アメリカ大統領選挙を知っていますか?
突然ですが、アメリカ大統領選挙をご存知ですか?
そんな事、当然知っている!という声が聞こえてきそうですがちょっと待ってください。
先日行われたアメリカの大統領を決める重要な選挙・・・の方ではなく、ファミコンソフトの「アメリカ大統領選挙」の事です。

ファミコンには様々なジャンルのゲームソフトが発売されましたが、1988年にヘクトが世に出したソフトのタイトルが、その名も「アメリカ大統領選挙」というものでした。
ゲームジャンルとしてはシミュレーションゲームに分類され、現実で行われるアメリカ大統領選挙さながらに、予備選挙から党大会を経て本選挙でアメリカの大統領を目指すという社会派なゲームでした。
一体誰得?想定するターゲット層がニッチすぎるゲーム内容
数あるファミコンソフトの中には、完全に「大人」をターゲットにしたであろう作品も多く存在します。
ファミコン初期時代から発売され、累計出荷本数でも10指に入る「麻雀」や、歴史好きの大人や子供をターゲットにしたシミュレーションゲーム「信長の野望」シリーズなどは有名ですよね。

ところが、ヘクトが発売した「アメリカ大統領選挙」は一体誰をターゲットにしているのかが、イマイチ判然としません。
日本人はアメリカに憧れを抱いているフシがあるのは否めませんし、アメリカの政治や大統領選に興味を持つ方も少なくない事も確かです。
しかし・・・これは筆者の個人的な解釈ですが、先日のアメリカ大統領選挙に関しても「トランプ政権がどうなるか?」という話題性ありきで、皆が並々ならぬ興味を示しただけで1980年代当時はそこまで大きな興味を持っていた人が居たのかは疑問が残ります。
ゲームとしての評価は意外に高い(ファミ通レビューでは23/40点)ですが、少なくとも筆者の周りでは自分も含めてこのゲームを持っている人は居なかったと記憶しています。
かなり攻めたニッチな層をターゲットにした「アメリカ大統領選挙」ですが、どんなゲーム内容だったのかを少し紹介しましょう。
アメリカ大統領選挙(FC)のゲーム内容・プレイ動画
前述の通りターゲット層はかなりニッチなアメリカ大統領選挙ですが、ゲーム内容やその作り込みには高評価を付ける人も少なくありません。
現実と同様に共和党か民主党から候補を一人選び、秘書と共に民衆の支持を得られる政策を打ち出していく・・とまさに大統領選を疑似体験できる内容となっています。
時代を感じる候補者6人
アメリカ大統領選挙では、大統領候補を目指す候補を総勢6名から選ぶ事が出来ました。
当時の政治家をモチーフにしたであろう候補も多く、時代を感じられる候補者たちとなっています。
・プッシュ候補(共和党)
ブッシュではなく、「プ」ッシュ候補です。
元ネタはもちろんブッシュ大統領ですが、時代背景を考えればお父さんのジョージ・H・W・ブッシュの方をモチーフにしていますね。(この親子、顔そっくりですけどね)

・サッシャー候補(共和党)
こちらも、「鉄の女」という呼び名で有名なサッチャー首相がモチーフになっていますね。
アメリカ大統領選挙なのに、イギリスの政治家が出馬とはこれいかに・・・と言うのは野暮でしょうか(笑)

・ロバルト候補
バージニア州出身の反共産主義を掲げる候補。
誰がモチーフなんでしょうか(汗)
ケネディ元大統領の兄が、ロバートでしたが彼は民主党でしたので違いますね。
ニクソンやレーガン?とも思いましたが、顔がかなり違うので候補の元ネタが絞れませんでした。
・デカキス候補(民主党)
こちらは、現実でブッシュ大統領と選挙を戦ったデュカキス候補が元ネタです。

・ザクソン候補(民主党)
リベラル派の牧師で、黒人候補となっています。
ゲームで、後のオバマ大統領誕生を予見していたのでは・・と考えるとすごいゲームですよね。
・スズキ候補(民主党)
日系二世の上院議員で、日本人顔のオリジナルキャラクターでしょうか。
ゲーム内で選ぶ事が出来る政策からも時代を感じる
アメリカ大統領選挙は、非常に本格的な社会派シミュレーションゲームでした。
候補が掲げる政策も、環境問題や外交問題をはじめとする6つの問題にたいして、それぞれ7~8項目が選べるようになっていました。
令和となった現代にも通ずる内容も多いのですが、対ソ連防衛力やスターウォーズ計画など、時代を感じさせる選択肢がある事も、大きな特徴となっています。
百聞は一見に如かず!プレイ動画を紹介
中々に骨太な社会派シミュレーションゲーム「アメリカ大統領選挙」ですが、実際にどんなゲームだったのかは、プレイ動画を見るのが一番判りやすいかもしれません。
ファミコンなので、とてもシンプルな映像とテキストで構成されたゲームですが、当時のアメリカが抱えていた様々な問題を勉強感覚で覚えるには役立つソフトですよね。
まとめ
伝説のファミコンソフト「アメリカ大統領選挙」はいかがだったでしょうか。
最終的な累計出荷本数は不明ですが、アマゾンや楽天で販売価格が3,000~9,000と高額に設定されている事から、恐らく出荷本数がそこまで多くない(希少性が高い)のでないかと考えられます。
ゲームが多様化して様々なジャンルやユーザーが増えた現代なら、もしかすると需要が多かったのかもと思うと、少し早すぎた名作なのかもしれませんね。
最後までお読みいただきありがとうございました。