元祖CMソングの女王「藤本房子」ってご存じですか?
皆さんは「藤本房子(ふじもと ふさこ)」という歌手をご存じでしょうか?70年代から90年代にかけて、昭和・平成を代表するCMのサウンドロゴ(企業名などをアピールするための短い音源)などを多数担当した人物で、元祖CMソングの女王とも呼ばれています。この記事では、そんな藤本の経歴について書いてみたいと思います。
藤本房子を特集した70年代の貴重な記事。
フォークグループのメンバーとしてデビュー!
藤本は1950年、東京都出身。1970年にフォークグループ「ウッドペッカー」のメンバーとしてデビューを飾り、1969年から1975年にかけて放送されたテレビ番組「オールナイトフジ(※80年代の同名番組とは別のもの)」などへの出演や、堺正章のバックコーラスを担当するなどしていたもののヒット曲には恵まれず、シングル5枚とアルバム1枚を発表した後にグループは解散しています。
貴重なシングル「大地の花嫁」

CMの世界に活路を見出す!!
フォークソングの世界では残念ながら芽が出なかった藤本。そんな彼女が次の活動の場として選んだのは「CMソング(コマソン)」の世界でした。1976年に森永製菓「ピッツェル」、日本ハム「ウイニー」などを担当したのを皮切りに、本格的にCMソングに参画していくこととなります。
サントリー「オレンジ50」で一躍注目を浴びる!
初期の代表作として挙げられるのは、サントリー「オレンジ50」。原田美枝子が出演していたジュースのCMで、「私言います母さんに~オレンジ50~もう~一杯♪」の印象的なフレーズで話題となりました。
「オレンジ50」以降、藤本の子供のような可愛らしい歌声は業界の注目の的に。カルビー「ポテトチップス」のサウンドロゴ「カルビーの~ポテトチップス♪」や、ツカサ都心開発「ウィークリーマンション」のサウンドロゴ「よんよんまるまるわんわんわん♪」、白元「ホッカイロ」のサウンドロゴ「ホッカ~イロ♪」など、昭和から平成初期におけるCMで彼女の声は引っ張りだことなりました。
カルビー「ポテトチップス」
ツカサ都心開発「ウィークリーマンション」
白元「ホッカイロ」
上でご紹介したCM以外にも、サクラクレパス「サクラクーピー色鉛筆」、小泉産業「コイズミ学習机」、カバヤ「ジューC」、東ハト「ポテコ」など、担当したCMは実に4000件以上。日本のテレビから彼女の声が聞こえない日はない、と言っても過言ではありませんでした。
アニメソングなども多数担当!!
CMソングの女王として活躍した藤本ですが、その一方でアニメや児童向け番組にも進出。テレビアニメ「パタリロ!」のオープニングや特撮「ロボット110番」のオープニング、さらにはフーコ名義で「ひらけ!ポンキッキ」の楽曲「サンデーパパ」「つんつるてん」などを担当していました。

現在は何をやってるの?
CMソング、アニメソングなどで活躍する傍ら、松田聖子、原田知世、遊佐未森といった歌手のライブツアーでバックコーラスを担当することもあった藤本。彼女の近況ですが、ウッドペッカーの元メンバーで後に結婚した夫の田中章らとともにライブを行ったり、昭和サブカルチャー研究家で声帯模写パフォーマーの剣持光のインタビューに応じるなど、散発的な活動を展開している模様です。
藤本房子の近影はこちら!
CMソングという特性から、CDなどの音源として残ることが少ない藤本の歌声。しかしながら、彼女の歌声はどれもミドル世代の心に刺さるものばかりです。DVDなどのパッケージで発売されることがないためか、各企業はYouTubeにアップロードされている昔のCMについて黙認しているケースがほとんどと思われますので、懐かしの歌声を久々に聴きたくなった方は、是非YouTubeで探してみましょう!
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