動画『80年代~90年代 狩られるほど流行したモノ』を製作しました!
今回、『80年代~90年代 狩られるほど流行したモノ』を製作しました。
本稿に登場する一世を風靡した商品。時代を象徴する”流行したモノ”として今も語り継がれています。
ユニークな内容になるよう意識し製作しております。You Tubeにて公開中です!
タイトルは「【人気あり過ぎて社会現象になったモノたち】徹夜の行列に並んでも欲しかった!ようやくゲットした帰りにソッコー狩られるなんて事件まで起きた!!」として検索も可能です。
もしご興味ございましたら、どうぞご覧くださいませ!!
ドラクエ3
まずご紹介するのは、1988年に発売されたファミコンソフト「ドラゴンクエストIII そして伝説へ…」。エニックスの人気RPGシリーズの第三弾として発売された本作は、発売前から当時の子供や若者の間で大きな話題となり、親を巻き込んでのソフト争奪戦が繰り広げられました。

発売日の1988年2月10日の新宿。ソフトを一番にゲットするために、徹夜組が新聞紙を敷いて待機していました!

夜が明けると、店の前には開店前にもかかわらず大行列が!日本各地の電気店でこの光景が見られました。

行列の中には、タバコを吸いながら並ぶ人も。路上喫煙などの規制が緩かった昭和ならではの光景です!

店員さんが拡声器を使って行列を誘導しています。

ようやくレジにたどり着くと、そこにはマスコミのカメラが。発売当日は、テレビもドラクエⅢ発売の話題で持ちきりでした!

そしてこちらがお目当てのドラクエⅢのパッケージ。これをゲットするために、親からお小遣いをねだったり、代わりに行列に並んでもらったりする子供が当時続出していたのを覚えています。その一方で、いくつか問題も発生しました。

まず社会問題となったのは「ドラクエ狩り」。品薄によりソフトを入手出来なかった少年らが、恐喝によりソフトを奪うという事件が続出しました。さらに、ソフトを購入するために学校をさぼる生徒が続出。数百人単位で補導されるという事態に発展してしまいました。
『VANSON(バンソン)』
80年代後半から90年代にかけて爆発的にヒットした「VANSON(バンソン)」のレザージャケット。当時渋谷を中心に流行していたファッション「渋カジ」における必須アイテムとして、「リーバイス(LEVI’S)の501」「レッドウィング(RED WING)のエンジニアブーツ」などとともに人気を集めていました。

バンソンの中でも特に人気があったのが、「ワンスター」と呼ばれるスターライダースジャケットです。入荷したアメカジショップに行列が出来るほどの人気で、価格は十万円を軽く超えるほどに高騰していました。

そんな状況に目を付けたのが、当時渋谷を中心に闊歩していた「チーマー」と呼ばれる不良少年たち。バンソンを着こなしている人をターゲットにした「バンソン狩り」が多発し、せっかくバンソンを手に入れたのにもかかわらず、渋谷で下手に着ることが出来ない状況となっていました。
一般的には不良グループとされるものの、「暴走族」「ヤンキー」とも異なる存在であったチーマー。「サイコメトラーEIJI」などの漫画や、 窪塚洋介や長瀬智也が出演し話題を集めた「池袋ウエストゲートパーク」などのドラマの題材にもされており、その洗練されたファッションで他の不良グループたちと一線を画していました。80年代が暴走族・ヤンキーの時代であったとすれば、90年代はチーマーの時代であったと言えるでしょう。

『Windows95』
インターネットが爆発的に普及するきっかけとなり、IT革命に先鞭をつけた革新的なOS「Windows 95」。1995年にマイクロソフトが発売したOSであり、Windows 95の存在は日本の家庭にパソコンを普及させることに大きく貢献しました。発売当日には、ニュースなどで大々的に報道もされています。ここで振り返ってみましょう。

日本でWindows 95が発売された、1995年11月のニュース報道より。キャスターの久米宏が、Windows 95のCD-ROMを手にしています。

そしてスタジオには当時のデスクトップパソコンが。今ではなかなかお目にかかれないCRTモニターが懐かしい!

まず紹介されたのはアメリカの状況。アメリカでは3ヶ月前の8月に発売されており、発売当日のニューヨークのパソコンショップは大賑わいとなっていました。

そして、パソコンのシェアの解説も行われました。大きく「IBM系」「アップルコンピュータ系」の二つがあり、シェアはIBM系が8割以上。そのユーザーはWindows 95の前身であるWindows 3.1を使用していたとコメントされています。



秋葉原の各ショップでは、Windows 95の発売に向けた準備が着々と行われていました。店によってはくす玉を用意して発売を祝うなど、まさに一大イベントとして執り行われました。当時のOfficeソフトなどとともに陳列される様も懐かしい!

そして発売当日。店の前には開店前から大行列が出来ており、その熱狂ぶりが伝わってきます。
『エアマックス』
前述のバンソンやエアジョーダン、安室奈美恵が結婚会見で履いていたバーバリーのスカートなど、数多くのアパレル商品がヒットした90年代。中でも「狩り」というキーワードで語られることが多いのは、ナイキが展開するスニーカー「エアマックス」ではないでしょうか。

日本においてエアマックスの人気が頂点に達したのは、1995年に「エアマックス95」が発売された頃のこと。このエアマックス95はあまりの人気ぶりに常時品薄状態となり、入手困難な状況が数年間続きました。

その品薄状態を加速させていた要因として挙げられるのは、ファッションリーダーの存在です。木村拓哉や広末涼子といった当時を代表するアイドルたちがCMなどでエアマックスを着用し、それを雑誌などが取り上げることで人気が急上昇。中でも「イエローグラデ(neon)」と呼ばれるモデルはエアマックス95の代表格となり、時に数十万円のプレミアが付くケースもありました。そんな中、社会問題となったのが「エアマックス狩り」です。

バンソン狩り同様、チーマーらにより行われていたエアマックス狩り。そんな状況を打破しようと、当時大人気だったバラエティ「電波少年」にて、松村邦洋が前述のイエローグラデを着用し池袋西口公園で「エアマックス狩りを注意する」というロケを開始したところ、逆襲に遭いエアマックスを狩られてしまう事態が発生してしまいました。当時のエアマックス人気を象徴する事件として、後世に語り継がれています。
『たまごっち』
90年代後半に爆発的に流行した、手のひらサイズの携帯ゲーム「たまごっち」。キャラクターに餌を与えたり、フンの掃除をしたりしながら育てていくシミュレーションゲームで、餌を忘れたりすると死んでしまうこともあるなど、なかなか育成が上手くいかないところが逆に楽しいゲームでした。

たまごっちの人気が急上昇したのは、発売から1年ほど経過した1997年のこと。当時女子高生のカリスマ的存在であった歌手・安室奈美恵が音楽バラエティ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」にて、「たまごっちにハマっている」とコメントしたことから女子高生を中心に火が付き、最終的には幅広い世代に浸透しました。
90年代後半と言えば、華原朋美がテレビで「牛丼のつゆだくが好き」とコメントすると牛丼をつゆだくにする人が続出するなど、色々な意味で小室ファミリーに勢いがあった時代。アムラーを量産していた安室がたまごっちの人気に火をつけたのも、そんな当時ならではのエピソードと言えるでしょう。



極端な品薄状態が続き、特に人気の白いデザインのものを持っているとステータス扱いされることもあったたまごっち。忙しくて育成が出来ない人のための「たまごっち託児所」が開設されたり、育てていたたまごっちが死んでしまったことで「ペットロス」の状態に陥る人まで出るなど、まさに社会現象となりました。
『G-SHOCK』
前述のエアマックス同様に、ストリートファッションと親和性が高かったカシオの腕時計「G-SHOCK」。丸いごつごつしたフレームに、豊富なギミック、デジタル表示と一般的な高級腕時計とは一線を画したデザインで、渋カジなどのファッションに取り入れられていました。「Master of G」と呼ばれる、G-SHOCKの中でも特にタフさに定評のある「FROGMAN (フロッグマン)」「MUDMAN (マッドマン)」「GULFMAN (ガルフマン)」といったモデルが、当時の若者たちの間で憧れの的となっていました。


また、G-SHOCKと似たようなファッション性をイメージさせる商品として、パナソニックが「ショックウェーブ(SHOCK WAVE)」という携帯カセットプレイヤーを販売していました。当時人気絶頂であったアイドル・KinKi Kidsの二人が広告に起用され、そのハイテクな機能性や渋カジとの親和性の高さから、音楽好きの若者の間で大流行していました。


おまけ『ボンタン狩り』『おたく狩り』『おやじ狩り』
ここまで、80年代~90年代における「行列に並んでも欲しかった商品」の数々をご紹介しましたが、おまけとして、当時の「狩り」を連想する言葉として「ボンタン狩り」「おたく狩り」「おやじ狩り」の3つを最後に取り上げてみたいと思います。
ボンタン狩り
80年代を中心に、ヤンキーの間で流行した「ボンタン狩り」。これは「ボンタン」という変形学生服を履いている不良に喧嘩を売り、ボンタンを強奪するというもので、街中で調子をこいてる他の不良を叩きのめすことで自分自身の力を誇示することが出来るため、ある意味ヤンキーの勲章として機能していました。なお、このボンタン狩りが流行するきっかけとなったのは、伝説のヤンキー漫画「ビー・バップ・ハイスクール」です。

おたく狩り
ゲームやアニメといったオタク趣味が市民権を得る前に流行していた「おたく狩り」。宅八郎に代表されるような風貌の「おたく」が、「弱弱しい」「抵抗しない」「金を持ってる」といった理由からターゲットにされ、秋葉原や新宿などで恐喝の被害が続出した時期がありました。

おやじ狩り
90年代半ばに注目を浴びた「おやじ狩り」。これは1996年に千葉県で中高年男性を狙って恐喝を行っていた少年らが、その行為を「オヤジ狩り」と称していたことから広まった言葉であり、前述の「おたく狩り」同様、自分たちよりも弱いと判断した人をターゲットにした犯罪として、社会問題となりました。

まとめ
今回ご紹介するアイテムは以上となります。「ドラクエ」「エアマックス」「たまごっち」など、流行していた当時、入手するためなら手段を選ばない人が続出していたものが多く、それが「狩り」という形で社会問題へと発展してしまうケースが多く見受けられました。これからの時代も流行のアイテムが出てくると思われますが、犯罪行為だけは行わないというモラルが我々に求められています。節度を持って流行を楽しみたいものですね!