アッシーくん、メッシーくん、ミツグくん
バブル時代は、交友関係が今よりも派手だった人が多いと思います。女性も男性も本命以外と遊んでいることが多かったのか、こんな言葉が生まれました。
まず、代表的なのは「アッシーくん」ですね。車を持っていて送り迎えをしてくれる男性のことです。車など移動手段を「足」というところからきているようです。
1990年の流行語大賞で新語部門・表現賞を受賞し、『現代用語の基礎知識』にも掲載されました。
今では父親が「俺は娘のアッシーくん」などと使っている人もいますね。バブル時代に青春を過ごした世代なのでしょう。
アッシーくんに続いて、他の〇〇くんも登場してきます。
メッシーくんはご飯をおごってくれる男性のこと。どちらかというとちょっと年上の男性のイメージですね。(パパにつながっていくような)
当時はイタリア料理をイタ飯、フランス料理をフランス飯などと呼んでいたことからメッシーとなりました。
そしてミツグくん。女性にプレゼントをする「貢ぐ」男性のこと。2000年代は「財布君」や「財布」などという呼び名も存在しました。
他のは趣味も兼ね備えていたりしますが、ミツグくんは女性に好意がありそうなので一番かわいそうですね。
最後に、3つほどは有名ではないですがツナグ君というのも存在しました。これはAV機器などの配線をつないでくれる男性のこと。一人暮らしの女性はついつい頼ってしまうのではないでしょうか。
他にはキープくんというのも存在しました。これは本命未満の恋人候補です。本命と別れた後、キープくんを次の恋人にして恋人のいない期間を少なくするという女性もいたようです。
しょうゆ顔・ソース顔
1980年代には、男性の顔の特徴で「しょうゆ顔」「ソース顔」という分類もありました。
「ソース顔」は一言でいえば「濃い顔」です。堀が深く、日本人離れした顔立ちの方を指しますね。阿部寛さんや北村一輝さんなどが当てはまるでしょう。調味料家の中でソース顔が一番わかりやすいと思います。
「しょうゆ顔」はややあっさりした顔で、切れ長や一重瞼の男性を指すことが多かったですが、東山紀之さんや木村拓哉さんのようにジャニーズ系のきれいめな人を指すこともあります。ソース顔は誰が見てもハッキリわかると思いますが他は結構あいまいですね。
その後派生して塩顔なども登場しますが、塩としょうゆの違いはあいまいです。また砂糖顔(甘いかわいい系)、お酢顔(韓流系が多い)などはなんとなく分かりますね。さらにマヨネーズ、ケチャップ、ナンプラー、オリーブオイルなどは完全にネタですね。
ですが今でも使われているというのはなかなか面白いです。
〇〇王子
2006年頃には、特定の男性を〇〇王子と呼ぶのがブームになりました。
きっかけとなったのはハンカチ王子こと斎藤佑樹投手です。
2006年の夏の甲子園でマウンド上で青いハンカチで汗を拭く姿と端正なルックスが話題となりマスコミが「ハンカチ王子」と呼ぶようになりました。
所属している早稲田実業高校にはハンカチに対する問い合わせがあったり、青いハンカチの売り上げが上がるなど社会現象になりました。そして2006年の新語・流行語大賞のトップ10にノミネートされるほどでした。
ですが本人はこのあだ名を気に入ってなかったようでだんだんハンカチも使わなくなってしまいましたよね。使っていないのにいつまでもハンカチ王子と呼ばれるのもなんだか可哀そうでした。
この出来事をきっかけにスポーツ界を中心に〇〇王子という呼び名が流行しました。
プロゴルファーの石川遼選手はハニカミ王子。ほかにはほほえみ王子やぽっちゃり王子、チビカニ王子などもいましたね。
さらに、実業家に王子とつけることもあり、洗濯王子、ペヤング王子、青汁王子なども存在しましたがいつのまにか〇〇王子ブームは去りましたね。
〇〇男子
同じく、2006年頃から一般男性には〇〇男子という呼称が付けられることが多くなりました。
「草食系」と言いう言葉は『日経ビジネス』のオンライン版で2006年に登場したのが最初で、2008年頃から流行しました。
草食系男子とは、恋愛に縁がないわけではないのに積極的(肉食)ではない、異性と肩を並べて草を食べるような男子という意味です。
他にも類義語として肉食男子、絶食男子、雑食男子、見かけは草食で中身は肉食のロールキャベツ男子(他にはアスパラ肉巻き、ピーマン肉詰め、ソーセージパンなども)というのも登場しましたね。
他にもなにかと「系男子」とつけられることは多く、
サブカル系男子、オタク系男子、非モテ系男子、犬系男子、猫系男子、糧食系男子、こじらせ男子、メガネ男子など様々な男子が存在します。
草食系が出てきてから10年以上たっていますが、今でもそれほど古臭い言葉ではないので流行というより定着していったのかもしれません。
今後、男性を形容する流行語にはどんなものが登場するでしょうね。