懐かしい昭和の映画館の思い出を語ろう

懐かしい昭和の映画館の思い出を語ろう

現在の映画館は指定席が当たり前ですが、昭和の時代の映画館は席が満員でも立ち見で観られた物です。立ち見の人達でごった返した映画館の中、人々の熱気で貧血で倒れそうになった人も少なくないのではないでしょうか。売店で購入したお菓子を持ち込めたり、一度入れば出なくても良かったり…今では考えられないような思い出がありますよね。今回はそんな昭和の映画館の思い出について語りたいと思います。


飲み屋街の映画館

昭和時代の映画館は、なぜか飲み屋街の中にあることも多かったです。
昼間の街並みと、夜の街並みが一変するのですよね。
小学生の頃キン肉マンが好きだった私は、冬休みや夏休みなど長期休みにある「東映マンガ祭り」によく足を運びました。
オープニングでは「キン肉マンGoFight」が流れ、子供たちも合唱して館内は賑やかで活気を帯びます。
そんな光景は日本各地の映画館で観られたのではないでしょうか。
でも夕方の回など、遅い時間に入ってしまうと出る頃には真っ暗なんてこともありますよね。
夜のとばりが降りてネオン街に変貌した街並みは、子供心に大人の世界を覗いてしまったような不思議な背徳感を感じたものです。
「千と千尋の神隠し」で千尋が迷い込んだ静寂な世界が、夜になって一変してしまったようなそんなイメージです。
東映マンガ祭りを公開していた同じ映画館には、日活ロマンポルノの近日公開のポスターが貼られてたりして…。
昭和の映画館は、色々な意味でなんだかドキドキした思い出があります。

映画館の売店

映画館を入ると売店があって、映画のパンフレットやお菓子やジュースなど売っていました。
現在でもポップコーンやホットドックは購入して持ち込めますが、当時はポテチやコアラのマーチなどお菓子も持ち込み可でしたよね。
おせんべいまで売っていて、バリバリと食べている人もいました。
東映マンガ祭りは騒がしいから良いのですが、シリアスな映画でのおせんべいの咀嚼音は結構迷惑だったのでは…?と今更ながら思います。
1983年公開の「南極物語」は、文部省特選だかなんだかになっていて、学校で割引券を配っていたので、クラスの中で観に行った子も多かったですね。
うちは親が商売をしていたので、日曜日の一番遅い回に連れて行ってもらったため、終わったころにはネオン街に変貌していたのです。
犬はバタバタ死ぬわ…酔っ払いはフラフラしてるわで…文部省特選だけど果たして教育に良いのかどうか、かなり微妙でしたね。
もちろん、すごく感動はしましたが。
ところでなぜ南極物語が文部省特選だったのか?についても調べてみました。

南極物語が完成間近の頃、蔵原惟善監督が「文部省推薦」にしてもらおうと言いだしたそうなのですが、なんと文部省がくれたのは「文部省特選」だったのだそうです。
選出理由についてはわかりませんでしたが、極限状態で生き抜いたタロとジロのように子供たちには、困難に見舞われても諦めずに逞しく育って欲しい…という意図だったのかもしれません。

立ち見OKだった

現在は無くなりましたが、当時の映画はお目当ての映画のほかに同時上映というシステムが存在していました。
ちなみに近藤真彦さん主演のジャニーズ映画「スニーカーぶる~す」の同時上映は加山雄三さんの「帰ってきた若大将」だったと記憶しています。

当時人気絶頂だった近藤真彦さん主演の「青春グラフィティスニーカーぶる~す」は、超満員で立ち見で観ていました。
そして映画が終わると若い女性ファンは帰っていき、席が空いて座れたのです。
同行した私の母親のお目当ては「帰ってきた若大将」だったので、座席に座って観られた覚えがありますね。
身長の低い子供に立ち見はキツイですが、同時上映も観られて一粒で2度美味しい要素も、古き良き思い出です。

若大将のライバル、青大将役の田中邦衛さんが良い味を出していました。
加山雄三さんも若い!二枚目!さすがは若大将です。

トイレが臭かった?

私が子供の頃に通っていた映画館だけかもしれませんが、トイレが臭かったのですよね。
もちろん和式ですし、そして電気をつけてもなぜか暗かったのです。
「死霊のはらわた」や「エルム街の悪夢」など、ホラー映画も人気だった昭和時代。
ホラー映画の途中で、尿意を催してしまうと誰もいない暗いトイレに入るのが怖かった物です。
今でも夢に見ることがありますね。(笑)
でもそんなほろ苦い(?)思い出もなぜか妙に懐かしい昭和の映画館。
新横浜ラーメン博物館の昭和30年代の街並みのような、映画館があった風景をもう一度観てみたい衝動に駆られます。

まとめ

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