や、現在もナックスのメンバー全員が出演する唯一のレギュラー番組として放送中の「ハナタレナックス」で北海道民の心をガッチリと掴みました。
観ていて思いっきり笑える、5人は肩の力が抜けていてゆる~い空気が漂っている。
北海道のスターといっても手の届かないスターではなく、近所のふざけた兄ちゃん5人がわちゃわちゃやっているような・・・
所がひとたび「演技」となると、そこに「近所の兄ちゃん」の顔はなく「すごい役者さんなんだ!」と心をもっていかれるのです。
特に、個々の活動が忙しい5人が揃う生の舞台公演で「TEAM NACS」の魅力は発揮されますが、5人が揃う「本公演」と言われる舞台は、数年に一度 開催されるかされないかの状態なので、プラチナチケットとなっています。
最年少の音尾が80歳になる2056年までは解散せずに続けたい!
奇跡が幾つも重なって、出会うべくして出会った5人。
長く一緒に活動していると不穏な空気が流れた時期もあったそうですが、お互いを尊重し程よい距離感を保ちながら「TEAM NACS」の絆は強いようです。
道民から愛され又、メンバー5人も北海道を大切にされているのが素敵ですね。
森崎リーダーの言葉の通り「最年少の音尾が80歳になるまで続けたい!」ぜひ叶えて欲しいです。
最後までおつき合い頂きありがとうございました。