明石家さんま 西の郷ひろみ時代

明石家さんま 西の郷ひろみ時代

東京進出、ドラマ出演、レコードリリース、おまけに芸能人運動会で田原俊彦に勝ってしまうという吉本芸人にあるまじき活躍の数々。



1981年5月、フジテレビ「オレたちひょうきん族」がスタート。
裏は「8時だョ!全員集合」
それは会場に客を入れての公開生放送で、19時59分、放送開始1分前、いかりや長介がステージ上、残りのメンバー4人は通路にスタンバイ。
時間になると、いかりや長介がカメラを指差し
「8時だョ!」
他メンバーと客が
「全員集合!」
他のメンバーはステージへ向かい、ゲストも登場。
オープニングテーマ曲の最後にいかりや長介が
「よろしくぅー!!」
全員がお辞儀し、CMに入る。
CMが明けると、いかりや長介の
「オイッスー」
でコントが始まる。
それは何日もかけて稽古してつくりこまれたコント劇。
回り舞台、屋体崩し、タライ落としなど舞台装置も活躍。
強烈なリーダーシップをとるいかりや長介。
体操が得意な仲本工事。
何もしない、できない、喋らないのに面白い高木ブー。
ウンコチンコありでボケる加藤茶と志村けん。
全員が体を張って笑いをとった。


番組後半はショートコント。
「ダメだこりゃ」(いかりや長介)
「ヘーックション!!」(加藤茶)
「加トちゃん、ペッ」(加藤茶)
「♪カラスなぜ鳴くの♪カラスの勝手でしょ♪」(志村けん)
「アイーン!」(志村けん)
「あんだ!バカヤロー!!」(志村けん)
加藤茶のはげヅラおやじ
志村けんの白鳥
バカ殿
東村山音頭
ディスコ婆ちゃん
早口言葉
少年少女合唱隊
ヒゲダンス
雷様
などなど数々のコーナー、ギャグ、キャラが誕生。
最後は
「風邪ひくなよ」
「お風呂入れよ」
「頭洗えよ」
「宿題やれよ」
「歯磨けよ」
と合いの手が入りながらエンディングテーマ曲を合唱。
いかりや長介の
「また来週ぅ!!」
といって番組は終了。
小学生を中心に熱狂的に受け入れられ、最高視聴率50.5%を誇るモンスター番組だった。


「勝ち残りゲームなんやなあと。
お笑いというジャンルの中で新しい時代に生き残るのは誰か」
フジテレビの横澤彪プロデューサーは新しいお笑いを模索。
チームワークよりも個の力を重視。
漫才ブームで人気を得たコンビも出演したが、持ちネタはやらしてもらえず、即興性が求められた。
スタッフ陣は
「演者は勝手に遊び、我々は勝手に撮る」
といい、スタジオに客は入れず、台本はあるもの芸人に好きなようにフリートークやアドリブを入れて暴れることを許し、そして面白い場面だけを採用。
そのため現場にムダな緊張感はなかった。
初回オープニングは、正装したビートたけし、ビートきよし、島田洋七、島田洋八、ぼんちおさむ、ぼんちまさと、西川のりお、上方よしお、島田紳助、松本竜介、さんまで晩餐会。
料理にコショウをかけてくしゃみが出そうになるさんま。
それを阻止するために口にパンを詰め込む紳助。
洋八が指を鳴らし、呼ばれたメイド服姿のいまくるよが、パンを吐き出させようと背中をどつく。
さんまは、その力が強すぎて料理に中に顔を突っ込む。
宴が終わり、たけしが指を鳴らし呼んだくるよに
「ブスだねえ」
怪訝な表情で立ち去るくるよ。
たけしはカメラに向かって
「俺たち!」
全員で
「ひょうきん族!」
こうして土8戦争が勃発した。


1981年7月21日、ザ・ぼんちが日本武道館でライブ。
2枚目のシングルを発売後、花月-神戸-札幌-仙台-福岡-沖縄とツアーを行い、すべて満員。
しかしラストとなるこの武道館はチケットが余っていた。
大々的な宣伝を行い、大阪の旅行社がツアーを組んでなんとか満員になった。
2ヵ月後の「THE MANZI8」も、横山やすし・西川きよし、ツービート、B&B、島田紳助・松本竜介、ザ・ぼんち、西川のりお・上方よしお、オール阪神・巨人、太平サブロー・シロー、ヒップアップが出演しながら視聴率は伸びず、すでに漫才ブームは去っていた。
同時期、さんまはドラマ「おやじの台所」で2度目のキスシーン。
「10秒前!」
とコールされたとき、相手の檀ふみに
「私、キスするの2年ぶりなの」
と囁かれ、ためらってしまい、顔を近づけただけで唇は合わせなかった。


1981年10月、フジテレビ「オールスター紅白大運動会」が行われた。
最終種目、紅白対抗混合リレーのメンバーは

紅組
第1走者:黒部幸英
第2走者:浜田朱里
第3走者:山田隆夫
第4走者:水野ますみ
アンカー:田原俊彦

白組
第1走者:島田紳助
第2走者:松田聖子
第3走者:広岡瞬
第4走者:柏原よしえ
アンカー:さんま

お笑い芸人がアイドルに勝つのはご法度。
しかしさんまは田原俊彦より約1秒早くバトンを受け取ると全力疾走。
田原俊彦は雄たけびを上げながら追いかけたが差は縮まらず、さんまがゴールテープを切った。
「よっしゃ!
お笑いが初めてアイドルに勝った」
さんまは本気で喜んだ。
しかし盛り上がっているのはお笑いグループだけ。
観客の多くはアイドルを観に来ていたため会場はシーンと静まり返り、表彰式もまったく盛り上がらなかった。
「なんでこのお笑いのお兄ちゃん、すっげえがんばるんだろうなあっって。
ええかげんにせえ、ここ俺の場面だろうみたいな。
ジャニーも怒ってた」
(田原俊彦)


1981年11月、8ヵ月前のさんまの女性スキャンダルが再燃。
「週刊平凡」が
「独占スクープ 明石家さんまと東京妻の離別騒動」
という見出しで、女性はさんまと交際していた間に2度妊娠し、いずれも流産し
「さんまに誠意がなければ慰謝料1000万円を要求する」
と掲載。
さんまによると
「俺が答えたことはホンマやけど、記事の内容はウソ」
ということだが、この騒動で大阪にいた本命の彼女は去っていった。

かつてさんまが
「ファンがいてこその君、ファンがいてこそのヤンタンやろ。
それをファンがみてる前で女とタクシーに乗るなんて何を考えてるんだ。
10万人のファンと1人の女性、どちらが大事なんだ」
と叱られ
「1人のエッチです」
と答えたヤンタンのプロデューサー、渡邊一雄は
「ヤンタンのクリーンなイメージにそぐわない」
と降板をいい渡した。
さんまにしてみれば桂三枝からバトンを受けて
「これは絶対に落としたらアカン」
と3年続けてきた大切な番組。
「ウソの記事やのに・・・」
と大きな違和感を感じた。
結局、渡邊一雄プロデュサーをディレクター陣がなんとか説得し収束。

一方、木曜レギュラーとして出演していた「笑っている場合ですよ」では、共演者におもしろおかしくイジられた上、
「とんでもないスキャンダルを起こし番組の視聴率に貢献されました」
と表彰状までもらった。
そしてアルタで取材を受けるさんまの後ろからビートたけしや島田紳助が放送禁止用語を連発。
放送された映像は
「ピー」
「ピー」
「ピー」
と自主規制音が鳴りまくった。
「さんまの場合はしゃあない。
打席に入る回数が多すぎる。
そらデッドボールももらうわ。
それにお前、踏み込んで打ちすぎや。
女に向かって行きすぎ。
竜介みたいに8番バッターでコツコツ当てにいったらええねん」
(島田紳助)
「そういう意味では紳助は2番バッターよな。
広島の衣笠みたいなタイプ。
お母さんが死んだ日でもセックスやってるようなやっちゃ」
(さんま)
「なんやそれ。
しかし女ってエエよなあ」
(島田紳助)
「ああ、どないな目にあわされても女はエエ」
(さんま)


「オレたちひょうきん族」の「タケちゃんマン」第6話で、さんまは、全身黒タイツ、頭に2本の触角、大きな耳を持つ悪魔、ブラックデビルとして登場。
ブラックデビルは、それまで高田順次が演じ、1回放映されていたが、オタフク風邪で病欠したため体型が似ているさんまが代役に。
そして
「ファッファッファッファッファ」
という笑い声がウケて、その後もやり続けた。
ビートたけし演じる赤いホッペ、太マユゲ、赤い軍服、ちょうちんブルマ、そしてマントをなびかせ
「ナハハハ!」
と笑うタケちゃんマンに、何度もやっつけられても笑顔で立ち上がり立ち向かっていくブラックデビル。
番組には全国のイジめられっ子からたくさんのファンレターが送られてきた。
「タケちゃんマン」は作家の台本をもとに、たけしとさんま、タケちゃんマン担当ディレクター・三宅恵介の3人がアイデアを出し合い、アドリブを織り交ぜながらつくられていった。
さんまは、面白ければなんでもありという番組で、たけしという最高のパートナーを得て、本領発揮。
ブラックデビルに続き、アミダばばあ、ナンデスカマン、サラリーマン、知っとるケ、パーデンネンと次々と新キャラを生み出した。
「アミダババアの唄」はサザンオールスターズの桑田佳祐が作詞、作曲を行い、CD化。
「普通の人が1番怖い」
というコンセプトでつくられた、高卒、給料手取り18万円、残業2時間の「サラリーマン」は、身内(スタッフや共演者)ウケはよかったが子供は笑わず。
パーデンネンは、パーの手の形をしたかぶりものと
「アホちゃいまんねん、パーでんねん、パァ~~~」
の決めゼリフでブレイク。
その元ネタは吉本の先輩、月亭八方の息子、月亭八光。
 「八方兄さんの子供が6歳のとき、『アホか』っていうたら『アホちゃいまんねん、パーでんねん』って。
『今どきの子供はこんなこといいますねん』って」
さんまは八光に5000円を払って、このフレーズを頂戴した。

アドリブ主体で内輪ネタ、アダルトネタや下ネタも横行するひょうきん族の笑いは、小学生にはわからなかった。
だから土8戦争で、ひょうきん族は全員集合に全く歯が立たなかったが、やがて高校生、大学生、若者を中心に強烈に支持されはじめた。
職場、学校で「全員集合派」と「ひょうきん族派」で真っ二つ。
家ではチャンネルの取り合いが発生。
0時になると前半は「全員集合」のメインコント、後半は「ひょうきん族」の「タケちゃんマン」をみるという家もあった。
島田紳助、山田邦子はアナウンサー役やドラマでハマり、アダモステ(島崎俊郎)、西川のりお、ぼんちおさむの暴走キャラも欠かせなかった。
のりおは
「ツッタカ坊や」
「つくつくほーし」
「オバQ」
などでブレイク。
キレ芸がエスカレートし過ぎて、しばしば股間を露出。
山村美智、寺田理恵子など歴代のひょうきん女子アナたちは、下ネタをフラれたり、裸をみせられたり、
「好きなんやー」
と抱きつかれたりした。
あるときのりおは
「わおー」
と叫びながらマイクを投げた。
するとそれが当たってカメラが壊れてしまった。
「弁償してくれる?」
「いくら?」
「3千万円なんだけど・・・」
「持って帰って修理します」
のりおはいったが、さんまは
「できるはずがない」
と思った。

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