スライムが大ヒットした「ツクダオリジナル」とは

スライムが大ヒットした「ツクダオリジナル」とは

1978年に発売し、大ヒットしたネバネバ玩具のスライム。このスライムを発売したツクダオリジナルってどんな会社なのか調べてみました。


スライムの販売会社

ネバネバ玩具の「スライム」。この玩具はアメリカ生まれで、アメリカで爆発的に売れた商品ですが、この玩具をニューヨークのトイショーで見染めて発売を決意したのが、ツクダオリジナルの和久井威氏でした。

日本での業者向け内見会では反応が悪かったのですが、商品の発表会やテレビ番組で使用されたことにより爆発的な人気となりました。

ツクダオリジナル

さて、先の「スライム」が爆発的に売れた株式会社ツクダオリジナル。
この会社は1974年に株式会社ツクダヤ(玩具卸売業)の製造部門が独立したものなのです。ツクダグループの一つです。創業者は佃光雄。

和久井威専務が、ニューヨークのトイショーで目にした「スライム」「ルービックキューブ」などが日本で大人気になります。

自社製品もエアウォーターガンやシーモンキーなど製造販売していましたが、母体である株式会社ツクダの経営不振により、2002年に株式会社バンダイの子会社となりました。

その後も2003年に株式会社ワクイコーポレーションに営業譲渡を受け、株式会社パルボックスと改称しますが、現在はメガハウスの一事業部となっています。

ツクダオリジナルの商品

ツクダオリジナルの商品を画像や懐かしいCMと共に紹介したいと思います。

まずは、「オセロ」。一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。
ボードゲームの一つで8×8マスの正方形の盤上で、表裏を白と黒に塗り分けた平たい石(駒)を使用し盤上の石が多かったほうが勝ちというゲームですね。相手の石を裏返すことで自分の石にして自分の石を増やしていきますが、ルールが簡単なので子どもから大人まで楽しめます。

オセロとほぼ同じゲームにリバーシとありますが、元々はリバーシ。
リバーシは、19世紀にロンドンで考案されたのだそうです。その後、1970年頃にボードゲーム研究家によってパッケージが開発され、この研究家の父親によって「オセロ」と命名されたのだそうです。完成したオセロを発売したのがツクダオリジナルという訳です。

1973年に発売され、今でも親しまれるボードゲームとなっていますね。

オセロ


ボードゲームから進化したのが、オセロマルチビジョン (FG-1000)。
1983年に発売されたゲーム機です。翌年には外装を変えたオセロマルチビジョン2 (FG-2000) も発売されています。ファミコン時代に即したゲーム機です。

本体にオセロのソフトを内蔵し、カートリッジを挿さずに電源を入れると遊べるというもの。本体にオセロ用のAからHおよび、1から8のキーがついています。また、本体にジョイパッドまたはジョイスティックやボタンが付いていて、コントローラをつながなくても1人プレイ用のゲームを遊ぶことができます。1P・2Pコントローラ接続端子もあり、SG-1000II付属のものと同仕様のコントロールパッドが別売りされていました。このゲーム機は、セガ・エンタープライゼスのSG-1000シリーズと互換性があり、SG用のコントローラーが使えました。また、同機用のゲームソフトも使えたんですね。

自分はファミコン派でしたので、当時お目にかかったことはありませんでした。

オセロマルチビジョン

セガ SG-1000

SG-1000 - Wikipedia


次は、皆さんご存知の「ルービックキューブ」。
このルービックキューブは、ハンガリーの建築学者が1974年に考案したのだそうです。それを1977年ハンガリーの玩具製造会社「ポリテクニカ」が「マジック・キューブ」として発売したのですが、その後、アメリカのアイデアル・トイ社が販売権を獲得し、発明者の名前を冠した「ルービックキューブ」と名前を改め、1980年5月に世界的に発売されたのでした。日本では1980年7月に発売され、1980年から1981年には大ブームとなりましたね。

ルービックキューブの世界標準配色は、白を手前面に見ると奥面が黄色、そして側面が時計回りに青・赤・緑・橙色となっているそうですが、日本国内で正式にライセンスを受けて販売されている旧品は、世界標準配色の黄と青が入れ替わっているのだそうです。知らなかった。

ルービックキューブ

ルービックキューブ - Wikipedia


ルービックキューブに似ているのが、1981年発売の「マジックスネーク」。
考案者は、やはり「ルービックキューブ」の発明者なんですね。ツクダオリジナルが日本で発売するときに「マジックスネーク」と名称を変えて発売しました。

24個の三角形の組み合わせによって、自由自在な造形を作ることができ、「マジックスネーク」というだけあって、ヘビをはじめ、様々な形を作ることができます。ルービックキューブのようにブロックを組み替えて遊びますが、色合わせというよりは造形を楽しむ知育玩具ですね。マジックスネークを複数使って遊ぶこともできるそうです。

ルービックスネーク(ボール状態)

ルービックスネーク - Wikipedia

ルービックスネーク(へび状態)

ルービックスネーク - Wikipedia


次は体感型おもちゃの「ミルクモウモウ」。
1978年に発売され、1988年に再発売されました。自分は記憶にないのですが、なかなかのおもちゃです。

このおもちゃは、「モウモウちゃん」という名称の牛に水を飲ませて乳しぼりができるのが特徴で、
 1.モウモウちゃんのシッポを前後に5 - 6回動かすと水を飲み
 2.水を飲んだモウモウちゃんは、鳴き声を出しながら頭を上げます
 3.モウモウちゃんのおちちをしぼるとミルクが出ててきます
 4.お部屋の中でアルプスのミルクしぼりの楽しさが味わえます
と、説明がありました。

この「モウモウちゃん」の附属品には、水おけ、バケツ、そして、ミルクのもと(10g)なるものが付いています。ミルクのもとの成分は、ブドウ糖・粉乳・酸味料・コーンスターチ・重曹・乳化剤なんですね。モウモウちゃんの乳しぼりをした乳は飲めるのでしょうか?

また、説明書きの「アルプスのミルクしぼりが味わえます」というのは、アルプスの少女ハイジのヤギの乳しぼりのシーンから連想されたのでしょうかね。


さて、ここで少しリーズナブルに遊べるおもちゃを紹介。
その名は「およげ ゆ太郎」です。これでお風呂嫌いの子どもだって、ゆっくり湯船につかってくれるおもちゃです。

1986年に 250円で発売されました。当時はラッコ、カエル、イルカ、ペンギンの4種が発売されました。使い方は簡単で、お風呂の底で手を離すと浮き上がってくるというおもちゃです。本体に空気が封入されていて、お風呂に沈めて手を放すと、フワフワゆらゆら~と泳ぎだす仕掛けになっています。

ゆ太郎発売後には、ハンディケース、洗面器、石ケン箱、シャンプー容器、スポンジ、手カガミ、ブラシ、およげゆ太郎がセットになった おふろセットが発売されたり、キャラクターもオリジナルのものでなく、 ハローキティ、スヌーピー、スーパーマリオ、ディズニーなども発売されました。1988年には、マクドナルドのお子様セットの付録にもなりましたね。キャラクターは、ドナルド、ハンバーグラー、グリマスでした。

2000年代になっても、スプラトゥーンバージョンなども発売されています。

次は、おもちゃというよりは、観察・鑑賞用に改良された「シーモンキー」。
1987年に発売されました。小さなプラスチック水槽に2種類の乾燥粉末と餌のセットが入っていて、1剤粉末(培養液)を水に溶かし、その24時間後に2剤粉末(卵)を溶かすと、1時間ほどで卵から孵化すると解説されています。

この「シーモンキー」は、1971年にやはり玩具メーカの株式会社テンヨーが日本で販売を始めたものです。

そもそもこの「シーモンキー」という生物は、1億年前から変化していない生きている化石とされアルテミアという生物です。アメリカで飼いやすさと見た目の面白さから、品種改良され1950年代から販売されていたのだそうです。

たった1時間で孵化するのが不思議で不思議でたまらなかったことを思い出しますね。

おしまいに

色んなおもちゃを世に出してきたツクダオリジナルも2002年に経営不振となり、バンダイの子会社となったのは衝撃でした。それもツクダとバンダイ、どちらもおもちゃメーカーで有名でしたし。今では「ツクダ」という名が残らずメガハウスとなってしまいましたが、玩具メーカーとしてはかわらず、子どもたちを楽しませてくれるおもちゃを提供し続けて欲しいものですね。

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