我が道を貫いた俳優・唐十郎さん
唐十郎さんのプロフィール
唐十郎さんの経歴・エピソード
地元の公立小学校に通っていた唐十郎さん。中学は私立駒込中学、高校は東邦大学附属東邦高校、大学は明治大学の文学部演劇科を卒業しています。
結成当時は金粉ショーをネタにキャバレー回りをして、芝居の資金に当てていたそうです。
『状況劇場』は過激な内容で知られており、1967年に新宿の花園神社境内にて『腰巻お仙―義理人情いろはにほへと篇』を上演。しかし、伝統を重んじる神社から『腰巻』に対してクレームが入ったため、『月笛お仙』と改題していますが、翌週には元題の『腰巻お仙』に戻して興行しました。
神社側から改めて使用禁止が言い渡され、『状況劇団』は花園神社で上演することが不可能になります。
1969年、東京都による中止命令を無視して、新宿西口公園で『腰巻お仙・振袖火事の巻』の公演を決行。しかし、機動隊200名に包囲されてしまい、上演終了後には唐十郎さんを含めた劇団の主要メンバー3名が現行犯逮捕されました。

1972年に再び韓国に訪れると、無許可で、金芝河さんによる演劇『金冠のイエス』と同時に、『二都物語』を韓国語で上演しました。
1973年にはバングラディッシュに渡って演劇『ベンガルの虎』を、1974年にはレバノン・シリアの難民キャンプで『アラブ版・風の又三郎』の公演を、それぞれ現地の言葉で行なうといった活動もしています。この時の赤テントの買い替え費用は、お酒の席で約束した赤塚不二夫さんが出したそうで、その総額は1970年代の半ばという時期で750万円に及ぶ金額だったという逸話があります。
1988年、『状況劇団』を解散して、新たに劇団『唐組』を旗揚げ。唐十郎さんは作家・演出・演者の三役をこなします。1990年代後半になると、大学教授としての仕事が舞い込むようになりました。横浜国立大学では教授として講義を行ない、さらに学生たちによって立ち上げられた『劇団唐ゼミ☆』を指導しました。
その後、2005年に退職すると、近畿大学の客員教授となって2010年まで講義をしています。2012年には母校である明治大学・文学科の客員教授にも就任されました。
唐十郎さんのご家族
1988年には離婚してしまいましたが、翌年には再婚しており、現在も夫婦二人で仲良く暮らしているものと思われます。
長女は大鶴美仁美さんといい、次男は大鶴佐助さんとなります。3人とも俳優として活動しており、ご両親の背中を追いかけるような人生を歩まれています。
唐十郎さんの主な代表作品
主に舞台俳優として活躍されてきた唐十郎さんですが、映画やテレビドラマといった分野にも出演しています。舞台はご紹介しきれませんが、映画・テレビドラマや著書をご案内させていただきます。
映画作品
内容&あらすじ
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内容&あらすじ
Wikipedia – 銭ゲバ
テレビドラマ
おすすめポイント
司会はタモリさんが務め、数話のオムニバス形式で構成されるテレビドラマ番組。サブタイトル『ニュースおじさん』の回では、唐十郎さんが主役を演じ、ニュースおじさん役をしています。『世にも奇妙な物語』はストーリー的にも面白く、ついつい世界観に惹き込まれてしまいますね。
著書
『特権的肉体論』
内容&キャッチ

『佐川君からの手紙』
内容&キャッチ
オランダ人の若い女性を殺した、という手紙を犯人の日本人男性から受け取った作家は、事件の現場であるパリを訪れることになる。パリ人肉殺人事件の真相に迫った芥川賞受賞作品にその後日譚を加えた完全版。
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『ダイバダッタ』
内容&キャッチ
我が道を貫いた俳優・唐十郎さんまとめ
世の中のルールに縛られず、逮捕覚悟で俳優としての信念を貫いた唐十郎さん。無茶苦茶ですけど、その生き様は男として憧れるものがあります。そんな唐十郎さんですが、近年の活動といえば、2015年に著書『ダイバダッタ』を発売して、2018年には節分で豆まきをしている様子が確認されています。しかし、それ以降は追跡してみても情報は出てきませんでした。
根っからの役者である唐十郎さんが隠居しているとは考えづらいのですが、年齢は80歳を超えていて、なかなか無茶も効かないはず。後進に道を譲って、裏方の仕事や演技指導といったところに徹しているのかもしれませんね。ひょっとしたら、もうテレビに出演される機会はないのかもしれませんが、どこかで元気な姿を見せてほしいです。この機会に、唐十郎さんが出演している映画やテレビドラマをご覧になってみてくださいね。