『トップをねらえ!』とは?
OVA版『トップをねらえ!』
オリジナルビデオのアニメという分野ながら、現在では映画『シン・ゴジラ』や『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズなどで有名な庵野秀明さんによる初監督作品。後世のアニメ業界に多大な影響を与えたコンテンツといえます。
もともとは…
劇場版アニメ『王立宇宙軍オネアミスの翼』
こちらの作品を制作して解散するはずだったガイナックス。しかし、『王立宇宙軍オネアミスの翼』の興行不振によって多額の借金を抱えてしまい、それを返済するために制作されたのが今回の記事でご紹介する『トップをねらえ!』なのです。
今回の記事では、そんなOVA版『トップをねらえ!』の内容を振り返っていきたいと思います。
OVA版『トップをねらえ!』の本編動画・ストーリー
第一話
第二話
第三話
第四話
第五話
第六話
物語の舞台は、人類が宇宙に進出するようになった21世紀の地球。人類は宇宙怪獣と呼ばれる途方もない生物群の脅威に迫られており、その脅威に立ち向かうべく、生き残りをかけた決戦兵器ガンバスターの開発を進めていました―――。
主人公は、パイロットを養成するための専門機関として設立された沖縄女子宇宙高等学校に通うタカヤ・ノリコ。彼女の父親は宇宙怪物と交戦して消息不明となった宇宙船『るくしおん』の艦長であり、ノリコは父親との再会を願って宇宙にいくことを目指しています。
しかし、ノリコはすば抜けた体力の持ち主でありながらも、マシンの操縦はまるでダメで劣等生の烙印を押されていました。そんな彼女にパイロットとして特別な才能を見出した教官オオタ・コウイチロウ。ノリコにはひと一倍きびしい特訓を課し、そんな特別扱いに嫉妬した同級生からのいじめも乗り越えていくことに。
もう一人のヒロインであるアマノ・カズミは全校生の憧れの的の優等生。ノリコはカズミをお姉さまと呼び、交流を深めることで、その才能を開花させていきます。宇宙では良きライバルとしてガンバスターのパイロットの座を争うユング・フロイトと出会い、遭難したはずのノリコの父親の乗る宇宙船『るくしおん』とも遭遇。
このようなことを経て、いよいよ物語は宇宙怪物との戦いに突入していくのでした…
OVA版『トップをねらえ!』の魅力とは?
作品タイトルを見て、すぐ気づくユーザーも多いと思いますが、『トップをねらえ!』は…
これらの作品のオマージュとして作り出されたものです。
スポ根アニメとパイロット養成という二つの要素を組み合わせた内容として、当時の視聴者には革新的なものに映ったはず。とくに美少女ものといったセンスにも庵野秀明さんのセンスが光っていますね。
こういったエッセンスはどことなく…
こちらの作品にも継承されている気がします。
パロディ・オマージュという部分を挙げるなら…
こちらのネタも『トップをねらえ!』の本編につかわれています。
『宇宙戦艦ヤマト』の沖田艦長は宇宙放射線病という不治の病を患っていますが、OVA版『トップをねらえ!』のオオタも同じ病名の病に冒されていて、そこにはSFアニメの重鎮・松本零士さんへの強いリスペクトが込められているように思えますね。
全てを挙げだしたらキリがないくらい。さりげなく、そういったテイストをアニメ本編に盛り込んでいるところに庵野秀明さんの非凡さを感じさせます。そこには、その後に彼が手掛ける作品の原点があり、他作品や偉大な先生・先輩たちへの想いを感じ取れます。
体操服・ブルマ姿でロボットを操縦するノリコやカズミといったヒロインの存在も、その手のマニアには堪らない演出ですよね。現在のアニメ作品と比べてみると、さすがに精彩さには欠けしまうかもしれませんが、当時のインパクトは相当のものでした。
少女漫画の百合を思わせるテイストに、スポ根・ロボットアニメという組み合わせはミスマッチのようでいて、とてつもない衝撃を当時のユーザーに与えましたね。その独自性こそ、OVA版『トップをねらえ!』の最大の魅力といえるでしょう。
OVA版『トップをねらえ!』のまとめ
『エースをねらえ!』『トップガン』といった二つの異なるジャンルの要素を掛け合わせて生み出されたOVA版『トップをねらえ!』。他アニメ作品のオマージュなども盛り込まれていて、往年のアニメファンなら思わずニンマリさせられる場面も多いでしょう。
物語序盤はドタバタと騒がしくストーリーが展開していきますが、終盤に魅せる恋愛劇やノリコの成長といった要素は多くのユーザーの心を鷲掴みにすると思います。記事には本編動画を掲載していますので、この機会にご覧になって、その魅力をご自身の目で確かめてみてくださいね。