人気ラッパー同士の罵り合い!勃発した日本語ラップのビーフ『その後』

人気ラッパー同士の罵り合い!勃発した日本語ラップのビーフ『その後』

日本語ラップで勃発したビーフを紹介します!「kj」と「Zeebra」をはじめ、日本語ラップのレジェンドMC達のビーフが続々と登場!!


2005年に発売された般若のアルバム「根こそぎ」に収録されている「サンクチュアリ」で、K Dub ShineをDisるリリックがあり話題となりました。

「K Dub Shine 何かあったら言ってネ アーイ」「超人気者の渋谷のドン 家まで迎えに行くからよ」と、普段から渋谷のドンを自称し、何かあったらすぐオレに言えとのパンチラインで知られるK Dub Shineの発言を抽出し、イヤミ全開のリリックに落とし込んでいます。

「根こそぎ」

同曲ではKREVA、DEV LARGEにも言及する箇所があり、数多くのビーフで知られる般若らしい一曲となっています。

また、2007年に発売された韻踏合組合のHIDADDYによるフリースタイルセッション集DVD「ヒダディー ひとり旅」に般若が登場します。渋谷の路上で攻撃的なスタイルの即興ラップを披露する般若。そこでK Dub Shineを揶揄するシーンがあり、2年が経過してもなお批判的な意見を持っていることが伺えます。

「ヒダディー ひとり旅」

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『その後』

2015年のZEEBRA主催のヒップホップフェス「SUMMER BOMB」に、般若とK Dub Shineが揃って出演します。そこで般若はDisソングではなく、K Dub Shineへ宛てた詩の朗読を行います。一見Dis風の内容でしたが、全体にユーモアが散りばめられたイジリに近いものでした。

また、K Dub Shineはフェス前に般若が出演することを知り、やや冗談ぽくフェスへの参加を見送る旨をツイートするなど、かつての緊張感を伴ったビーフとは異なるオトナのお遊びといった印象を与えています。

なお、「SUMMER BOMB」の直前には般若とRHYMESTERの宇多丸とのビーフが勃発していました。しかもRHYMESTERも同フェスに出演することが決まっており、スペースシャワーTVのトークコーナー「第三会議室」で宇多丸と長年共演しているK Dub Shineは、身近なラッパーが標的にされたことを面白がっていた様子。こうした点からもフェスではシリアスな展開にならなかった理由を推測することができます。

「般若」と「宇多丸」

前項「K Dub Shineと般若」でも触れたように、般若はRHYMESTERの宇多丸ともビーフを起こしています。

事の発端は、2015年に公開された品川ヒロシが監督・脚本を務めた映画「Zアイランド」。出演する般若が、宇多丸がトークを担当するラジオ番組「ウィークエンドシャッフル」の映画評論コーナーで同作が取り上げられなかったことに対して物申したことから。

「Zアイランド」

宇多丸が数々の映画評論をしているのであれば、きちんと同作も評論対象に入れろと「おい 宇多丸 このハゲ」と冒頭から展開される強烈なDisソングを自身のブログで公開した般若。

それに対して、普段はアンサーソングを返すことの少ない宇多丸も、般若をラッパーとしてリスペクトしていることもあり、番組内でアカペラのフリースタイルラップ(実際には事前に1時間程で書き上げたラップ)を披露しています。そのラップの中で映画のブルーレイが発売されたら購入して評論をすると公約しました。

『その後』

「Zアイランド」のブルーレイの発売後、宇多丸は公約を守りしっかりと評論を行っています。

当時流行していたゾンビものだった同作。ジャンルとして成立していることから定番の型があり、安心して見られる部分があったと述べる一方で、映画監督・品川ヒロシの技量の限界もみえた映画でもあったと辛口で論じています。

脚本の構成が雑であり、序盤の話運びも鈍くさく、ゾンビが現れるシーンに効果的な演出が出来ていなかったなど、辛辣な意見を並べたてる宇多丸。さらに品川の過去作を観た経験から、唯一期待していたアクションや格闘演出にも完全なるダメ出しを行い、終始駄作である点を強調し、評論を終えています。

「RHYMESTER」と「THA BLUE HERB」

2001年に発売されたRHYMESTERのシングル「ウワサの真相 featuring F.O.H」。この中でMummy-Dのリリック「知ったかぶったブスとカスどもが有り難がるミスターアブストラクト」「そしてお前は神になった途端に人気は下火になった」が、THA BLUE HERBを批判しているとされ、THA BLUE HERBのラッパー・BOSS THE MCがアンサーソングを返したことで話題となりました。

「ウワサの真相 featuring F.O.H」

THA BLUE HERBといえば、90年代後半に東京中心であった日本語ラップ業界において、地元の北海道から音と言葉を鳴らし続け、無骨かつ儚いヒップホップを表現していた稀有なグループでした。

東京のラッパーに対抗心を燃やし、それを楽曲やライブでのパフォーマンスに昇華することで、唯一無二の存在として認識されていた彼ら。さらにトラックメイカーのO.N.Oが作り出すトラックは従来のヒップホップとは異なり、様々なジャンルの音楽性を内包したものでした。まさに形容しがたいアブストラクト(抽象的)なグループであり、彼らのファンをして宗教的とすら言われるまでになっていました。

おそらくですが、Mummy-Dはそんな彼らをよくわからない存在、純粋なヒップホップではないと揶揄したのではないでしょうか。

「Sell Our Soul」

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