テニス界の異端児アガシがグランドスラム初優勝を果たした1992年ウィンブルドン

テニス界の異端児アガシがグランドスラム初優勝を果たした1992年ウィンブルドン

1992年のウィンブルドンで優勝したアガシの活躍。そして後に結婚するグラフとのエピソードを紹介。


テニス界の異端児「アンドレ・アガシ」

アンドレ・アガシ(Andre Agassi)

長髪がトレードマーク

グランドスラム『万年準優勝男』と呼ばれていた。

18歳にしてトッププレーヤーとなったアガシだったが、四大大会グランドスラムにおいては、1990年の全仏オープン決勝ではアンドレス・ゴメス(エクアドル)に、同年の全米オープン決勝ではピート・サンプラスに敗れる。
翌1991年の全仏オープン決勝では、少年時代からのライバルであったジム・クーリエに敗れて2年連続の準優勝に終わった。
そのため“万年準優勝男”と呼ばれていた。

ウィンブルドンを苦手にしていたアガシ。

アガシは1987年に1回戦で敗退し、その後1990年まで3年間もウィンブルドンには出場しなかった。

ウィンブルドン選手権(全英オープン)

派手なウェアで個性を売りにしていたアガシが白を基調としたユニフォームを条件にするウィンブルドンへの反発が1番の理由と言っていたが、実はそれ以上に大きな本当の理由は芝を極端に苦手にしていたからだった。

芝のコートではボールが低く速く飛んでいくため、ボレーが非常に有効な球となる。
また、球足が速いということはサーブの威力も倍増し、サーブ&ボレーは特に効果的である。
逆にストローカーにとって芝は追いつきにくい上に低くて打ちにくいという厄介なコートになる。さらに芝は禿げたりする事も多くイレギュラーバウンドが多いので早めにラリーを決めるネットプレイヤーが有利である。

そのため、当時はウィンブルドンにおいてサーブ&ボレーなしでは勝ち上がれないと信じられていて、男子においてはファーストサーブもセカンドサーブもサーブ&ボレーで戦うのが当たり前であった。

悲願の四大大会優勝を狙い臨んだ1992年のウィンブルドン選手権

白のウェアでプレーするアガシ

苦手であった芝のコートにもかかわらず、粘り強いストロークと他のコートよりも早くすべるサーブに対しても天才的なリターンで応戦。

準々決勝では、ウィンブルドンを過去3度制しているビッグサーバー「ボリス・ベッカー」に勝利。
スコアは4-6, 6-2, 6-2, 4-6, 6-3のフルセットに及ぶ大接戦であった。

準決勝の相手は天才ボレーヤー、「ジョン・マッケンロー」

決勝は、歴代最強サーバー「ゴラン・イワニセビッチ」

決勝の相手はクロアチアのゴラン・イワニセビッチ。
身長193cmの長身から繰り出される左利きの高速サーブが特徴。
通算サービスエース数10183本の歴代1位記録を保持している。

ウィンブルドンの常識を覆したアガシのウィンブルドン優勝

それまで、ビッグサーバーやボレーヤー以外にはウィンブルドンを優勝できないという常識を覆したストローカー、アガシの優勝。

これはどんな強力なサーブにも対応できるアガシの超人的な反射神経によるリターンがあるからこそで、例外中の例外だとも言われた。

悲願の四大大会初優勝を達成したアガシ。

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