探偵事務所23 くたばれ悪党ども
探偵事務所23 くたばれ悪党ども | 映画 | 日活
これ、何がスゴイかって宍戸錠は撃って殴るだけじゃ物足りないとばかりに、唄うは踊るは八面六臂の大活躍。キテレツ、いえいえエンターテナーとはまさにこのことか!白眉ですわぁ。
監督は鈴木清順、言わずと知れた巨匠です!この時期は宍戸錠だけではなく鈴木清順もまた「野獣の青春」「悪太郎」「関東無宿」などなど充実した作品を量産している時期です。
が、本作は当時の鈴木作品の中でも若干毛色が違ったものになっているようです。
探偵事務所23シリーズとしてもう1本「探偵事務所23 銭と女に弱い男」というのが公開されていますが監督は柳瀬観に代わっています。
野獣の青春
「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」と同年、宍戸錠を主役に据えて鈴木清順監督が撮った傑作映画「野獣の青春」。これは「探偵事務所23 くたばれ悪党ども」とは違って本格ハードボイルド・アクション映画となっています。
野獣の青春
野獣の青春|MOVIE WALKER PRESS
元刑事で風来坊という設定で水野錠次という名前こそ付けられていますが、ジョーです。
野獣の青春かぁ、いったいどんな青春なんだ~!青春と呼ぶには余りにも危険な香りがする。そんな青春はご免だ~!と思いますよね。恋にうつつを抜かし、だらけ切った70年代の青春とは全く違う青春が確かにここにはある!というわけです。
拳銃は俺のパスポート
拳銃と書いてコルトと呼ぶ。コルトは宍戸錠の代名詞。「拳銃は俺のパスポート」は宍戸錠にとって最高傑作といっていいでしょう。
宍戸錠の役柄は殺し屋であってもユーモラスなものが多いのですが、本作ではコミカルな演技を一切封印し、ストイックな役柄に徹しています。それが素晴らしい。緊張感が漲ってますよ。
まぁ、コミカルな宍戸錠が好きという意見も分からないではないですけどね。
拳銃は俺のパスポート
なんと脚本執筆に4日、撮影には20日という超短期間で製作された、やっつけ仕事のような作品でありながら、これは素晴らしい出来栄えです。
もっとも当時の日活B級活劇映画の多くは低予算で過密スケジュールというのは普通のことだったそうですけどね。
それにしても全編これハードボイルド!緊張感、躍動感はハンパなく独特の魅力を備えた作品で、後年カルトな傑作として評価が高まったのも頷けます。
宍戸錠自身、本作が「もっとも好きな出演作品」と語っています。
ラストの決闘シーンのガンアクションをはじめ、多くのアクションのアイデアを宍戸錠は提案し採用されているそうですので、思い入れが強いのも頷けますね。