水泳帽子の歴史

水泳帽子の歴史

現在は、主に素材はメッシュやシリコンとなり、伸びがよくフィットして被りやすい水泳帽子。日本で初めて小学生用として作られた水泳帽子を調べてみました。


水泳帽子=スイムキャップとは

水泳帽子(スイムキャップ)は、水泳の際に用いる帽子ですよね。
スイミングキャップ、水泳キャップ、水泳帽とも呼ばれています。

素材の種類は、水着と同じ素材のトリコットや、メッシュ、シリコン、
シリコンコーティング、ラテックスなどさまざま。

小学生の頃に初めて被った水泳帽子は、ゴム(ラテックス)で、毎回
被るのが大変で、髪の長い子は先生の手助けがないと被れませんでした。

さて、この水泳帽子はいつから被るようになったのでしょうか。

小学生用を日本で初めて作ったのは「フットマーク」

1946年(昭和21年)、赤ちゃんのおむつカバー・ぞうり袋・ リュックサックなど
の学童用品を目的として、ゴム布製品製造卸会社の磯部商店として創業したのが、
現在の「フットマーク株式会社」です。

創業者の磯部成文(左側)

なんにもないから知恵が出る―驚異の下町企業フットマーク社の挑戦― | 磯部 成文, 三宅 秀道 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon


この会社が、初めて小学生用の水泳帽子を製造し販売しました。

創業当初は、幼児向けの布製おむつを主力に、草履袋やリュックサック などを製
造していました。

1963年(昭和38年)には、新製品ケミフォームおむつカバーを発売。
なんと1969年(昭和44年)には、皇室紀宮様ご誕生に際し、おむつカバーを献上。
しかし、1970年代より製紙メーカーによる紙おむつが主流になり始めるのです。

おむつカバーからなぜ?

順調におむつカバーを製造・販売していたフットマークですが、このおむつ
カバーには問題があったのです。

それは、当時布おむつが主流で、おむつカバーは漏れを防ぐためにビニール製と
いうのが定番でした。
これが、夏になるとおむつカバーの中が蒸れ蒸れ。
夏のおむつカバーの売り上げが激減してしまったのです。

そこで、業務転換のために考えたのが「水泳帽子」となるのですね。

でも、どうして水泳帽子となったのかというと、
「おむつと形が似ていて、試しに頭に被ってみると丁度良いフィット感だった」
という理由なのだそうです。
ほかにも、水泳帽子の製造には、おむつの縫製技術や耐水技術を転用できると
いうことこともあったのだそう。

ということで、1969年(昭和44年)水泳帽子の開発・製造・販売へと至るのです。

いつから授業で水泳帽子は被られた?

1960年代の夏の娯楽といえば海水浴だった時代。
特に、女性や女の子は、海水帽を被っていました。


それは、海水浴だけでなく小学校プールでも見かけることがあったのです。
女の子のカラフルな海水帽は、週末になると濁ってしまうプールの中でも
存在がわかりやすかったのです。
それならば男の子も被れば、より先生が子どもの存在がわかりやすく安全
が保たれるのでは?とフットマークは考えました。

ですが・・・。

日本では、1955年(昭和30年)の学習指導要綱にて全国の小中学校に対し
てプールの設置と水泳授業への取り組みを明記され、プールの設置と授業
がはじまったのですが、全国全小中学校のプール設置には時間がかかりま
した。

ですので1969年(昭和44年)に完成し販売された水泳帽子は、全国にプー
ルがなかったため、発売から数年は、なかなか売れなかったのです。

しかし、プールも普及し、小学校・中学校の体育の水泳授業が導入された
ことで、学校に対して売り込みを実施。
水泳帽子を色別に分けたり、各色のマジックテープを貼ることによって各人を
泳力別に分けることができる点が、教師からの支持を集めました。

1970年代には、全国の小中学校の授業で水泳帽子を被るようになりました。


1972年(昭和47年)には、財団法人日本水泳連盟推薦の水泳帽子となり、水泳
帽子における商品構成・生産数量ともに日本一のシェアを占めるようになりました。
そのほかにもスイミングバッグの開発、販売を開始。

ミュンヘンオリンピック日本水泳チームに、フットマークの水泳帽子が採用される
までになりました。

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