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『海の上のピアニスト』（伊: La leggenda del pianista sull'oceano、英: The Legend of 1900） は、1998年公開のイタリアのドラマ映画です。
監督及び脚本は、あの「ニュー・シネマ・パラダイス」で一躍有名になったジュゼッペ・トルナトーレ。主人公のナインティーン・ハンドレッドにはティム・ロスが抜擢され、ピアノの音は別の人ですが、演奏する姿を熱演しています。
また、音楽も「ニュー・シネマ・パラダイス」で心に沁みる楽曲を作ったエンニオ・モリコーネ。もちろんこの作品でも、美しい旋律を聞かせてくれます。第57回ゴールデングローブ賞では、最優秀作曲賞を受賞しています。

なお、「海の上のピアニスト」には、125分のインターナショナル版と、170分のイタリア公開版があります。クレジットもイタリア語、冒頭でイタリア移民たちが船でニューヨークに着いた時のシーンや、ナインティーン・ハンドレッドのピアノ演奏シーンも短縮なしで編集されており、よりイタリアの方々にうれしい内容となっています。

1900年、大西洋上を行く客船の中、レモンの樽の中で生後間もない赤ん坊が見つかった。生まれ年にちなんで「1900（ナインティーン・ハンドレッド）」と名づけられたその男の子は、船の最下層の大部屋で船員たちに育てられ、一度も船の外に出ることがなかった。船内のダンスホールのピアノの音に親しみながら育ち、やがて驚くべきピアノの才能を発揮するようになるが・・・。

やはり、ティム・ロス演じるナインティーン・ハンドレッドのピアノ演奏の演技に引き込まれます。船の下層の部屋で弾くラフなタッチのピアノから、メインダイニングホールの豪華なピアノで奏でる姿まで、まさに「伝説のピアニストがいる」と思わせてくれます。特に、親友のトランペット奏者とピアノの前に座りながら、船が時化で揺れるのに合わせて床を滑るピアノを弾く様子は、ピアノとダンスを踊っているかのよう。ジャズピアニストの創始者でもあるジェリー・ロール・モートンとの対決は圧巻で、本当にこんなピアノ対決があったのではないかと思うほどです（ジェリー・ロール・モートンは実在の人物です）。
その映像を支えるエンニオ・モリコーネ音楽の美しさ、激しさ、せつなさもまた、この映画の大切な見どころといえるでしょう。

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