【男子テニス】才能のカタマリ・ボリス ベッカーはなぜ時代を作れなかったのか?

【男子テニス】才能のカタマリ・ボリス ベッカーはなぜ時代を作れなかったのか?

爆発力のあるプレーで見るものを魅了したボリス・ベッカー。才能は素晴らしいものがありましたが、もっとブレイクしてもおかしくない選手でした。


ボリス・ベッカー

国籍:ドイツ 出身地:ライメン
1967年11月22日(47歳)
身長:190cm  体重:85kg

デビュー:1984年  引退年:1999年
ツアー通算:64勝  シングルス:49勝  ダブルス:15勝
生涯通算成績:967勝350敗  
シングルス:713勝214敗  ダブルス:254勝136敗

ウィンブルドン優勝・通算3回

ボルグやマッケンローといった選手よりもある意味ではウィンブルドンに愛されたプレーヤーとも言えるのではないでしょうか。
優勝は3回、決勝進出は85、86、88~91、95年の7回です。ウィンブルドンの勝利数は71勝を数えます。

4大大会優勝・通算6回

4大大会はウィンブルドンの3回以外にも全豪2回、全米1回優勝しており、通算6勝です。80年代後半から90年代前半までに5勝をあげており、ベッカーの全盛期と言える時期かもしれません。

96年の全豪優勝以降はグランドスラムの出場もほとんどなくなり、99年のウィンブルドン4回戦でラフターに負けたのが最後でした。

ツアー最終戦・優勝3回

ベッカーはATPワールドツアー最終戦のATPワールドツアー・ファイナルも優勝3回を誇ります。決勝進出の回数は8回、キャリア終盤の94~96年までは3年連続の決勝進出です。

ツアーファイナルはランキング上位8名の招待となる大会であり、その年の最終戦です。誰が勝っても不思議はないハイレベルの大会なのです。

ベッカーの8回を超えるのはレンドル(優勝5回)、フェデラー(優勝6回)の9回の2名のみです。
90年代最高のプレーヤーとも言われるサンプラスは6回の決勝進出、優勝3回です。

ライバル・エドバーグとの対戦成績

80年代後半から90年代前半、ベッカーの全盛期とも言える時期のライバルと言えばステファン・エドバーグです。
対戦成績は25勝10敗と大きく勝ち越していますが、ウィンブルドンの決勝では1勝2敗と負け越しています。

二人ともサーブ&ボレーのプレースタイルですが、サーブの優位はベッカー、ボレーのテクニックはエドバーグとプレーから受ける印象は全く違いました。
柔らかいプレーのエドバーグと豪快なプレーのベッカーという対比で緊張感のある試合を生み出していたと思います。

才能だけならNO,1・それでも時代を作ることができなかった理由

ボリス・ベッカーはこれほどの戦績を残しながらもランキング1位の在位期間は12週と非常に短い期間でした。
80年代後半から90年代前半は4大大会5勝とハイレベルな成績を残していながらも、ライバルのエドバーグの72週とは大きく差をあけられています。

才能なら一番と評価の高かったベッカーが何故、一時代を築くほどのナンバーワンになれなかったのか? これは謎です。

ベッカーは性格なのか、プレーにムラがありました。安定感と言うよりも爆発力というスタイルだったので、その日の調子によっては早いラウンドでの敗退も多くありました。

ウィンブルドンやツアー最終戦でも決勝進出の回数は多いものの優勝はその半分以下にとどまっています。
ベッカーほどの実力があればもっと優勝してもおかしくはないですし、88~91年のウィンブルドンは4連覇になっていた可能性は十分にありました。

勝ちきれなさ、安定感のなさがベッカーを一時代を築くプレーヤーにすることを阻んだと言えます。
それでも、ベッカーのプレーは10代だった私をわくわくさせてくれましたし、力強いサーブは憧れでした。

歴史に残るナンバーワンではありませんが、いつまでも記憶に残るプレーヤーであることは間違いありません。

現在は……

ジョコビッチのライバル、フェデラーのコーチはエドバーグ、今でもライバル関係ですね。

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