『アモン・サーガ』とは?
『アモン・サーガ』
OVA版『アモン・サーガ』
今回の記事では、こちらOVA版『アモン・サーガ』に内容を中心に振り返っていきます。
OVA版『アモン・サーガ』の本編動画・ストーリー
物語の舞台は、中世ヨーロッパを思わせる異世界―――。
皇帝ヴァルヒスは巨大なカメを思わせる移動要塞の城主として君臨し、略奪や破壊・殺戮など悪事の限りを尽くしていました。
主人公は、青年剣士アモン。幼いころ、ヴァルヒスに母親を殺され、剣の達人として名を馳せる吟遊詩人エナクに剣術を習いながら大きくなりました。ずっと母親の敵討ちをしたいと考えていたアモンは、父親の形見の剣を背負ってエナクの元から旅立ちます。
ある日、ヴァルヒスの移動要塞が滞在する近隣の酒場で欠員戦士の募集が行なわれ、血気盛んな男たちが集まっていました。その話を聞きつけたアモンは、ヴァルヒスの懐に飛び込もうと欠員戦士の枠に入ろうとします。しかし、ヴァルヒスの巨大要塞から使わされた兵士は、集まった男たち同士で戦い、勝ち抜いた9名のみを採用するといいます。
こうして、それぞれ男たちは命懸けのバトルロワイヤルを繰り広げることになるのでした。
なんとか9人目の欠員戦士としてヴァルヒスの巨大要塞に潜り込むことに成功したアモン。
しかし、要塞の中には、交易商人として莫大な富を得たダライ・セムの娘リチアが捕らえられていました。ヴァルヒスの目的は、ピンドラーナ山脈に眠る黄金のようで、その在り処を知っているのがダライ・セムだといいます。
城塞の中で顔見知りになったアモンは、親の仇であるヴァルヒスを討つのと同時にリチアの身柄を救出することにも手を貸すうように…
OVA版『アモン・サーガ』の魅力とは?
その中でも、巨大なカメのような移動要塞や、主人公アモンの線の細さといったところにはこだわっているように思えます。そもそも圧倒的な画力のあるイラストレーターと有名な天野喜孝さん。その全てをアニメに再現しようというのが、当時のアニメ制作の現場ではかなり困難だったのではないでしょうか。
ポイントを絞って、要所要所のところだけは天野喜孝さんのタッチに近づけようとしているような気がします。細かいカットまで見ていくと、手を抜いているところ、こだわっているところといった違いは明らかに分かりますよ。ご覧になるときは、そういった部分にもぜひ目を向けてみてくださいね。
出演している声優陣に目を向けてみると…
などなど、我々ミドルエッジには堪らない顔ぶれが出演されていますね。
この他の有名どころを挙げれば、永井一郎さん・銀河万丈さんといった声優も敵役を担当されています。
特に注目したいのは…
この作品で、若本紀昭さんはヴァルヒスの側近の剣士デノンを演じておられます。
しかし、この時点では若本紀昭さんのあの独特な言い回しが開花しておらず、現在の若本紀昭さんの仕事ぶりとは明らかに違います。若本紀昭さんの成長・変化ぶりが伺え、聴覚に意識を向けるだけで楽しみ方も広がると思いますよ。
ストーリーという部分に着目してみると、主人公アモンは幼いころに母親を殺され、剣の達人としても高名な吟遊詩人エナクに剣術を習っていたというエピソードがあります。
なんだかんだと弟子を気にしている師匠の存在も両者に共通していて、少しニンマリするところです。有りがちな設定といえばそうなのかもしれませんが、このようなシチュエーションが好きなユーザーには堪らないでしょう。
アモンは『るろうに剣心』の緋村剣心ほどの強さは発揮しませんが、アモンが背負う剣の切れ味は日本刀のようで、その威力は凄まじいです。アモンはまだ上手く扱えていないような気がしますが、それでも、水竜の首を一振りで切り裂いてしまうところは少し痺れますね。
アモンとヴァルヒルとの戦いにも迫りたいところですが、そこはネタバレが過ぎると思いますので、記事での記載は控えておきますね。
OVA版『アモン・サーガ』のまとめ
原作の作画を担当し、圧倒的な画力を誇る天野喜孝さん。その画のタッチを再現できているとは思えませんが、それでも頑張ったほうだといえるでしょう。天才と呼ばれる天野喜孝さんと肩を並べるアニメーターを揃えて制作されたのならともかく、現実はそうじゃないでしょうし、スケジュールや時間的な制限もあったはずです。そういった状況下の中で最善を尽くして制作されているのだろうと推測されます。
声優陣という部分に着目してみても面白いし、他のアニメ・漫画作品などと比較してみても楽しんでいただけるはず。記事内には本編動画も掲載していますので、ぜひこの機会にご覧になって、その魅力をご自身の目で確かめみてくださいね。