人魚シリーズとは?
人魚シリーズ
コミック『人魚シリーズ』は、第一巻『人魚の森』、第二巻『人魚の傷』、第三巻『夜叉の瞳』の三部で構成されています。
OVA版『人魚の傷』
前作のOVA版『人魚の森』とは異なり、本作は原作コミックを比較的忠実に再現したものです。今回の記事では、こちらOVA版『人魚の傷』の内容を中心に振り返っていきたいと思います。
OVA版『人魚の森』の本編動画・ストーリー
原作には同じ境遇の真魚と出会うエピソードも存在しますが、OVA版では割愛されており、すでに湧太は真魚と共に旅をしているところから物語はスタートします。
行く宛てもなく、電車に乗って地方に向かう湧太と真魚。車内、湧太たちの向かいの席には小さな男の子が一人で乗っており、ふと湧太はその男の子に声を掛けるのでした。男の子の名は真人といい、母親と一緒に暮らすことになったため、母親の元に向かっているのだと話します。
真人の目的地は湧太たちと同じ駅だったようで、一緒に電車を降りると、真人の母親らしき人物が迎えにきていて、湧太たちと真人はここで別れることに。湧太たちは住み込みで働ける工事現場でお世話になるのですが、思わぬところで真人と再会し、再び人魚の肉を巡る不幸に巻き込まれて…
OVA版『人魚の傷』の魅力とは?
オービー企画のアニメーション制作が下手というわけでもないのでしょうが、それぞれの発売に約2年という月日が経過していることもあって、両者の映像クオリティーに明らかな差があるのは確かです。
湧太はイケメンに描かれていて、真魚も可愛らしい描写になっています。風景や動きというような部分も細かくて、とくにクライマックスでは迫力のある映像に仕上げられていますよ。アクション映画を観ているような感覚が味わえて面白いです。
ほぼほぼ”なりかけ”になるのは分かっているはずなのに、自分の都合を押し付けて人魚の肉を食べさせるとか怖すぎです。とくに結婚が決まり、幸せな未来が開けている女性をターゲットにするという展開はあまりにも切ないですね。
人間なら誰しもが憧れる不老不死。しかし、本作『人魚の傷』をはじめ、人魚シリーズでは不老不死になったばかりに抱える苦しみという部分に焦点が当てられています。あらためて、生きるとは?死ぬとは?幸せとは?そんな疑問について自問自答してしまいますね。
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OVA版『人魚の傷』のまとめ
高橋留美子さんによる短編漫画集『人魚シリーズ』のアニメ化第2弾、OVA版『人魚の傷』。2003年には地上波アニメとしてリメイクされていて、今回の記事でご紹介した『人魚の傷』のエピソードもしっかり再現されています。OVA版と地上波アニメ版を見比べてみるのも面白いと思いますよ。
人間の内面にフォーカスしているだけなのに、少しずつ狂気に変わっていくところは背筋がゾっとしますね。リアルに人間はあんなに怖くなれるものなのでしょうか。
記事内にはOVA版『人魚の傷』の本編動画も掲載していますので、この機会にぜひご覧になって、その面白さをご自身の目で確かめてみてください。ラブコメでお馴染みの漫画家・高橋留美子さんの少し違った一面を覗いてみては如何でしょうか。り