【ダンス・ウィズ・ウルブズ】第63回(1991年度)アカデミー賞を振り返る!【ジェレミー・アイアンズ】

【ダンス・ウィズ・ウルブズ】第63回(1991年度)アカデミー賞を振り返る!【ジェレミー・アイアンズ】

1991年と言えば、ソビエト連邦が崩壊した年。湾岸戦争が勃発したりと、世界で歴史的なできごとが起こった印象的な年であった。そんな1991年のアカデミー賞を振り返ってみよう。


第63回アカデミー賞

第63回アカデミー賞は1991年3月25日に行われたアカデミー賞発表・授賞式である。

シュライン・オーディトリアム(Shrine Auditorium)は、アメリカカリフォルニア州ロサンゼルスにある劇場。

会場となったシュライン・オーディトリアム

第63回目のアカデミー賞授賞式は、 シュライン・オーディトリアムで行われた。
結果は、ケヴィン・コスナーの『ダンス・ウィズ・ウルブズ』が、作品賞、監督賞、脚色賞を含む7部門を受賞した。
また、日系人監督スティーヴン・オカザキの『収容所の長い日々/日系人と結婚した白人女性』が短編ドキュメンタリー映画賞を受賞している。

作品賞『ダンス・ウィズ・ウルブズ』(Dances with Wolves)

『ダンス・ウィズ・ウルブズ』は、1860年代のフロンティアを舞台に、北軍の中尉とスー族と呼ばれるインディアンとの心の交流を描いた西部劇映画。

フロンティアへの敬意・郷愁を描いている点で従来の西部劇とは大きく異なる。また、これまでの「インディアンは片言の英語を話す」というステレオタイプからも脱却しており、「インディアンたちが彼らの言語で喋る」、という点でも話題を集めた。

第48回ゴールデングローブ賞 作品賞も獲得。のちに、「4時間アナザー・ヴァージョン」と呼ばれる全長版が公開された。

ダンス・ウィズ・ウルブズ

作品賞のその他の候補作は以下の通り。

レナードの朝
ゴースト/ニューヨークの幻
ゴッドファーザー PART III
グッドフェローズ

監督賞:ケヴィン・コスナー『ダンス・ウィズ・ウルブズ』

ケヴィン・コスナーは監督および製作であると同時に、主役のジョン・ダンバー中尉(狼と踊る男)を演じている。

コスナーは実はチェロキー族インディアン、ドイツ、アイルランドの混血である。1987年の『アンタッチャブル』の主演をしたことで一躍有名になった。

環境保護活動にも意欲的で、1992~1993年ごろから、石油回収技術を開発する企業オーシャン・セラピー・ソリューションズに2000万ドル以上の私財を投じ、水と油を分離させる遠心分離機を開発させている。

ケビン・コスナー(Kevin Costner)

他の監督賞ノミネートと作品は以下の通り。

フランシス・フォード・コッポラ(ゴッドファーザー PART III)
スティーヴン・フリアーズ(グリフターズ/詐欺師たち)
バーベット・シュローダー(運命の逆転)
マーティン・スコセッシ(グッドフェローズ)

主演男優賞:ジェレミー・アイアンズ『運命の逆転』

『運命の逆転』は、1980年のクラウス・フォン・ビューロー事件を映画化したもので、アラン・ダーショウィッツの『Reversal of Fortune: Inside the von Bülow Case』を原作としている。

ジェレミー・アイアンズはイギリスの法律家、演劇評論家のクラウス・フォン・ビューロー役で受賞した。受賞スピーチでは、自身が双子役をして高く評価された『戦慄の絆』の監督であるデヴィッド・クローネンバーグに対し、機会を与えてもらった事への謝辞を述べた。

ジェレミー・アイアンズ(Jeremy Irons)

主演男優賞のノミネートは以下の通り。

ケヴィン・コスナー(ダンス・ウィズ・ウルブズ)
ロバート・デ・ニーロ(レナードの朝)
ジェラール・ドパルデュー(シラノ・ド・ベルジュラック)
リチャード・ハリス(ザ・フィールド)

主演女優賞:キャシー・ベイツ『ミザリー』

『ミザリー』は、スティーヴン・キングの同名小説を映画化したもの。大衆向けロマンス小説「ミザリー・シリーズ」の作者ポールが自動車事故に遭い、彼のファンの中年女性アニーが助けるが、彼女はポールを看病すると言いつつ拘束・監禁してしまうストーリー。

キャシー・ベイツは狂気の中年女性アニー・ウィルクス役での受賞。ゴールデングローブ賞 主演女優賞(ドラマ部門)にも輝いている。

キャシー・ベイツ(Kathy Bates)

他に主演女優賞にノミネートされた方は以下の通り。

アンジェリカ・ヒューストン(グリフターズ/詐欺師たち)
ジュリア・ロバーツ(プリティ・ウーマン)
メリル・ストリープ(ハリウッドにくちづけ)
ジョアン・ウッドワード(ミスター&ミセス・ブリッジ)

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