トイカメラとは?
おもちゃの素材でできたおもちゃのようなカメラのことです。筐体・レンズ等、ほぼ全体を構成する素材が合成樹脂などでできていて、一般的なカメラに比べてお手頃価格で購入することができます。
雑貨屋さんなどで簡単に手に入れることができ、デザインもかわいかったです。デジカメの普及する前は使い捨てカメラを使っていた人が多いと思いますが、トイカメラも人気でしたよ。
フィルムのセットが難しく、最初の数枚は映っていなかったり、変な光が入っていたり、しっかりまかないと画像が二重になっていたりちゃんとした写真が撮れていないということも多々あるのですが、それもトイカメラの魅力の1つだと思います。デジカメには絶対にとれない画像なのであるいい芸術的!今でもファンが多いんですよ。
ちなみに、デジカメのトイカメラもあり、「トイデジ」と呼ばれています。最近は携帯電話のカメラの画質が向上したので安価なデジカメというものに需要がなくなりつつありますが、こちらも根強いファンがいます。
また、子供がおもちゃとして使えるようなある意味本物のトイカメラも出ています。
このページではフィルムタイプのトイカメラをいくつかご紹介していきますね。
ホルガ(HOLGA)

トイカメラの代表とも呼ばれるカメラ。1982年に香港で誕生した中国製のカメラです。
当初は安価で大量に流通することを目標に作られました。低品質の材料と単純な凹凸レンズでできたホルガは、背景が暗くなったり、ボケたり、光が入っていたりとかなり品質が劣っていました。同じカメラを使っても二度と同じような写真が撮れなかったり、フィルムのセットの仕方によってうまく撮れていなかったりということもあります。
カメラとしては欠陥が多いので大衆に普及するカメラにはなりませんでしたが、一風変わった写真が撮れるということでカルト的な人気を集めるようになり、世界中にファンがいます。トイカメラの愛好家だけでなく、芸術家にも支持されているカメラですよ。
私も持っていましたが、普通に人物を撮ったり、思い出を残すために撮るのではなく「何か面白い写真が撮れないかな」という感覚で使っていました。
一般的な35mmフィルムではなく、120フィルムという縦長の中判フィルムを使います。6×6という正方形か6×4.5の長方形の写真が撮れます。インスタなんてなかった時代ですが、真四角の写真はそれだけでなんだかおしゃれな感じがありました。
安価なカメラということですが本体は1万円弱、フィルムも35mmに比べると高いので他のトイカメラや使い捨てカメラに比べると割高でした。
それでも撮りたくなる魅力があるんですけどね。
最初は120フィルムを使うカメラだけでしたが、その後135フィルムや110フィルムを使うカメラも発売されました。
LOMO LC-A

LOMO LC-Aはオーストリアのロモグラーフィシェ株式会社のカメラでソビエト連邦(現ロシア)で製造されました。発売は1984年です。もともとは日本のカメラメーカーコシナが1980年に発売した「コシナCX-2」というカメラをコピーしたものなんです。
現在ではロシアでの生産は終了しているのですが、レプリカとして「ロモLC-A+」が発売されています。
ロモグラフィーは自社のカメラを「トイカメラ」とは呼んでいないのですが、カメラの構造や素材を見ると「トイカメラ」と分類するのが正しいのではないかと思います。
LC-Aは135フィルムを使用していましたが、現在は35mmフィルムを使用する商品も発売されています。
ロモグラフィーでは2011年に30秒の動画が撮れる「ロキモノ」という商品も発売しています。トイカメラで動画が撮れるとは、時代ですね。レトロな動画も面白そうです。
ハリネズミカメラ
ハリネズミカメラは超コンパクトなトイカメラ。キーホルダーが付いているのがお分かりでしょうか。3cm×4cmというサイズのカメラなんです。価格も1,000円ほどだったので本当にお手軽に買えるカメラです。
こんな小さなカメラにフィルムが入る??と見たことがない方は疑問に思うでしょう。はい、入りません。120フィルムを差し込むような形になります。
フィルムをつけると3倍くらいの大きさになるのです。それでもとってもコンパクトですけどね。
ハリネズミカメラという名前ですが、ハリネズミ以外にもパンダやウサギ、リスなど色々な動物がありました。ゆるキャラのような感じでどれもかわいいですよね。
110フィルムは一時廃盤になっていたのですが、現在は復活しているのでまたハリネズミカメラで写真を撮ることができますよ。
ちなみに、現在は同じ形のデジタルハリネズミというデジタルカメラも販売されています。
ポラロイド
ポラロイドカメラは1937年にポラロイド社から発売されたインスタントカメラです。デジカメのない時代、撮った写真がすぐみられるというのは画期的でしたよね。
そして四角いフィルムに白い余白という写真もなんともかわいいですし、カメラのフォルムもたまりません。
日本ではその後インスタントカメラチェキが発売され大人気になります。ポラロイドカメラに比べてコンパクトで持ち運びやすいですよね。ですが私は断然ポラロイド派でした。正方形の写真のかわいさにはかないません。同じようなファンの方も多いでしょう。
さらに、デジタルカメラの普及によってポラロイドカメラは衰退、2008年に本体、フィルムともに生産中止してしまいました。
ですがポラロイドカメラのファンの有志がフィルムの再生産を行います。さらに、新しいカメラ本体も発売されました。
デジタルカメラの全盛期でも、フィルムカメラにしかない魅力はあります。特にトイカメラはファンが多いので今でも販売している製品が多いんですよ。