ファミコンソフト【テニス】の概要
ファミコンソフト【テニス】は、1984年に任天堂より発売されたスポーツジャンルのゲームです。
任天堂から発売されたスポーツゲーム第二弾で(第一弾は1983年12月発売のベースボール)、シンプルながら本格的なテニスが楽しめるゲームとして人気のゲームでした。
後に開発・販売される様々なテニスゲームの元になったゲームと言われ、その後のテニスをテーマとした様々なゲームに影響を与えたファミコンソフトとして有名です。
ファミコンソフト【テニス】の売上本数
任天堂から発売されたテニスは、どれくらい売れたのでしょうか。
ファミコン初期時代、任天堂からは様々なスポーツを題材にしたゲームが発売されましたが、いずれもファミコン売上史上に名を残すメガヒットを記録しています。
1984年に発売されたテニスも例に漏れず、累計で156万本というミリオンヒットを記録したモンスターソフトとなっています。
有名なドラゴンクエスト(第一作)が150万本と言われていますので、いかに多くの方がテニスを購入したのかが判りますよね。
ちなみに、任天堂からメガヒットを記録したスポーツゲームには
●ゴルフ(246万本)
●ベースボール(235万本)
●サッカー(153万本)
などがあり、いずれも150万本を超える記録となっています。
ファミコンソフト【テニス】のゲーム内容
156万本も売れたテニスとはどのようなゲームだったのでしょうか。
ファミコン初期ソフトという事もあり、そのゲーム性は非常にシンプルなものでした。
まずは、実際のプレイ動画を見て頂きましょう。
ファミコンソフト【テニス】の操作方法
操作方法は至ってシンプルで
・十字キーでプレイヤーの移動
・Aボタンでコントロールショット(ネット周辺ではスマッシュ・ボレーに変化)
・Bボタンでロブショット(相手の頭上を越えていく高い軌道の球)
上記の通り、基本的には十字キーとA・Bボタンだけで誰でも楽しめる操作方法となっています。
(尚、サーブはトスアップされたボールが落ちてくるタイミングでAボタンを押下)
ボールを打ち返す方向は、ゲームキャラクターの位置やラケットの角度によって決定されるため、タイミングさえ覚えてしまえばある程度コントロールして打ち返す事が出来る仕様でした。
このラケットやキャラとボールの位置で角度が変わるシステムは、ほとんどのテニスゲームで採用されているため、テニスゲームの基礎を作った作品と言えますね。
ファミコンソフト【テニス】のゲームルール
ファミコンソフト【テニス】では、以下の2モードを楽しむ事が出来ます。
●SINGLES GAME
●DOUBLES GAME
シングルゲームは一人用で、CPUとの試合を行って楽しむモードとなっています。
対戦するCPUの強さはレベル1(最弱)から最大でレベル5(最強)の5段階から選ぶ事が出来るので、ゲームの腕に合わせて段階的に楽しめるよう設計されています。
一方、ダブルスゲームはテニスのダブルス同様に1Pと2Pがペアを組み、CPUペアと対戦をするモードです。
残念ながらプレイヤー同士の対戦は出来ず、あくまでもパートナーとして協力してテニスを楽しむ事でしか2人で遊ぶ事が出来ない仕様になっています。
基本的なルールはテニスと全く一緒で、3セットマッチで2セット先取により勝敗が決します。
テニスの基本ルールさえ知っていれば、ゲーム初心者でも楽しめる内容となっています。
各レベルではそれぞれ最大2連戦を行う事となり、2つの試合に勝利するとcongratulations!の文字と共にトロフィーと獲得賞金が表示され簡易的なエンディング画面を見ることが出来ます。
ファミコンソフト【テニス】の高レベルがやばい
対戦するCPUには段階的に選べる強さがありますが、高レベル帯のCPUがエゲつない強さとなっています。
基本的に、レベルが上がると何が違うのか?をまとめると
・ボールのスピードが速くなる
⇒レベル1では遅すぎるくらいですが、レベル5ともなれば事前にボールが飛んでくる場所を予測して動かないと追いつかないレベル。
・CPUのミスが減る
⇒得点が入るケースとして、低レベル帯はCPUのイージーミスに助けられますが、高レベル帯はほとんどミスをしなくなります。
・CPUの反応速度
⇒レトロゲームあるあるですが、機械特有の無慈悲な反応速度でまさしく「機械的」に点数を奪いに来ます。
特に最強レベルの5は、クリアするのが至難と言われる激ムズゲームへと変貌してプレイヤーを苦しめました。
実際にレベル5に挑んだプレイ動画を上げている方が居たので紹介しておきます。
返球されるボールスピードが上がり、プレイヤー側に求められるタイミングがシビアになり、CPU側はほとんどの球を拾ってくる高難易度ゲームです。
ファミコンソフト【テニス】の高難易度では、普通のストローク戦で勝利する事は至難と言っても過言ではありません。
ファミコンソフト【テニス】高難易度クリアへの道
レベル5のコンピュータを打ち負かすのはとても難しいですが、勝利へのポイントや技術がいくつかあります。
実際に、レベル5を相手に勝利しているプレイ動画がこちら
プレイ動画からも判るように、高難易度では通常のストローク戦でポイントが動く事はほとんどありません。
勝利の鍵となるのは
●正確な返球
●ロブで相手をかわす判断力
●チャンス時にネットへと素早く詰める技術
この3点です。
まず、失点を減らすために通常のストロークでいかにミスをしないか?が基本。
さらに、甘いコースへ返球するとすかさずネットへ詰めてくるCPUに対して、しっかりとロブを使って下がってもらい、逆にチャンスがあればネット際から強烈なショットで点数を奪う戦略が有効です。
もちろん、頭でこれが判っていても実際にプレイするとその難しさからコントローラーを投げたくなる訳ですが(笑)
ファミコンソフト【テニス】にまつわる小ネタ
最後に、ファミコンソフト【テニス】に関連する小ネタやちょっとしたトリビアを紹介します。
オープニングBGMがベースボールと同じ
ファミコンソフト【テニス】を起動して、オープニングで流れるBGMは同じく任天堂が1983年に発売したベースボールと同じ曲が使用されています。
曲を聞けば多くの人が「あ、野球!」とイメージするハズなので、テニスで流れると少し違和感を感じるかもしれませんね。
審判を務めているのは・・・
ここまで紹介したプレイ動画で注意深く審判を確認してみると、実は有名なキャラクターになっている事が判ります。
そのキャラクターとは、任天堂ではお馴染みの「マリオ」その人です。
私たちが良く知る赤いオーバーオール姿ではなく、テニスで審判を務めるマリオは白い帽子にオーバーオールという出で立ちになっています。
しかし、トレードマークの口髭やそのフォルムからマリオその人がゲスト出演している事が判ります。
実は、テニスというゲームとマリオにはこれ以外にも関係性があるので紹介しておきましょう。
スーパーマリオのバグ技で使えたソフト
懐かしのファミコンには、様々な「裏ワザ」がありました。
裏ワザは大別すると
・製作者が意図して仕込んだ隠し要素
・システム上のエラーやバグを利用
この2種類に分類されますが、テニスを使ったスーパーマリオの裏ワザは後者。つまり、予期せぬエラーを利用した裏ワザとして使える事が判り話題となりました。
裏ワザの内容としては、スーパーマリオをプレイ中にテニスを使ってソフトの入れ替えを行う事で、通常なら存在しないステージが出現するというものでした。
もちろん、システムエラーを利用した「裏」技なのでステージ途中で止まる・クリアが出来ないなどの不具合も多く、当時のちょっとしたゲームトリビアとして有名になったものの、実用性はほぼ0という技なので間違っても試してみよう!とは思わないようにしましょうね。
まとめ
テニスゲームの基本を作り上げた任天堂の「テニス」は、ファミコン初期ソフトらしくシンプルなゲーム性でありながら、令和の現在にも通じる「ゲーム本来の楽しさ」を感じることが出来る名作です。
高難易度では、ミスが許されないハードモードでストレスが溜まる部分もありますが、勝利した時の喜びは中々のもので令和となった現代でも充分楽しめますよ。
レトロゲームに興味がある方や、雑念を捨てて何かに集中したい!という方は懐かしの「テニス」をプレイしてみてはいかがでしょうか。
以上、ファミコンソフト「テニス」に関する様々な情報をお届けしました。
最後までお読みいただきありがとうございました。