【オリビア・ニュートン=ジョン】日本のファン投票で特に人気だった5曲

【オリビア・ニュートン=ジョン】日本のファン投票で特に人気だった5曲

30年以上もの闘病の末、73歳でこの世を去ったオリビア・ニュートン=ジョン。世界的な人気を誇るアーティストですが、特に日本での人気は高く、彼女自身も少なくとも12回来日した記録があります。また2021年には、日本政府から旭日小綬章が授与されました。今回は、彼女を偲び、日本のファン投票で特に人気だった5曲をご紹介します。


そよ風の誘惑 (1975年)

『そよ風の誘惑(Have You Never Been Mellow)』は、1975年の同名のアルバムからの第一弾シングルで、全米シングルチャートで2週連続ナンバーワンに輝きました。彼女にとっては、『愛の告白(I Honestly Love You)』に続く、2曲目のナンバーワン曲です。日本のオリコンシングルチャートでは、最高位26位を記録しています。



"Mellow" には、"リラックスした" という意味があり、ストレスで疲れ切っている彼に対し、自分もかつてそうだったと共感しながら、肩の力を抜いてリラックスしてほしい、という思いを表現しています。

本曲は今日まで、世界中の多くのアーティストによってカバーされています。日本では1986年、椎名恵の日本語カバーで『愛は眠らない』(大映ドラマ『花嫁衣裳は誰が着る』主題歌)がヒットしました。また、テレビCMでは、2008年のロッテ「キシリトールガム」、2015年のJR西日本「おとなび」のCMで使用されています。



デビュー40周年を記念して行われた、日本のファン投票(ベスト盤に収録する曲を選ぶ人気投票)では見事、第1位に輝いています。

ジョリーン (1976年)

『ジョリーン(Jolene)』は、1976年のアルバム『水のなかの妖精(Come On Over)』の収録曲で、当時は、日本でのみシングルリリースされました。オリコンシングルチャートでは最高位11位、アルバムチャートでは最高位2位を記録しています。



原曲は、ドリー・パートン(Dolly Parton)の1973年のヒット曲です。あの『オールウェイズ・ラヴ・ユー(I Will Always Love You)』と同じ日に書いた曲、と後年ドリーは回顧しています。



2010年には『水のなかの妖精(Come On Over)』のSHM-CD盤が、日本でリリースされました。ボーナストラックとして、『ジョリーン(Jolene)』『ポニー・ライド(Pony Ride)』の大阪でのライブ録音(1976年)が追加収録されています。



日本のファン投票では、第5位に選ばれました。

カントリー・ロード (1976年)

『カントリー・ロード(Take Me Home, Country Roads)』は、1973年のアルバム『レット・ミー・ビー・ゼア(Let Me Be There)』の収録曲でしたが、日本では、『たそがれの恋(Don't Stop Believin')』との両A面で1976年にシングルリリースされました。日本とイギリスでヒットし、オリコンシングルチャートでは最高位6位を記録しています。



原曲は、ジョン・デンバー(John Denver)の1971年のヒット曲で、世界的にはこちらの方が有名です。

1995年には、スタジオジブリが制作したアニメーション映画『耳をすませば』オープニングテーマとして使用されました。一方、エンディングテーマでは、本名陽子が日本語訳詞で同曲を歌っています。



日本のファン投票では、第6位に選ばれました。

スタジオジブリ制作アニメーション映画『耳をすませば』

耳をすませばOPテーマ 〜カントリー・ロード〜

ザナドゥ (1980年)

『ザナドゥ(Xanadu)』は、エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)とのコラボ曲で、ELOのリーダー、ジェフ・リン(Jeffrey Lynne)によって書かれた作品です。彼女自身が主演する、ミュージカル・ファンタジー映画『ザナドゥ(Xanadu)』の主題歌で、映画では往年のミュージカルスター、ジーン・ケリー(Gene Kelly)と共演しています。本曲のB面には、彼とのデュエット『気の合うふたり(Whenever You're Away From Me)』が収録されました。



全米シングルチャートでは8位止まりでしたが、全英シングルチャートではナンバーワンに輝いています。ELOにとっては、2022年現在唯一のナンバーワン曲です。日本のオリコンシングルチャートでは、最高位18位を記録しています。

2007年には、ソフトバンクのCMで使用され、雪の中を歩くキャメロン・ディアス(Cameron Diaz)のBGMとして流れました。



日本のファン投票では、第2位に選ばれています。

フィジカル (1981年)

『フィジカル(Physical)』は、1981年の同名のアルバムからの第一弾シングルで、全米シングルチャートで10週連続ナンバーワンに輝きました。翌1982年の年間チャートで1位、さらには、1980年代の10年間チャートでも1位となり、1980年代で最も成功した曲と評されています。



それまでの彼女の清楚なイメージを大胆に変えた一曲で、その後の彼女の楽曲にも影響を与えています。大ヒットとは裏腹に、性的な意味を示唆する歌詞から、一部のラジオ局では放送禁止になりました。タイトなレオタード姿で登場するミュージックビデオは話題となり、本曲を含むビデオコレクションは、グラミー賞年間ビデオ賞を受賞しています。



本曲はもともと、ロッド・スチュワート(Rod Stewart)のために書かれた曲で、その後、ティナ・ターナー(Tina Turner)にも提供されましたが断られています。最終的には、オリビアに提供されました。



日本のファン投票では、第3位に選ばれています。

今も生き続ける彼女の歌声

日本における彼女の人気を示すエピソードは、枚挙に暇がありません。



デビュー40周年の際には、日本だけのファン投票で選ばれた40曲を収録するベスト盤『オリビア・ニュートン・ジョン 40/40~ベスト・セレクション』が制作されました。今回紹介した5曲は、そのトップ10から選出したものです。他には、『愛の告白(I Honestly Love You)』『たそがれの恋(Don't Stop Believin')』『サム(Sam)』『愛すれど悲し(Hopelessly Devoted To You)』『マジック(Magic)』もトップ10入りしています。



2021年には、音楽文化の発展及び友好親善に寄与した功績から、日本政府より旭日小綬章が授与されました。また、彼女の名前が登場する杏里『オリビアを聴きながら』は、世代を超えて歌い継がれる名曲となっています。デビュー45周年には来日公演を果たしており、日本における彼女の人気の高さが窺い知れます。彼女の楽曲、歌声は、これからもずっとファンの心の中に生き続けていくことでしょう。



往時を偲んであらためて、一番好きだったオリビアの曲を聴いてみてはいかがでしょうか。

OLIVIA NEWTON-JOHN | オリビア・ニュートン・ジョン - UNIVERSAL MUSIC JAPAN

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